GSKとVir Biotechnology、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の軽症から中等症の高リスク成人・小児患者を対象とした治療薬としてsotrovimab(VIR-7831)が、米国食品医薬品局(FDA)より緊急使用許可を取得したことを発表

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この資料は、英国グラクソ・スミスクラインplcが2021年5月26日(英国現地時間)に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先します。詳細はhttps://www.gsk.comをご参照ください。

<2021年5月26日、英国ロンドン、米国サンフランシスコ発>

GSKとVir Biotechnology、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の軽症から中等症の高リスク成人・小児患者を対象とした治療薬としてsotrovimab(VIR-7831)が、米国食品医薬品局(FDA)より緊急使用許可を取得したことを発表

  • 第III相臨床試験COMET-ICEの中間解析の結果、高リスクの成人外来患者においてsotrovimab投与群は、プラセボ群と比較して入院または死亡リスクを85%低減

  • in vitroデータは、sotrovimabが、B.1.617(インド)変異株を含め、これまで確認されている、懸念される変異株に対して活性を維持することを示唆

  • 今後数週間のうちに、COVID-19と診断された米国の適切な患者にsotrovimabが投与可能に

  • 他の国々での承認について、各国の規制当局との協議が進行中

グラクソ・スミスクライン(本社:英国、以下GSK)とVir Biotechnology, Inc.(本社:米国、以下Vir社)は5月26日、単回投与のモノクローナル抗体であるsotrovimab(旧称:VIR-7831)について、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)陽性と診断された軽症から中等症の、入院や死亡などの重症化リスクの高い成人および小児患者(12歳以上で体重40kg以上)の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)より緊急使用許可(EUA)を取得したことを発表しました。

フレッド・ハッチンソンがん研究センターの感染症専門医であり、COMET-ICE試験の治験責任医師であるアドリエンヌ・シャピロ(Adrienne E. Shapiro, M.D., Ph.D.)は次のように述べています。
「sotrovimabのようなモノクローナル抗体は、COVID-19との闘いにおいて、最も有効なツールのひとつとなる可能性があります。ワクチンなどの予防策により感染者数を減らすことはできますが、COVID-19に罹患した高リスク患者さんが入院や悪化を回避できることから、sotrovimabは重要な治療選択肢です。」

Vir社の最高経営責任者であるジョージ・スカンゴスは次のように述べています。
「他とは異なる科学的アプローチによる、この単回投与のモノクローナル抗体は、中間解析によると、全ての入院または死亡を85%低減しました。さらに、新たに出現したB.1.617(インド)変異株を含め、これまで確認されている、懸念される変異株に対して、in vitroで活性を維持することも示されています。sotrovimabは、現在のパンデミックと闘う上でも、また将来起こりうるコロナウイルスのアウトブレイクにおいても、重要かつ新たな治療選択肢となると考えます。Vir社が目指しているのは、COVID-19に対する臨床的に有効な治療法のみならず、SARS-CoV-2変異株や将来的に起こりうるパンデミックに対する有効な治療法も提供することです」。

GSKのチーフ・サイエンティフィック・オフィサーであり、研究開発部門のプレジデントであるハル・バロンは次のように述べています。
「米国でCOVID-19ワクチンの接種が速いペースで進んでいることには期待が持てますが、感染してしまった患者さんが合併症を引き起こさないようにする必要があることは変わりません。両社の提携が始まってほんの1年少しであり、臨床試験の開始からは10カ月も経っていないこのタイミングで、このユニークなモノクローナル抗体がもたらすベネフィットを、必要とする患者さんに提供できることを喜ばしく思います」。

sotrovimabは、パンデミックが依然として公衆衛生上の緊急事態であることから、開発中のこのモノクローナル抗体が医療現場で使用できるよう、FDAより米国においてCOVID-19の治療薬としてEUAを取得しました。sotrovimabの緊急使用に関するFDAの医療従事者向けファクトシート(Fact Sheet for Healthcare Providers)は、重症化リスクが増加する基礎疾患や要因の追加分など、最近改定されたCOVID-19の高リスクの定義を反映しています。またsotrovimabのEUAにはFDAの承認書(FDA Letter of Authorization)に記載されている通りの承認後に実施すべき事項が含まれています。

