再発または難治性の多発性骨髄腫患者さんを対象とした第III相DREAMM-7試験において、GSKのBlenrepの併用療法が標準治療の併用療法と比較して、無増悪生存期間の中央値を3倍近く延長

この資料は、英国GSK plcが2024年2月5日に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先されます。
詳細はhttps://www.gsk.comをご参照ください。

<2024年2月5日 英国ロンドン発>

再発または難治性の多発性骨髄腫患者さんを対象とした第III相DREAMM-7試験において、GSKのBlenrepの併用療法が標準治療の併用療法と比較して、無増悪生存期間の中央値を3倍近く延長

  • Blenrepの併用療法を受けた患者さんでは、標準治療であるダラツムマブの併用療法と比較して、病勢進行または死亡のリスクが59%低下

  • 無増悪生存期間の中央値は、Blenrepの併用療法で36.6ヵ月、ダラツムマブの併用療法で13.4ヵ月

  • Blenrepの併用療法により、全生存期間において臨床的に意義のある延長傾向が認められ、死亡リスクは43%低下

GSK(本社:英国)は、Blenrep(ベランタマブ マホドチン)とBorDex(ボルテゾミブおよびデキサメタゾン)の併用療法と、ダラツムマブとBorDexの併用療法を再発または難治性の多発性骨髄腫の二次以降の治療において直接比較した第III相DREAMM-7試験の中間解析の結果を発表しました。これらのデータは、2024年2月6日に米国臨床腫瘍学会(ASCO)のプレナリーシリーズで発表されました。

主要評価項目である無増悪生存期間(progression-free survival 、以下PFS)について、ベランタマブ マホドチンの併用療法(243例)により、ダラツムマブの併用療法(251例)と比較して統計学的に有意かつ臨床的に意義のある延長効果が認められ、病勢進行または死亡のリスクが59%低下しました(ハザード比[HR]:0.41[95%信頼区間(CI):0.31~0.53]、p<0.00001)。追跡期間の中央値は28.2ヵ月であり、PFSの中央値はダラツムマブの併用療法群で13.4ヵ月(11.1~17.5)であったのに対し、ベランタマブ マホドチンの併用療法群では36.6ヵ月(95%CI:28.4~未達[NR])でした。また、事前に規定したすべてのサブグループ解析(レナリドミドに対する抵抗性、および細胞遺伝学的高リスクを含む)でPFSに対する効果が認められました。ベランタマブ マホドチンの併用療法の安全性および忍容性プロファイルは、各薬剤の既知のプロファイルと一致していました。

GSKのR&Dオンコロジー部門のグローバルヘッドでSVPのヘシャム・アブドラ(Hesham Abdullah)は次のように述べています。
「ベランタマブ マホドチンの併用療法において、標準治療であるダラツムマブの併用療法と比較して、無増悪生存期間の高い延長効果と全生存期間で良好な傾向が認められました。本結果から、ベランタマブ マホドチンの併用療法によって、初回再発やそれ以降の再発の多発性骨髄腫の治療のあり方を変える可能性があるという私たちの確信がさらに高まりました。今回の結果は、世界各国の保健当局と共有していく予定です。」

またベランタマブ マホドチンの併用療法によって、ダラツムマブの併用療法と比較して、完全奏効率(厳格な完全奏効および完全奏効)、微小残存病変(MRD)陰性率および奏効期間中央値(DOR)における約2倍の改善など、副次的有効性評価項目すべてで臨床的に意義のある改善が認められました。中間解析では、全生存期間(overall survival、以下OS)について、死亡リスクが43%低下し、臨床的に意義のある延長傾向が認められました(HR:0.57[95%CI:0.40~0.80]、p=0.00049)が、OSの統計学的有意性を認める中間解析の基準には未だ達していないため、OSの追跡調査を継続し、さらなる解析を実施していく予定です。

スペインのサラマンカ大学医学部教授で同病院血液内科骨髄腫・臨床試験部門責任者、DREAMM-7試験の治験責任医師のマリア-ビクトリア・マテオス(Maria-Victoria Mateos)医学博士は次のように述べています。
「DREAMM-7試験では、多発性骨髄腫の二次治療でベランタマブ マホドチンとBorDexの併用療法を用いることで、ダラツムマブを用いたレジメンを上回る有意な改善結果が得られました。BCMAをターゲットとする新規治療によって多発性骨髄腫患者さんの転帰が改善しています。地域の腫瘍センターで治療を受ける多くの患者さんに対し、ベランタマブ マホドチンのように容易にアクセス可能な治療選択肢を提供できることは、初回再発やそれ以降の再発の骨髄腫治療のあり方を変える可能性があります。」

重要な副次的評価項目の概要は以下のとおりです。

重要な副次的評価項目

評価項目 ベランタマブ マホドチン+BorDex
(243例)
ダラツムマブ+BorDex
(251例)
ORR(全奏効率)(95%CI) 82.7%(77.4~87.3) 71.3%(65.3~76.8)
sCR(厳格な完全奏効) 14.0% 5.2%
CR(完全奏効) 20.6% 12.0%
最良部分奏効 31.3% 29.1%
部分奏効 16.9% 25.1%
MRD陰性率*(95%CI)
P値
24.7(19.4、30.6) 9.6(6.2、13.9)
p<0.00001#
DOR中央値(95%CI)** 35.6ヵ月(30.5~NR) 17.8ヵ月(13.8~23.6)
全生存期間
HR(95%CI)
P値***
0.57(0.40~0.80)
p=0.00049***

