多発性骨髄腫に対するBlenrep併用療法の承認申請について欧州医薬品庁が受理
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第III相直接比較試験DREAMM-7およびDREAMM-8の結果に基づき承認申請
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Blenrep併用療法は、標準治療と比較して有意な無増悪生存期間の延長と全生存期間の延長傾向を示した
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承認された場合、BlenrepとBorDexまたはPomDexとの併用療法が、再発または難治性の多発性骨髄腫の治療を変える可能性
この資料は、英国GSK plcが2024年7月19日に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先されます。 詳細は https://www.gsk.comをご参照ください。
GSK(本社:英国)は、再発または難治性の多発性骨髄腫の治療としてBlenrep(ベランタマブ マホドチン)とボルテゾミブおよびデキサメタゾン(bortezomib plus dexamethasone、以下BorDex)またはポマリドミドおよびデキサメタゾン(pomalidomide plus dexamethasone、以下PomDex)との併用療法の販売承認申請(marketing authorisation application:MAA)を欧州医薬品庁(EMA)が受理したことを発表しました。EMAの医薬品委員会(Committee for Medicinal Products for Human Use:CHMP)は、欧州委員会に勧告を行うための正式な審査手順を開始します。
GSKのR&Dオンコロジー部門のグローバルヘッドでシニアバイスプレジデントのヘシャム・アブドラ(Hesham Abdullah)は次のように述べています。
「Blenrepは、初回再発やそれ以降の再発の多発性骨髄腫の転帰を変える可能性があり、このたびの申請は、その可能性の実現につながるものです。直接比較第III相試験DREAMM-7とDREAMM-8において、Blenrepの併用療法は明確な臨床効果を示しており、また、高いアンメットニーズもあることから、Blenrepをできる限り早く患者さんにお届けできるよう取り組んでまいります。」
本申請は、第III相試験DREAMM-7およびDREAMM-8の中間結果によるものです。いずれも主要評価項目を満たしており、再発または難治性の多発性骨髄腫の患者さんに対してベランタマブ マホドチンの併用療法は、標準治療の併用療法と比較して統計学的に有意かつ臨床的に意義のある無増悪生存期間(progression-free survival:PFS)の延長を示しました。DREAMM-7試験ではベランタマブ マホドチンとBorDexの併用をダラツムマブとBorDexとの併用と比較検討し、DREAMM-8試験ではベランタマブ マホドチンとPomDexの併用とボルテゾミブとPomDexの併用とを比較検討しています。
中間解析時点では統計学的に有意ではありませんでしたが、両試験とも全生存期間(overall survival:OS)に延長傾向が認められました。OSについては、追跡調査を継続していきます。また、その他すべての有効性の副次評価項目においても臨床的に意義のある改善が認められており、対応する標準治療の併用療法と比較して、持続的な深い奏効が示されました。DREAMM-7試験およびDREAMM-8試験でみられたベランタマブ マホドチンの併用療法の安全性および忍容性のプロファイルは、個々の薬剤で既知のプロファイルとおおむね一致していました。
多発性骨髄腫について
多発性骨髄腫は世界で3番目に多い血液のがんで、一般的に治療可能であるものの治癒困難な疾患と考えられています1,2。欧州では約50,000人、そして世界で毎年約180,000人以上の患者さんが新たに多発性骨髄腫と診断されています3,4。多発性骨髄腫は、既存の治療に対し治療抵抗性となってしまうことが多いため、新しい治療法の開発が求められています5。
DREAMM-7試験について
DREAMM-7試験は、1ライン以上の多発性骨髄腫治療歴を有し、直近の治療中または治療後に病勢進行が確認された再発または難治性の多発性骨髄腫患者さんを対象に、ベランタマブ マホドチンとBorDexとの併用療法と、ダラツムマブとBorDexとの併用療法とで有効性および安全性を比較する第III相多施設共同無作為化非盲検試験です。本試験では、合計494例の患者さんを、ベランタマブ マホドチンとBorDexの併用療法、またはダラツムマブとBorDexの併用療法に1:1の比率で無作為に割り付けました。ベランタマブ マホドチンについては2.5mg/kgの用量で3週間ごとに静脈内に投与しました。
主要評価項目は、独立効果判定委員会の評価によるPFSとし、主な副次評価項目は、OS、奏効期間(duration of response:DOR)、微小残存病変(minimal residual disease:MRD)の陰性達成率(次世代シークエンシングにより評価)としました。その他の副次的評価項目は、全奏効率(overall response rate:ORR)、安全性、患者さんの報告による生活の質のアウトカムとしました。
DREAMM-7試験の結果は、2024年2月に開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)プレナリーシリーズで初めて発表され6、2024年ASCO年次総会でアンコール発表として共有されたうえで、New England Journal of Medicine誌に掲載されました。
DREAMM-8試験について