sotrovimabは進行中の臨床試験で引き続き検証が進められています。COMET-ICE試験の全被験者を対象とした投与29日目の安全性および有効性に関するデータの解析結果は、早ければ2021年上半期に公表が見込まれます。GSKとVir社では、FDAに対する生物学的製剤承認申請(Biologics License Application, BLA)を2021年下半期に行う予定です。

sotrovimabの臨床的有効性を裏付けるエビデンス
sotrovimabに対するEUA承認は、入院していない高リスクの成人患者を対象とした第III相臨床試験COMET-ICE(COVID-19 Monoclonal antibody Efficacy Trial – Intent to Care Early)から得られた有効性および安全性に関するデータの中間解析に基づくものです。この試験は十分な有効性が確認されたことから、2021年3月に独立データモニタリング委員会の勧告を受け、新規組み入れを中止しました。既に発表している通り、本試験の中間結果では、主要評価項目である24時間を超える入院や死亡を、プラセボ群と比較して、sotrovimab投与群では85%(p=0.002)低減したことが示されました。本試験においてsotrovimab投与群で治療により生じた有害事象で、プラセボ群よりもsotrovimab投与群に発現率が高いものは、発疹(2%)と下痢(1%)であり、その全てがグレード1(軽度)またはグレード2(中等度)でした。

EUAには、アナフィラキシーと注入に伴う反応を含む、過敏症に対する警告も記載されています。

in vitroデータは、これまで確認されている、懸念される変異株に対してsotrovimabが活性を維持することを示唆
sotrovimabは、変異する可能性が低い、スパイクタンパク質の保存されたエピトープを標的としています。EUA申請には既に発表されている複数のin vitro試験のデータも含まれており、sotrovimabは、P.1(ブラジル)変異株、B.1.427/B.1.429(カリフォルニア)変異株、B.1.617(インド)変異株、B.1.526(ニューヨーク)変異株、B.1.351(南アフリカ)変異株、およびB.1.1.7(英国)変異株を含め、現在までに確認されている、懸念される変異株に対して活性を維持したことが示されています。GSKとVir社は、今後新たに出現した変異株に対してもsotrovimabが有する活性維持能力を引き続き検証していきます。こういった変異株に関するin vitroのデータが臨床に及ぼす影響はまだ分かっておらず、データ収集と解析は続けられています。

sotrovimabへの患者アクセス向上に向けたGSKとVir社の取り組み
GSKとVir社は、世界中の規制当局と積極的に協働し、治療を必要とする患者さんがsotrovimabを投与できるよう取り組んでいます。

  • 2021年5月21日、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品評価委員会(CHMP)は、Regulation 726/2004のArticle 5(3)に基づき、sotrovimabに対し科学的見地から承認勧告を行いました。この勧告は、成人および小児(12歳以上で体重40kg以上)の、酸素療法を必要としておらず、COVID-19重症化のリスクの高い患者さんの治療におけるsotrovimabの使用に関するものとなっています。
  • さらにEMAでは、sotrovimabのデータに関する段階的承認審査も開始しました。この審査は正式な承認に求められるエビデンスを順次提出・審査するものです。
  • 4月には、カナダ保健省(Health Canada)が、優先的な暫定的命令(Interim Order)によるCOVID-19薬の承認申請プロセスの下、sotrovimabの審査を開始しました。
  • sotrovimabを一刻も早くCOVID-19患者さんにお届けできるよう、GSKとVir社では早期の承認申請プロセスに関してその他各国の規制当局と協議を続けています。

COMET-ICE試験のデザインについて
多施設共同、二重盲検、プラセボ対照の第III相臨床試験COMET-ICEでは、重症化リスクの高い軽症から中等症のCOVID-19成人患者さんを対象としたsotrovimabの静脈内注射(IV)について検討を行いました。

