GSKのRSウイルスワクチン「Arexvy(アレックスビー)」、RSウイルスによる感染症が重症化するリスクが高い18~49歳の成人への接種対象者拡大の承認申請について米国FDAが受理
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米国の50歳未満の成人のうち2,100万人以上が、RSウイルスによる感染症が重症化するリスク要因を1つ以上有する1
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この年齢層を対象とする免疫応答と安全性を評価する第IIIb相臨床試験の良好な結果に基づき承認申請
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米国FDAの審査終了は2026年上半期を予定
この資料は、英国GSK plcが2025年7月14日に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先されます。
詳細は https://www.gsk.comをご参照ください。
GSK(本社:英国)は、RSウイルスワクチン「Arexvy(アレックスビー:アジュバント添加遺伝子組換えRSウイルスワクチン)」について、RSウイルスによる感染症が重症化するリスクが高いと考えられる18~49歳の成人への適応拡大に関する承認申請が米国食品医薬品局(FDA)に受理されたことをお知らせします。
アレックスビーは、米国において、60歳以上の成人およびRSウイルスによる感染症が重症化するリスクが高いと考えられる50~59歳の成人におけるRSウイルスによる下気道疾患(LRTD)の予防を目的として承認されています。
RSウイルスは、肺などの呼吸器に影響を及ぼす一般的な感染性ウイルスで、感染者数は世界で、毎年6,400万人と推定されます2。米国では1億2,500万人以上の成人が50歳未満ですが、このうち推定2,100万人が、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、うっ血性心不全、冠状動脈疾患(CHD)など、RSウイルスによる感染症が重症化するリスク要因を1つ以上有すると診断されています1。
本申請は、RSウイルスによる感染症に罹患するリスクが高い18~49歳の成人を対象に、60歳以上の成人と比較した免疫応答と安全性を評価する第IIIb相臨床試験の結果に基づいています3。本試験の安全性および副反応は、米国でGSKのワクチン承認を最初に支持した第III相試験プログラムの結果と一致していました。
本申請に関するFDAの決定は、2026年上半期に予定されています。GSKは、日本や欧州経済領域を含む他の地域においても、引き続き、このRSウイルスワクチンの適応拡大を目指します。
RSウイルスワクチン「アレックスビー(Arexvy)」について
アレックスビーは、アジュバント添加遺伝子組換えRSウイルスワクチンで、膜融合前型で安定化した遺伝子組換えRSウイルスF糖タンパク質(RSVPreF3)抗原を含有しています。この抗原には、GSK独自のAS01Eアジュバントを組み合わせています。
米国においてアレックスビーは、60歳以上の成人およびRSウイルスによる感染症が重症化するリスクが高いと考えられる50~59歳の成人におけるRSウイルスによる下気道疾患(LRTD)の予防を目的として承認されています。本ワクチンは、米国の公式の推奨事項に従って使用されます。他のワクチンと同様に、ワクチン接種を受けたすべての人に感染防御のための免疫応答が誘導されるわけではありません。
アレックスビーは、日本、米国、欧州を含む60カ国以上で、60歳以上を対象に、RSウイルスによる下気道疾患の予防(日本:RSウイルスによる感染症の予防)を効能または効果として承認されています。さらに、日本(RSウイルスによる感染症が重症化するリスクが高い50歳以上)、米国、欧州/欧州経済領域(EEA)加盟国を含む50カ国以上で、RSウイルスによる感染症のリスクが高い50~59歳を対象に、下気道疾患の予防(日本:RSウイルスによる感染症の予防)を効能または効果として承認されています。その他の国々でも規制当局による審査が進行中です。承認地域以外の商標名は各国の規制当局の承認に基づき決定されます。
GSKが所有するAS01アジュバントシステムには、Agenus社の完全子会社であるAntigenics社よりライセンス供与されたQS-21 STIMULONアジュバントが含まれています。
第IIIb相試験(NCT06389487)について
第IIIb相試験(NCT06389487)は、RSウイルスによる感染症に罹患するリスクが高い18~49歳の成人(426例)を対象に、60歳以上の成人(429例)と比較した免疫応答の非劣性と、GSKのRSウイルスワクチンの安全性を評価する第IIIb相非盲検試験です。初回のコホートの安全性追跡調査とは別に、18~49歳の被験者603例からなる追加のコホートで有害事象を追跡調査しました。6カ国の52施設(米国の16施設を含む)で1,458例の被験者を登録しました。
試験の主要評価項目は、RSV-AおよびRSV-Bの中和抗体価の幾何平均比(リスクの高い高齢の成人に対する比率)と、ワクチン投与1カ月後のRSV-AおよびRSV-Bの中和抗体価で評価する血清反応としました。安全性および免疫原性についても、副次的評価項目で評価しました。
成人におけるRSウイルス(呼吸器合胞体ウイルス)について
RSウイルスは、肺などの呼吸器に影響を及ぼす一般的な感染性ウイルスで、感染者数は世界で毎年6,400万人と推定されます2。基礎疾患、免疫低下状態、または加齢によって成人のRSウイルスによる疾患のリスクが高くなるといわれています4。
グラクソ・スミスクライン(GSK)について
GSKは、サイエンス、テクノロジー、人財を結集し、力を合わせて病に先手を打つことを存在意義とするグローバルなバイオ医薬品企業です。詳しくはhttps://jp.gsk.comをご参照ください。
1 Horn E et al. “Characteristics Associated with the Presence of One or More Risk Factors for Severe Respiratory Syncytial Virus Disease among Adults in the United States”, poster presented at ID Week 2024 [available on demand: P691 - DV-009542.pdf]
2 National Institute of Allergy and Infectious Diseases, Respiratory Syncytial Virus (RSV). Available at: https://www.niaid.nih.gov/diseases-conditions/respiratory-syncytial-virus-rsv Accessed June 2025
3 Clinicaltrials.gov, “A Study on the Immune Response and Safety of Vaccine Against Respiratory Syncytial Virus (RSV) Given to Adults 18 to 49 Years of Age at Increased Risk for Respiratory Syncytial Virus Disease, Compared to Older Adults 60 Years of Age and Above” – available at: https://clinicaltrials.gov/study/NCT06389487
4 Falsey, AR et al. Respiratory syncytial virus infection in elderly and high-risk adults, in New Engl J Med 2005; 352:1749-59. doi: 10.1056/NEJMoa043951