GSKのRSウイルスワクチン「アレックスビー」、RSウイルスによる感染症のリスクが高い50~59歳への接種対象者拡大について欧州委員会より承認を取得
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RSウイルス感染症に対するリスクが高い基礎疾患を有する欧州30カ国*での人口は50~59歳で約2,000万人と推定1-3
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今年のRSウイルス流行シーズン前に、欧州で初めて対象となる方をRSウイルスから守る
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米国での承認に続くもので、現在日本を含む他国でも審査が進行中
この資料は、英国GSK plcが2024年8月29日に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先されます。詳細は https://www.gsk.comをご参照ください。
GSK(本社:英国)は、RSウイルスワクチン「Arexvy(アジュバント添加RSウイルスワクチン)(以下アレックスビー)」について、欧州委員会より、RSウイルスによる下気道疾患の予防を目的として、RSウイルスによる感染症に罹患するリスクが高いと考えられる50~59歳への接種対象者拡大の承認を取得しましたことをお知らせします。アレックスビーは、欧州では60歳以上を対象に、下気道疾患の予防を適応として2023年6月に承認を取得しています4。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、心不全、糖尿病などの基礎疾患を有する患者さんは、これらの疾患のない人と比べ、RSウイルス感染による重症化のリスクが高く5,6、RSウイルスによってこれらの病態が悪化し、肺炎、入院、死亡につながる可能性があります6。
欧州連合加盟国/欧州経済領域には、約6,500万人の50~59歳の成人がいると推定され1、そのうち2,000万人(3分の1)が、RSウイルス疾患のリスクを高める基礎疾患を少なくとも1つ有しているといわれています2,3。
GSKチーフ・サイエンティフィック・オフィサーのトニー・ウッド(Tony Wood)は次のように述べています。
「本承認は、ワクチンによってRSウイルス感染症を予防することの利点をリスクの高い50~59歳にも広げることの重要性を示唆しています。高齢者、特に基礎疾患のある患者さんにとって、RSウイルスは深刻な結果をもたらす可能性があり、医療制度への負担も懸念されます。RSウイルスの流行期を前に、欧州において、アレックスビーがRSウイルス感染症からこのような人々を守る最初のワクチンとなることを誇りに思います。」
本申請は、特定の基礎疾患によりRSウイルスによる下気道疾患のリスクが高まる成人を含む50~59歳を対象とするアレックスビーの免疫応答と安全性を評価した第III相試験の良好な結果に基づいています7。
ドイツのヴュルツブルク中央病院(Klinikum Würzburg Mitte)の医師・教授のティーノ・F・シュワルツ(Tino F. Schwarz)は次のように述べています。
「50~59歳では、RSウイルス感染症による重症化のリスクが高くなる特定の基礎疾患をもつ患者さんが多くおられます。RSウイルスワクチンの対象年齢の拡大により、こうした患者さんがRSウイルスによる下気道疾患の疾病負担を軽減できる可能性があります。欧州の予防接種技術諮問グループ(National Immunization Technical Advisory Group:NITAG)による推奨の枠組みにこのような患者さんも対象に加わることを願っています。」
本承認に加えて、GSKは、日本を含むその他の地域において、RSウイルスによる感染症に罹患するリスクが高い50~59歳への接種対象者拡大について申請中で、現在、規制当局による審査が進行しています。リスクの高い18~49歳の成人および免疫低下の18歳以上を対象としたワクチンの免疫応答と安全性を評価する試験は、2024年下半期に結果が得られる予定です。
RSウイルスワクチン「アレックスビー(Arexvy)」について
アジュバント添加、遺伝子組換えRSウイルスワクチンで、膜融合前型で安定化した遺伝子組換えRSウイルスF糖タンパク質(RSVPreF3)抗原を含有しています。この抗原には、GSK独自のAS01Eアジュバントを組み合わせています。
GSKのRSウイルスワクチンは、60歳以上のRSウイルスによる下気道疾患の予防を目的として欧州委員会より2023年6月に承認を受けています。欧州では公式の推奨事項に従って使用されます。他のワクチンと同様に、すべてのワクチン接種者で防御免疫応答が誘導されるわけではありません。
アレックスビー(Arexvy)は、日本(RSウイルスによる感染症の予防)、米国、欧州、英国を含む50カ国で、60歳以上を対象にRSウイルスによる下気道疾患の予防を効能または効果として承認されています。その他の国々でも規制当局による審査が進行中です。承認地域以外の商標名は各国の規制当局の承認に基づき決定されます。
GSKが所有するAS01アジュバントシステムには、Agenus社の完全子会社であるAntigenics社よりライセンス供与されたQS-21 STIMULONアジュバントが含まれています。
成人におけるRSウイルス(呼吸器合胞体ウイルス)について
RSウイルスは、肺などの呼吸器に影響を及ぼす一般的な感染性ウイルスです。基礎疾患、免疫低下状態、または加齢によって成人のRSウイルスによる疾患のリスクが高くなるといわれています6。RSウイルスにより、COPD、喘息、慢性心不全などの病態が悪化し、肺炎、入院、死亡などの重篤な転帰につながる可能性があります6。
GSK(グラクソ・スミスクライン)について
GSKは、サイエンス、テクノロジー、人財を結集し、力を合わせて病に先手を打つことを存在意義とするバイオ医薬品のグローバルリーダーです。詳細情報はhttps://jp.gsk.comをご参照ください。
(*)2024年の、慢性疾患を少なくとも1つ有するフランス、イタリアおよびスペインの50~59歳の個人の割合3から、欧州連合/欧州経済領域の50~59歳の人口集団に外挿して推定しています1。欧州委員会は、欧州連合加盟国および欧州経済領域(EEA)加盟国のアイスランド、ノルウェー、リヒテンシュタインの医薬品を承認する権限を有しています。
1.United Nations. World Population Prospects 2024.Available at: https://population.un.org/wpp/ - accessed in August 2024
2.Zimmerman, RK et al., “Prevalence of high-risk indications for influenza vaccine varies by age, race, and income” in Vaccine, 28(39), 6470-6477.3, 2010
3.de Fougerolles, TR. et al, “Public health and economic benefits of seasonal influenza vaccination in risk groups in France, Italy, Spain and the UK: state of play and perspectives” in BMC Public Health, 24(1), 1222, 2024
4.Arexvy | European Medicines Agency (EMA). (n.d.).European Medicines Agency (EMA).Available at: https://www.ema.europa.eu/en/medicines/human/EPAR/arexvy. Accessed August 2024 - accessed in August 2024
5.Branche AR et al., “Incidence of Respiratory Syncytial Virus Infection Among Hospitalized Adults, 2017-2020” in Clinical Infectious Diseases, 74:1004-1011, 2022
6.Centers for Disease Control and Prevention (CDC), RSV in Adults. Available at: https://www.cdc.gov/rsv/older-adults/index.html - accessed in August 2024
7.Ferguson, M. et al., “Noninferior Immunogenicity and Consistent Safety of Respiratory Syncytial Virus Prefusion F Protein Vaccine in Adults 50-59 Years Compared to ≥60 Years of Age” in Clinical Infectious Diseases, ciae364, 2024.Advance online publication. doi.org/10.1093/cid/ciae364