進行中のこの試験では、各国で、入院していない被験者に対し、sotrovimab(500mg)またはプラセボを単回静脈内注射した場合の安全性および有効性を評価しました。sotrovimabの安全性は、主として868例(治療群430例、プラセボ群438例)から得た15日目までの中間解析の結果に基づいています。被検者の63%がヒスパニック系またはラテン系であり、7%が黒人またはアフリカ系アメリカ人でした。米国疾病予防管理センター(CDC)によると、こういった集団ではCOVID-19による入院が約3倍、死亡が約2倍高くなる可能性があります1。有効性の主要評価項目は、重症化が認められた患者の割合で、その定義はCOVID-19感染症に対する急性期管理のために24時間を超える入院が必要となった場合、または死亡した場合でした。

2021年3月には、十分な有効性のエビデンスが認められたことから、独立データモニタリング委員会COMET-ICE試験への新規組み入れの中止が勧告されました。

1 Data source: U.S. Centers for Disease Control and Prevention: Risk for COVID-19 Infection, Hospitalization, and Death By Race/Ethnicity (https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/covid-data/investigations-discovery/hospitalization-death-by-race-ethnicity.html).

sotrovimabによる臨床開発プログラムについて
sotrovimabに関するCOMET臨床開発プログラムには、COMET-ICE試験の他に、以下の試験があります:

  • COMET-PEAK試験:2つのパートからなる進行中の第II相臨床試験。低リスクの軽症から中等症のCOVID-19成人患者を対象に、sotrovimab 500mgを筋肉内注射(IM)と静脈内注射時の安全性とウイルス動態の比較、ならびに異なるプロセスで製造されたsotrovimabの類似性と薬物動態を評価
  • COMET-TAIL試験:2021年第2四半期に開始予定の第III相臨床試験。高リスクの成人患者を対象に早期治療としてsotrovimabを筋肉内注射した場合に、COVID-19による入院や死亡リスクの軽減を評価
  • COMET-STAR試験:2021年下半期に開始予定の第III相臨床試験。未感染の高リスクの成人を対象にsotrovimabを筋肉内注射した場合に、症候性感染を予防できるかを評価

sotrovimabはまた、イーライ・リリー社(Eli Lilly and Company)が主導する第II相臨床試験「BLAZE-4」において、外来患者における評価が行われました。この試験では、低リスクの軽症から中等症のCOVID-19成人患者を対象として、プラセボ群との比較における、同社のbamlanivimab(LY-CoV555)の単剤療法と、sotrovimabを含む他の中和抗体とbamlanivimabを併用した場合の安全性および有効性が評価されました。中間解析では、sotrovimab(500mg)とbamlanivimab(700mg)を併用投与すると、ウイルス量が高値な患者の割合が、プラセボを投与した群と比べて、7日目では70%の相対的減少が認められ、主要評価項目を達成したことが明らかになりました。

加えて、National Health Serviceが主導する第Ib/IIa相臨床試験「AGILE」では、軽症から中等症のCOVID-19成人患者を対象としてsotrovimabとVIR-7832の評価が行われています。VIR-7832は、Vir社とGSKとの協働から生まれた2つ目のモノクローナル抗体であり、COVID-19の治療薬候補として評価が行われています。

sotrovimab(旧称:VIR-7831)について
sotrovimabは開発中のSARS-CoV-2モノクローナル抗体です。前臨床試験では、正常細胞へのウイルスの侵入を防ぐとともに、感染細胞を除去する能力を高めるという可能性が示唆されています。この抗体は、SARS-CoV-2のエピトープと結合します。これは、SARS-CoV-1(SARSを引き起こすウイルス)と共有され、保存性が高いことが示されるエピトープで、そのためエスケープ変異がより生じにくくなると考えられます。Xencor社のXtendTM技術を取り入れたsotrovimabでは、SARS-CoV-2が感染した気道組織への最適な浸透性を確保するため、肺における高い組織移行性と半減期の延長も図られています。