* sCRまたはCRの被験者で測定
** Intent-to-treat集団に制限してDORを群間比較した平均DOR(RMDoR)の解析では、ベランタマブ マホドチンの併用療法で統計学的有意な延長あり(p<0.00001)
*** 今回の中間解析では、OSの統計学的有意水準(p≤0.00037)に未達。OSの追跡調査を実施中
#名目上のp値

 

臨床的に注目すべきグレード3以上の有害事象(眼科所見以外)として、ベランタマブ マホドチン併用療法群とダラツムマブ併用療法群で血小板減少症(それぞれの発現割合55%と35%、曝露量で調整した発現頻度:100人/年あたりそれぞれ40と29)、好中球減少症(12%と6%)、肺炎(12%と4%、100人/年あたりそれぞれ8と3)、貧血(8%と10%)がみられました。

ベランタマブ マホドチン投与の既知のリスクである眼に関連する副作用による治験薬投与の中止は9%であり全般的に可逆的で、用量変更により管理可能と考えられました。ベランタマブ マホドチン併用療法を受けた患者さんにおける、グレード3以上の眼に関連する有害事象の発現割合は34%であり、霧視(22%)、眼乾燥(7%)、眼刺激(5%)、視覚障害(5%)が主にみられました。ベースラインで片眼以上の最良矯正視力(BCVA)スコアがSnellen視標で20/25以上であった患者さんのうち82例(34%)において、両眼のスコアが20/50以下に悪化しました。ただしこれらの患者さんで発現した事象のほぼすべて(98%)が、今回の解析時点で回復していました。なお、回復までの期間の中央値は22日でした。

患者さんの健康状態(生活の質(QOL))をEORTC-QLQ-C30で測定したところ、投与群間で全般的QOLに経時的な差はありませんでした。

ベランタマブ マホドチンの臨床開発プログラム(DRiving Excellence in Approaches to Multiple Myeloma、以下DREAMM)では、ベランタマブ マホドチンを多発性骨髄腫の早期ラインの治療に用いた際の評価や、同剤を新規治療や標準治療と併用した際の評価を引き続き行っていきます。このような評価の一環として、ポマリドミドおよびデキサメタゾンと併用した条件でベランタマブ マホドチンとボルテゾミブを直接比較する第III相試験であるDREAMM-8試験が進行中です。DREAMM-8試験のデータは、2024年下半期に明らかになる予定です。

DREAMM-7試験について
DREAMM-7試験は、1ライン以上の多発性骨髄腫治療歴を有し、直近の治療中または治療後に病勢進行が確認された再発または難治性の多発性骨髄腫患者さんを対象に、ベランタマブ マホドチンとBorDexとの併用療法と、ダラツムマブとBorDexとの併用療法とで有効性および安全性を比較する第III相多施設共同無作為化非盲検試験です。

本試験では、合計494例の患者さんを、ベランタマブ マホドチンとBorDexの併用療法、またはダラツムマブとBorDexの併用療法に1:1の比率で無作為に割り付けました。ベランタマブ マホドチンについては2.5mg/kgの用量で3週間ごとに静脈内に投与しました。

主要評価項目は、独立効果判定委員会の評価による無増悪生存期間とし、重要な副次評価項目は、全生存期間、奏効期間、微小残存病変の陰性率(次世代シークエンシングにより評価)としました。

多発性骨髄腫について
多発性骨髄腫は、世界で3番目に多い血液のがんで、一般的に治療可能であるものの治癒困難な疾患と考えられています1,2。世界で毎年約176,000人の患者さんが新たに多発性骨髄腫と診断されています3。多発性骨髄腫は、利用可能な治療に対し治療抵抗性となってしまうことが多いため、新しい治療法の開発が求められています4

Blenrepについて
Blenrepは、非切断型のリンカーを介して、ヒト化抗BCMAモノクローナル抗体に細胞傷害性薬剤であるアウリスタチンFを結合させた抗体薬物複合体です。薬剤リンカー技術はSeagen社からライセンス供与されています。また、モノクローナル抗体は、協和キリングループのBioWa社からライセンス供与を受けたPOTELLIGENT技術を用いて製造しています。

オンコロジー領域におけるGSKの取り組み
GSKは新たな治療領域としてオンコロジー領域に注力しており、がん免疫療法および腫瘍細胞標的療法の画期的な治療法の開発を通じて、血液悪性腫瘍、婦人科がん、その他固形腫瘍領域を中心に、患者さんの予後改善に向けて取り組んでいます。

グラクソ・スミスクライン(GSK)について
GSKは、サイエンス、テクノロジー、人財を結集し、力を合わせて病に先手を打つことを存在意義とするバイオ医薬品のグローバルリーダーです。詳細情報はhttps://jp.gsk.comをご参照ください。

 


1 Sung H, Ferlay J, Siegel R, et al. Global Cancer Statistics 2020: GLOBOCAN Estimates of Incidence and Mortality Worldwide for 36 Cancers in 185 Countries. CA Cancer J Clin. 2021;71(3):209-249. doi:10.3322/caac.21660.
2 Kazandjian D. Multiple myeloma epidemiology and survival: A unique malignancy. Semin Oncol. 2016;43(6):676-681. doi:10.1053/j.seminoncol.2016.11.004.
3 Multiple Myeloma: Statistics. Cancer.net. Published February 2022. https://www.cancer.net/cancer-types/multiple- myeloma/statistics#:~:text=This%20year%2C%20an%20estimated%2034%2C470,with%20multiple%20myeloma%20in%202020. Accessed 19 October 2023.
4 Nooka AK, Kastritis E, Dimopoulos MA. Treatment options for relapsed and refractory multiple myeloma. Blood. 2015;125(20).