再発又は難治性の多発性骨髄腫に対するBlenrep併用療法の承認申請を米国食品医薬品局が受理
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第III相直接比較試験(DREAMM-7およびDREAMM-8)で、全生存期間(DREAMM-7)をはじめ統計学的に有意な有効性の結果に基づき承認申請
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承認された場合、Blenrep(ベランタマブ マホドチン)とBorDexとの併用療法(BVd)またはPomDexとの併用療法(BPd)が、再発又は難治性の多発性骨髄腫の二次治療以降の治療を変える可能性
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本年6つの国と地域において、上記適応症に対するベランタマブ マホドチンの併用療法に関する主要な承認申請を規制当局が受理
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米国の審査結果は2025年7月23日までに発表予定
この資料は、英国GSK plcが2024年11月25日に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先されます。詳細は https://www.gsk.com/をご参照ください。
GSK(本社:英国)は、1ライン以上の治療歴を有する多発性骨髄腫患者さんの治療を適応とするBlenrep(ベランタマブ・マホドチン)のボルテゾミブとデキサメタゾン(bortezomib plus dexamethasone:BorDex)との併用療法(BVd)およびポマリドミドとデキサメタゾン(pomalidomide plus dexamethasone:PomDex)との併用療法(BPd)の生物学的製剤承認申請(Biologics License Application:BLA)を米国食品医薬品局(FDA)が受理したことを発表しました。米国FDAは、処方薬ユーザーフィー法(Prescription Drug User Fee Act:PDUFA)による審査終了予定日を2025年7月23日としました。
GSKのR&Dオンコロジー部門のグローバルヘッドでシニアバイスプレジデントのヘシャム・アブドラ(Hesham Abdullah)は次のように述べています。
「再発又は難治性の多発性骨髄腫の治療は、副作用を管理しつつ有効な治療選択肢が加わることで大きく変わると考えています。DREAMM-7試験とDREAMM-8試験より、Blenrepの併用療法の承認申請を裏付けるエビデンスが得られており、特にDREAMM-7試験において全生存期間(OS)の統計学的に有意な結果が得られたことでエビデンスはさらに補強されました。今後、承認申請審査に向けてFDAと協力してまいります。」
今回の米国での申請は、第III相臨床試験のDREAMM-7およびDREAMM-8の結果を根拠としています。いずれの試験でも主要評価項目を達成し、再発又は難治性の多発性骨髄腫の患者さんで標準治療の3剤併用療法との比較において、ベランタマブ マホドチンの併用療法により、無増悪生存期間(PFS)に統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善が得られました。
両試験の結果では、有効性におけるすべての副次評価項目についても、従来の標準治療の併用療法と比較して深く持続的な奏効がみられるなど、臨床的に意義のある改善が認められました。DREAMM-7試験およびDREAMM-8試験におけるベランタマブ マホドチン併用療法の安全および忍容性プロファイルは、個々の薬剤で既に確認されているプロファイルとおおむね一致していました。
その後の中間解析によると、DREAMM-7試験ではベランタマブ マホドチンの併用療法によって統計学的に有意かつ臨床的に意味のあるOS延長効果が得られ、OSに基づく主要な副次的評価項目を達成しました1。本解析で得られた有効性および安全性データは、第66回米国血液学会(American Society of Hematology:ASH)年次総会で2024年12月9日午前11時15分(太平洋時間)に発表されます。DREAMM-8試験ではOSの延長傾向が認められましたが、中間解析の時点では統計学的に有意ではありませんでした。OSの追跡調査を継続していきます。
DREAMM-7試験およびDREAMM-8試験の結果に基づき、再発又は難治性の多発性骨髄腫の治療を適応としたベランタマブ マホドチンの併用療法に関する主要な承認申請が受理されたのは今年6カ国(または地域)となります。2024年には、ベランタマブ マホドチンの併用療法についてEU2、日本(優先審査)3、英国、カナダおよびスイス(DREAMM-8試験をもとに優先審査)で承認申請が受理されました。中国では国家薬品監督管理局が、ベランタマブ マホドチンとBorDexの併用療法を画期的治療薬に指定するとともに、DREAMM-7試験の結果に基づき承認申請に対する優先審査品目に指定しました4。
多発性骨髄腫について