VIR-7832/GSK4182137について
VIR-7832は、2つの作用を持つ開発中のSARS-CoV-2モノクローナル抗体です。前臨床試験では、正常細胞へのウイルス侵入を防ぐとともに、感染細胞を除去する能力を高めるという可能性が示唆されています。この抗体は、SARS-CoV-2のエピトープと結合します。これは、SARS-CoV-1(SARSを引き起こすウイルス)と共有され、保存性が高いことが示されるエピトープで、そのためエスケープ変異がより生じにくくなると考えられます。
Xencor社のXtend技術とその他Fc領域に関する技術を取り入れたVIR-7832では、SARS-CoV-2が感染した気道組織への最適な浸透性を確保するため、肺における高い組織移行性と半減期の延長が図られています。重要なのは、VIR-7832がウイルス特異的なT細胞機能を高めるよう設計されており、COVID-19の治療および/または予防に役立つ可能性があることです。

以下は、sotrovimabに関する情報概要です。医療従事者は、EUAによりsotrovimabに対して許可された使用および必須要件に関する情報について医療従事者向けファクトシート(Fact Sheet for Healthcare Providers)を確認する必要があります。FDAの承認書(FDA Letter of Authorization)、医療従事者向けファクトシート(Fact Sheet for Healthcare Providers)、患者・保護者・介護者向けファクトシート(Fact Sheet for Patients, Parents, and Caregivers)をご参照ください。

sotrovimabに関する重要な情報
sotrovimabについては、下記の通りFDAから緊急使用許可が得られていますが、FDAの承認を受けているわけではありません。

sotrovimabの緊急使用許可は、緊急使用許可の早期打ち切りや取り消しがなく、合衆国法典第21巻360bbb-3(b)(1)、第564条(b)(1)に則り、sotrovimabの緊急使用許可が妥当な状況であると宣言されている期間に限り、認められています。

許可された使用
米国食品医薬品局(FDA)は、SARS-CoV-2ウイルス陽性と診断された軽症から中等症の、入院や死亡などの重症化リスクの高い成人および小児患者(12歳以上で体重40kg以上)の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬として、未承認の製剤であるsotrovimabの緊急使用を認める緊急使用許可(EUA)を発出しました。

許可された使用の制限

  • 以下の患者にはsotrovimabを使用することは許可されていません。
    • COVID-19による入院患者
    • COVID-19により酸素療法を必要とする患者
    • (COVID-19とは無関係の併存する基礎疾患により長期酸素療法を受けている者で)COVID-19によりベースライン酸素流量の増量を必要とする患者
  • COVID-19による入院患者にsotrovimabによる治療の効果は認められていません。高流量酸素吸入や機械的換気を必要としているCOVID-19入院患者にSARS-CoV-2モノクローナル抗体を投与すると、臨床転帰が悪化することがあります。

sotrovimabに関する重要な安全性情報

警告

sotrovimabに関する臨床データは限られています。sotrovimabの使用に伴い、今までに報告されていない重篤で予測できない有害事象が発現する可能性があります。

アナフィラキシーや注入に伴う反応などの過敏症
sotrovimab投与により、アナフィラキシーなどの重篤な過敏反応が認められています。臨床的に重大な過敏反応やアナフィラキシーの徴候および症状がみられた場合、直ちに投与を中止し、適切な薬物療法および/または支持療法を開始してください。

sotrovimab投与により、注入時および注入から24時間以内に注入に伴う反応が認められることがありますが、これらの反応は重度または生命を脅かす可能性があります。注入に伴う反応の徴候および症状には以下が含まれます:発熱、呼吸困難、酸素飽和度低下、悪寒、疲労、不整脈(例:心房細動、洞性頻脈、徐脈)、胸痛または胸部不快感、脱力感、精神状態の変化、悪心、頭痛、気管支痙攣、低血圧、高血圧、血管浮腫、咽喉刺激感、蕁麻疹やそう痒感を含む発疹、筋肉痛、血管迷走神経反射(例:前失神性、失神性)、浮動性めまい、発汗。