DREAMM-8試験は、1ライン以上の多発性骨髄腫治療歴(レナリドミドを含む治療を含む)を有し、直近の治療中または治療後に病勢進行が確認された再発または難治性の多発性骨髄腫患者さんを対象に、ベランタマブ マホドチンとPomDexとの併用療法と、ボルテゾミブとPomDexの併用療法とで有効性および安全性を比較する第III相多施設共同非盲検無作為化試験です。DREAMM-7試験の対象とした患者さんの集団と比較して、DREAMM-8試験の患者さんは前治療でレナリドミドやダラツムマブで投与された割合が高く、全例にレナリドミドの投与歴があり、75%がレナリドミドに抵抗性を示していました。また25%にダラツムマブの投与歴があり、その大半がダラツムマブに抵抗性を示していました。
本試験では、合計302例の患者さんを、ベランタマブ マホドチンとPomDexの併用療法、またはボルテゾミブとPomDexの併用療法に1:1の比率で無作為に割り付けました。
主要評価項目は、独立効果判定委員会の評価によるPFSとし、重要な副次的評価項目は、OS、次世代シークエンシングにより評価したMRD陰性率としました。その他にORR、DOR、安全性、患者さんの報告による生活の質のアウトカムを副次的評価項目としました。
DREAMM-8試験の結果は、2024年ASCO年次総会で初めて発表されたうえで7、New England Journal of Medicine誌に掲載されました。
Blenrepについて
Blenrepは、非切断型のリンカーを介して、ヒト化抗BCMAモノクローナル抗体に細胞傷害性薬剤であるアウリスタチンFを結合させた抗体薬物複合体です。薬剤リンカー技術はSeagen社からライセンス供与されています。また、モノクローナル抗体は、協和キリングループのBioWa社からライセンス供与を受けたPOTELLIGENT技術を用いて製造しています。
オンコロジー領域におけるGSKの取り組み
GSKは新たな治療領域としてオンコロジー領域に注力しており、がん免疫療法および腫瘍細胞標的療法の画期的な治療法の開発を通じて、血液悪性腫瘍、婦人科がん、その他固形腫瘍領域を中心に、患者さんの予後改善に向けて取り組んでいます。
グラクソ・スミスクライン(GSK)について
GSKは、サイエンス、テクノロジー、人財を結集し、力を合わせて病に先手を打つことを存在意義とするバイオ医薬品のグローバルリーダーです。詳細情報はhttps://jp.gsk.comをご参照ください。
1 Sung H, Ferlay J, Siegel R, et al. Global Cancer Statistics 2020: GLOBOCAN Estimates of Incidence and Mortality Worldwide for 36 Cancers in 185 Countries.CA Cancer J Clin.2021;71(3):209-249. doi:10.3322/caac.21660.
2 Kazandjian D. Multiple myeloma epidemiology and survival: A unique malignancy.Semin Oncol.2016;43(6):676-681.doi:10.1053/j.seminoncol.2016.11.004.
3 Global Cancer Observatory.International Agency for Research on Cancer.World Health Organization.Multiple Myeloma fact shee t.Available at: https://gco.iarc.who.int/media/globocan/factsheets/cancers/35-multiple-myeloma-fact-sheet.pdf.Accessed 5 July 2024.
4 Global Cancer Observatory.International Agency for Research on Cancer.World Health Organization.Multiple Myeloma fact shee t.Available at: https://gco.iarc.who.int/media/globocan/factsheets/cancers/35-multiple-myeloma-fact-sheet.pdf.Accessed 5 July 2024.
5 Nooka AK, Kastritis E, Dimopoulos MA.Treatment options for relapsed and refractory multiple myeloma.Blood.2015;125(20).
6 GSK press release issued 28 February 2024. 再発または難治性の多発性骨髄腫患者さんを対象とした第III相DREAMM-7試験において、GSKのBlenrepの併用療法が標準治療の併用療法と比較して、無増悪生存期間の中央値を3倍近く延長 Available at: https://jp.gsk.com/ja-jp/news/press-releases/20240228-dreamm-7-phase-iii-trial-shows-pfs-improvement-and-strong-os-trend-for-blenrep-combo-versus-soc-combo-in-multiple-myeloma/
7 再発または難治性の多発性骨髄腫患者さんを対象としたGSKのBlenrepが併用療法と標準治療との比較試験であるDREAMM-8において、Blenrepの併用療法での病勢進行または死亡のリスクが約50%低下 Available at: https://jp.gsk.com/ja-jp/news/press-releases/20240612-blenrep-combination-reduced-the-risk-of-disease-progression/