多発性骨髄腫は世界で3番目に多い血液のがんで、一般的に治療可能であるものの治癒困難な疾患と考えられています5,6。世界で毎年約18万人以上の患者さんが新たに多発性骨髄腫と診断されています7。多発性骨髄腫は米国において重大な健康上の懸念であり続けており、2024年には35,000人以上の患者さんが診断されると予想されています6,8。多発性骨髄腫は、既存の治療に対し治療抵抗性となってしまうことが多いため、新しい治療法の開発が求められています9。
DREAMM-7試験について
DREAMM-7試験は、1ライン以上の多発性骨髄腫治療歴を有し、直近の治療中または治療後に病勢進行が確認された再発又は難治性の多発性骨髄腫患者さんを対象に、ベランタマブ マホドチンとBorDexとの併用療法と、ダラツムマブとBorDexとの併用療法とで有効性および安全性を比較する第III相多施設共同無作為化非盲検試験です。
本試験では、合計494例の患者さんを、ベランタマブ マホドチンとBorDexの併用療法、またはダラツムマブとBorDexの併用療法に1:1の比率で無作為に割り付けました。ベランタマブ マホドチンについては2.5mg/kgの用量で3週間ごとに静脈内に投与しました。
主要評価項目は、独立効果判定委員会の評価によるPFSとし、主な副次評価項目は、OS、奏効期間(duration of response:DOR)、微小残存病変(minimal residual disease:MRD)の陰性達成率(次世代シークエンシングにより評価)としました。その他の副次的評価項目は、全奏効率(overall response rate:ORR)、安全性、患者さんの報告による生活の質のアウトカムとしました。
DREAMM-7試験の結果は、2024年2月に開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)プレナリーシリーズで初めて発表され10、2024年ASCO年次総会でアンコール発表として共有されたうえで、New England Journal of Medicine誌に掲載されました。
DREAMM-8試験について
DREAMM-8試験は、1ライン以上の多発性骨髄腫治療歴(レナリドミドを含む治療を含む)を有し、直近の治療中または治療後に病勢進行が確認された再発または難治性の多発性骨髄腫患者さんを対象に、ベランタマブ マホドチンとPomDexとの併用療法と、ボルテゾミブとPomDexの併用療法とで有効性および安全性を比較する第III相多施設共同非盲検無作為化試験です。DREAMM-7試験の対象とした患者さんの集団と比較して、DREAMM-8試験の患者さんは前治療でレナリドミドやダラツムマブで投与された割合が高く、全例にレナリドミドの投与歴があり、78%がレナリドミドに抵抗性を示していました。また25%にダラツムマブの投与歴があり、その大半がダラツムマブに抵抗性を示していました。
本試験では、合計302例の患者さんを、ベランタマブ マホドチンとPomDexの併用療法、またはボルテゾミブとPomDexの併用療法に1:1の比率で無作為に割り付けました。
主要評価項目は、独立効果判定委員会の評価によるPFSとし、重要な副次的評価項目は、OS、次世代シークエンシングにより評価したMRD陰性率としました。その他にORR、DOR、安全性、患者さんの報告による生活の質のアウトカムを副次的評価項目としました。
DREAMM-8試験の結果は、2024年ASCO年次総会で初めて発表されたうえで11、New England Journal of Medicine誌に掲載されました。
Blenrepについて
Blenrepは、非切断型のリンカーを介して、ヒト化抗BCMAモノクローナル抗体に細胞傷害性薬剤であるアウリスタチンFを結合させた抗体薬物複合体です。薬剤リンカー技術はSeagen社からライセンス供与されています。また、モノクローナル抗体は、協和キリングループのBioWa社からライセンス供与を受けたPOTELLIGENT技術を用いて製造しています。
オンコロジー領域におけるGSKの取り組み
GSKは新たな治療領域としてオンコロジー領域に注力しており、がん免疫療法および腫瘍細胞標的療法の画期的な治療法の開発を通じて、血液悪性腫瘍、婦人科がん、その他固形腫瘍領域を中心に、患者さんの予後改善に向けて取り組んでいます。
グラクソ・スミスクライン(GSK)について
GSKは、サイエンス、テクノロジー、人財を結集し、力を合わせて病に先手を打つことを存在意義とするバイオ医薬品のグローバルリーダーです。詳細情報はhttps://jp.gsk.com/をご参照ください。
1 GSK press release issued 27 November 2024. 再発又は難治性の多発性骨髄腫に対するBlenrepが第III相直接比較試験DREAMM-7において全生存期間の延長効果を示す. Available at: https://jp.gsk.com/ja-jp/news/press-releases/20241127-blenrep-shows-overall-survival-benefit-in-head-to-head-dreamm-7-phase-iii-trial-for-relapsedrefractory-multiple-myeloma/.