注入に伴う反応が発現した場合には、注入の減速または中止を検討し、適切な薬物療法および/または支持療法を実施してください。

緊急使用許可に基づきSARS-CoV-2モノクローナル抗体を使用した際に、注入から24時間以上経過した後の過敏症の発現も報告されています。

SARS-CoV-2モノクローナル抗体投与後の臨床的悪化
SARS-CoV-2モノクローナル抗体投与後にCOVID-19の臨床的悪化がみられた例が報告されています。その徴候や症状には、発熱、低酸素症/呼吸困難の増悪、不整脈(例:心房細動、頻脈、徐脈)、疲労、および精神状態の変化などがあります。それが原因で入院が必要となった事象もありますが、それらの事象がSARS-CoV-2モノクローナル抗体の使用と関連したものか、COVID-19の疾患進行によるものかについては分かっていません。

重症のCOVID-19患者における効果の限界と潜在的リスク
COVID-19による入院患者にsotrovimabによる治療の効果は認められていません。高流量酸素吸入や機械的換気を必要としているCOVID-19入院患者にSARS-CoV-2モノクローナル抗体を投与すると、臨床転帰が悪化することがあります。したがって、次の患者に対しsotrovimabを使用することは許可されていません:COVID-19による入院患者、COVID-19により酸素療法を必要とする患者、COVID-19とは無関係の併存する基礎疾患により長期酸素療法を受けている者でCOVID-19によりベースライン酸素流量の増量を必要とする患者。

有害事象
COMET-ICE試験のsotrovimab投与群で治療により生じた有害事象で、プラセボ群よりもsotrovimab投与群に発現率が高いものは、発疹(2%)と下痢(1%)であり、その全てがグレード1(軽度)またはグレード2(中等度)でした。

特別な集団における使用

妊婦
本剤に関連した、重大な先天異常、流産、または妊婦や胎児に生じる有害な転帰のリスクを評価できるほど十分なデータは得られていません。妊娠中には、妊婦および胎児への潜在的ベネフィットが潜在的リスクを上回ると判断される場合にのみ、sotrovimabを使用するようにしてください。

授乳婦
ヒト母乳中にsotrovimabが排泄されるかどうか、母乳栄養児や乳汁産生に影響を及ぼすかどうかについて、利用可能なデータはありません。乳児がCOVID-19に曝露しないよう、授乳中のCOVID-19患者は臨床ガイドラインに準拠した投薬法に従ってください。

VIR社とGSKの協働について
2020年4月、Vir社とGSKは、COVID-19を引き起こすSARS-CoV-2を含むコロナウイルスに対するソリューションの研究開発において、提携する契約を締結しました。この提携では、Vir社独自のモノクローナル抗体プラットフォーム技術を駆使し、今回のCOVID-19パンデミックと今後起こりうる急激な感染増加に対応するため、治療薬に加え、ワクチンなど予防のための選択肢となりうる既存の抗ウイルス抗体の開発を加速し、新たな抗ウイルス抗体を同定します。両社は、機能ゲノミクス分野でGSKが持つ専門性を活用するとともに、CRISPRスクリーニングと人工知能の分野において両社が培った技術を結集し、細胞宿主遺伝子を標的とした抗コロナウイルス化合物を同定します。さらに、両社それぞれの専門性をSARS-CoV-2やその他のコロナウイルスワクチンの研究に活用していきます。

COVID-19に対するGSKの取り組み
COVID-19に対するGSKの取り組みは、業界内でも最も幅広いものであり、提携企業との共同開発により、複数のワクチン候補に加え、3種類の治療薬候補の開発が進んでいます。

