GSK、ノババックス社の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンの製造を支援

この資料は、英国グラクソ・スミスクラインplcが2021年3月29日(英国現地時間)に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先します。詳細は https://www.gsk.com をご参照ください。

<2021年3月29日、英国ロンドン、米国ゲイサーズバーグ発>

GSK、ノババックス社の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンの製造を支援

  • GSKは、ノババックス社のCOVID-19ワクチンについて、最大6,000万回分の製造を支援

  • 英国バーナードキャッスルにあるGSKの施設にて製造

グラクソ・スミスクライン(本社:英国、以下GSK)は、ノババックス社および英国政府「ワクチン・タスクフォース」との間で、ノババックス社のCOVID-19ワクチン候補(NVX-CoV2373)について、英国での使用分として最大6,000万回分の製造を支援することで、基本合意しました。GSKは、早ければ2021年5月から、英国ノース・イーストにあるバーナードキャッスルの施設にて製造過程における充填と包装工程を支援します。また両社間における技術移転を直ちに開始します。そして追加の条件を含む最終的な合意に向け、交渉を行う予定です。

英国政府は、ノババックス社との事前購入契約に基づき、6,000万回分のワクチンを確保しています。NVX-CoV2373のタンパク質抗原は、ノババックス社の製造パートナーであるフジフイルム・ダイオシンス・バイオテクノロジー社により、英国ノース・イーストのストックオンティーズ自治区にあるビリンガムでも製造されます。

GSKが支援する充填と包装は、ワクチン製造の最終工程であり、最終的なワクチンのバイアルを用意し、流通・使用のために包装を行います。今回の協働においてワクチンを供給するバーナードキャッスルにあるGSKの施設は、GSKのグローバル製造ネットワークにおいて、GSKの医療用医薬品やワクチンの製造を行う専門施設です。

GSKのグローバルワクチン プレジデントのロジャー・コナーは、次のように述べています。
「今回の英国向けの製造に関する契約により、ノババックス社と英国政府ワクチン・タスクフォースを支援できることを大変嬉しく思います。バーナードキャッスルにある当社の施設では、最大6,000万回分のワクチン製造に必要な準備作業を急ぎ進めています。他の重要な医薬品やワクチンの供給、GSKが世界的に取り組んでいるCOVID-19への協働に影響を与えることなく、最大6,000万回分のワクチンを提供できるよう手筈を整えました。」

ノババックス社のExecutive Vice President and Chief Operations Officerであるリック・クローリー氏は次のように述べています。
「今回のGSKとの協働は、当社の世界的な供給ネットワークを引き続き拡大させるものです。これにより全体的な生産能力が向上し、規制当局から承認を得られれば、COVID-19に対する重要な新規ワクチンへのアクセスを支援できるものと期待しています。COVID-19ワクチンの開発を進めるにあたり、臨床試験と製造の両面において重要な役割を果たしてくれた英国政府ワクチン・タスクフォースに感謝を申し上げるとともに、このパンデミックとの闘いにおいて、GSKが製造施設を提供してくださったことに感謝したいと思います。」

英国首相ボリス・ジョンソンは次のように述べています。
「GSKによる協力は、英国の強力な製造能力を示し、ワクチン接種プログラムをさらに後押しするものであり、大変喜ばしく思います。英国政府ワクチン・タスクフォースは、企業と一致団結し、英国全土にワクチンを提供してきましたが、今回の契約は、我々の取り組みを引き続き支援するものです。4月15日までに50代以上の人、7月末までにすべての成人に1回目のワクチン接種を提供する予定で、現在順調に進んでいます。ワクチン接種の連絡があれば是非接種するよう、改めて皆さんに呼び掛けたいと思います。」

英国保健・社会ケア大臣マット・ハンコック氏は次のように述べています。
「ワクチン製造能力がいかに重要であるかは、周知の通りです。そしてこの素晴らしい合意により、重要なワクチンが、ここ英国においてより多く製造されることになります。英国のワクチン接種プログラムは、全国的に成功を収めており、現在3,000万人以上の国民がCOVID-19ワクチンの1回目の接種を受けています。ノババックス社のワクチンが、医薬品規制当局の高い安全性と有効性の基準を満たした場合には、本日のこの合意が、今後数か月にわたり、ワクチン接種の取り組みを後押ししてくれるでしょう。」