2 GSK press release issued 2 August 2024. 多発性骨髄腫に対するBlenrep併用療法の承認申請について欧州医薬品庁が受理. Available at: https://jp.gsk.com/ja-jp/news/press-releases/20240802-blenrep-belantamab-mafodotin-combinations-in-multiple-myeloma-application-accepted-for-review-by-the-european-medicines-agency/.
3 GSK press release issued 17 September 2024. GSK、再発又は難治性の多発性骨髄腫の治療薬としてベランタマブ マホドチンを日本で承認申請. Available at: https://jp.gsk.com/ja-jp/news/press-releases/20240917-blenrep-belantamab-mafodotin/.
4 GSK press release issued 13 September 2024. Blenrep (belantamab mafodotin) in combination receives Breakthrough Therapy Designation in China for treatment of relapsed/refractory multiple myeloma. Available at: https://www.gsk.com/en-gb/media/press-releases/blenrep-belantamab-mafodotin-in-combination-receives-breakthrough-therapy-designation-in-china-for-treatment-of-relapsedrefractory-multiple-myeloma/.
5 Sung H, Ferlay J, Siegel R, et al. Global Cancer Statistics 2020: GLOBOCAN Estimates of Incidence and Mortality Worldwide for 36 Cancers in 185 Countries. CA Cancer J Clin. 2021;71(3):209-249. doi:10.3322/caac.21660.
6 Kazandjian D. Multiple myeloma epidemiology and survival: A unique malignancy. Semin Oncol. 2016;43(6):676–681.doi:10.1053/j.seminoncol.2016.11.004.
7 Global Cancer Observatory. International Agency for Research on Cancer. World Health Organization. Multiple Myeloma fact sheet. Available at: https://gco.iarc.who.int/media/globocan/factsheets/cancers/35-multiple-myeloma-fact-sheet.pdf. Accessed 5 July 2024.
8 American Cancer Society Cancer Statistics Center. Myeloma. https://cancerstatisticscenter.cancer.org/#!/cancer-site/Myeloma. Accessed April 2024.
9 Nooka AK, Kastritis E, Dimopoulos MA. Treatment options for relapsed and refractory multiple myeloma. Blood. 2015;125(20).
10 GSK press release issued 28 February 2024. 再発または難治性の多発性骨髄腫患者さんを対象とした第III相DREAMM-7試験において、GSKのBlenrepの併用療法が標準治療の併用療法と比較して、無増悪生存期間の中央値を3倍近く延長. Available at: https://jp.gsk.com/ja-jp/news/press-releases/20240228-dreamm-7-phase-iii-trial-shows-pfs-improvement-and-strong-os-trend-for-blenrep-combo-versus-soc-combo-in-multiple-myeloma/.
11 GSK press release issued 12 June 2024. 再発または難治性の多発性骨髄腫患者さんを対象としたGSKのBlenrepの併用療法と標準治療との比較試験であるDREAMM-8において、Blenrepの併用療法での病勢進行または死亡のリスクが約50%低下. Available at: https://jp.gsk.com/ja-jp/news/press-releases/20240612-blenrep-combination-reduced-the-risk-of-disease-progression/.