GSKは、アジュバント技術を提供することで、複数の企業や団体と協力し、COVID-19ワクチンの開発に取り組んでいます。メディカゴ社との協働に加え、最近では、サノフィ社とのアジュバント添加タンパク質ベースのワクチン候補の共同開発において、第II相試験から良好なデータが得られたことを発表しており、第2四半期には第III相試験を開始します。またSK Bioscience社とは早期臨床段階での提携を継続中です。同社は、感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)とビル&メリンダ・ゲイツ財団の資金援助を受け、COVAXファシリティを通じて世界に供給できるよう、差別化でき、かつ手頃な価格で入手可能なCOVID-19ワクチンを開発しています。アジュバントの使用は、パンデミックの状況下では特に重要です。アジュバントを使用することにより、1回の接種に必要な抗原の量が抑えられるため、ワクチンの生産量を増やすことができ、より多くの人々を守ることに貢献できるからです。その他のアジュバント添加ワクチンから得られた経験に基づき、COVID-19変異株に対する交叉免疫効果が得られる可能性があることから、さらに評価を進めていく予定です。

GSKは、メッセンジャーRNA技術を専門とするCureVac社と、1つのワクチンで複数の新たな変異株に対処できるCOVID-19次世代多価mRNAワクチンを共同開発しています。さらに、CureVac社の第一世代COVID-19ワクチンについて、最大で1億回分の製造も支援していく予定です。また、英国におけるNovavax社のCOVID-19ワクチンについては、最大で6,000万回分の製造支援を行っています。
加えて、COVID-19患者さんに対する治療薬候補や治療選択肢の開発にも取り組んでいます。Vir Biotechnology社と協力し、COVID-19の治療薬に加え、ワクチンなど予防のための選択肢となりうる既存の抗ウイルス抗体を開発し、新たな抗ウイルス抗体を同定しようとしています。両社は先頃、入院リスクの高い成人を対象としたCOVID-19の早期治療のための単独療法として使用した場合のsotrovimabを評価する第III相臨床試験COMET-ICEへの患者登録を中止するよう、独立データモニタリング委員会から勧告があったことを発表しました。その理由は、本試験から得られたデータの中間解析の結果、十分な有効性のエビデンスがあると判断されたからです。米国では既に緊急使用許可が得られていますが、その他の国々でも承認が得られるよう取り組んでいます。さらに、過剰な免疫反応が生じている70歳以上のCOVID-19重症患者を対象として、開発中のモノクローナル抗体であるotilimabの評価も行っています。

COVID-19に対するVir Biotechnologyの取り組み
Vir Biotechnologyは、世界で最も深刻な感染症に対処するというミッションを掲げ設立されました。2020年、Vir社は独自の科学的見解に加え、COVID-19に対する治療薬候補やワクチンなど予防のための選択肢となりうる複数のモノクローナル抗体を検討する業界最高レベルの抗体プラットフォームを活用し、COVID-19パンデミックに迅速に対応しました。sotrovimabは、Vir社が開発した、臨床使用できる初めてのSARS-CoV-2を標的とする抗体です。この抗体は、薬剤耐性に対するバリア性の高さが予想されることに加え、正常細胞へのウイルスの侵入を防ぐとともに感染細胞を除去する能力を高めると期待されるなど、前臨床研究で証明された有望性に基づき、慎重に選ばれました。Vir社では、SARS-CoV-2や将来起こりうるコロナウイルスパンデミックと闘うため、独自に、また提携企業と協働して、治療や予防のための新たなソリューションを追求し続けます。

GSKについて
GSKは、より多くの人々に「生きる喜びを、もっと」を届けることを存在意義とする科学に根差したグローバルヘルスケアカンパニーです。詳細情報についてはhttps://jp.gsk.comをご覧ください。

Vir Biotechnologyについて
Vir Biotechnologyは、免疫学的考察と最先端技術を組み合わせ、重篤な感染症の治療と予防にフォーカスした臨床段階の免疫系専門企業です。Vir社では、自然免疫過程に関する重要な所見を探索することで、免疫系を刺激し活性化するための4つの技術プラットフォームを確立しました。現在、同社が有する開発パイプラインには、COVID-19を標的とする製品候補、B型肝炎ウイルス、A型インフルエンザ、ヒト免疫不全ウイルスを標的とした製品候補が含まれています。詳細については、www.vir.bioをご覧ください。