ノババックス社のワクチン候補は、第III相臨床試験において、英国で出現しているB.1.1.7変異株に対するものも含め、十分な有効性を示す可能性があります。このワクチンは、第2四半期中に英国規制当局による審査に向け申請される予定です。

COVID-19に対するGSKの取り組み
COVID-19に対するGSKの取り組みは、業界内でも最も幅広いものであり、現在2種類の治療薬および複数のワクチン候補の開発を進めています。

GSKは、アジュバント技術を提供することで、世界における複数の企業や団体と協力し、COVID-19ワクチンの開発に取り組んでいます。カナダ・メディカゴ社との協働においては、GSKのアジュバントを植物由来のワクチン候補を組み合わせており、現在第III相試験の段階にあります。また、フランス・サノフィ社とのアジュバント添加タンパク質ベースのワクチン候補の共同開発は、現在第II相試験の段階にあります。更に、韓国・SK Bioscience社と初期段階の協働も現在進めており、感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)とビル&メリンダ・ゲイツ財団の資金援助を受け、COVAXを通じて世界に供給できるよう、差別化でき、かつ手頃な価格で入手可能なCOVID-19ワクチンを開発しています。
アジュバントの使用は、パンデミックの状況下では特に重要です。アジュバントを使用することにより、1回の接種に必要な抗原の量が抑えられるため、ワクチンの生産量を増やすことができ、より多くの人々を守ることに貢献できるからです。

GSKは、メッセンジャーRNA(mRNA)技術を専門とするドイツ・CureVac社と、1つのワクチンで複数の新たな変異株に対処できるCOVID-19次世代多価mRNAワクチンを開発するため協働を進めています。またCureVac社の第一世代COVID-19ワクチン候補については、ベルギーにあるGSKの施設にて、最大1億回分の製造も支援します。

GSKは、COVID-19患者さんに対する治療薬の開発にも取り組んでいます。Vir Biotechnology社と協働し、COVID-19に対する治療もしくは予防の選択肢として使用可能な既存の抗ウイルス抗体医薬の開発や、新たな抗体医薬の特定に取り組んでいます。先日両社は、入院リスクの高いCOVID-19成人患者さんに対する早期治療を目的に、単剤療法としてのVIR-7831を評価する第III相臨床試験COMET-ICEの中間解析の結果、十分な有効性が確認されたため、新規組み入れの中止について独立データモニタリング委員会が勧告したことを発表しました。両社は米国での緊急使用許可申請を行っており、また他国での承認申請も行う予定です。また、過剰な免疫反応が生じている70歳以上のCOVID-19重症患者さんを対象に、現在開発中のモノクローナル抗体オチリマブの効果も評価しています。

GSKについて
GSKは、より多くの人々に「生きる喜びを、もっと」を届けることを存在意義とする科学に根差したグローバルヘルスケアカンパニーです。詳細情報についてはhttps://jp.gsk.comをご覧ください。

NVX-CoV2373について
NVX-CoV2373は、COVID-19の原因ウイルスであるSARS-CoV-2の遺伝子配列を基に設計されたタンパク質ベースのワクチン候補です。NVX-CoV2373は、コロナウイルスのスパイクタンパク質に由来する抗原を生成するため、ノババックス社の遺伝子組み換えナノ粒子技術を用いて作られています。また免疫応答を高め、高度な中和抗体を誘導するため、ノババックス社が特許を有するサポニンベースのMatrix-M™アジュバントが添加されています。NVX-CoV2373は、精製されたタンパク質を抗原としているため、増殖することも、COVID-19を発症させることもありません。前臨床試験において、NVX-CoV2373は、スパイクタンパク質の細胞受容体への結合を阻害する抗体を誘導し、感染および疾病に対する予防効果を示しました。NVX-CoV2373は、一般的に忍容性が高く、第I/II相臨床試験では、ヒトの回復期の血清で見られるものよりも数値的に優れた強固な抗体反応が確認されました。NVX-CoV2373は、2つの主要な第III相試験でも評価されています。1つは英国で行われた試験で、オリジナルのウイルス株に対して96.4%、全体で89.7%の有効性を示しました。そしてもう1つは、2020年12月に米国およびメキシコで始めたPREVENT-19試験です。
また、8月に開始した2つの第II相臨床試験も現在進行中です。南アフリカにおいて実施されている第IIb相臨床試験では、新たに出現したエスケープ変異株に対して48.65%の有効性を示しました。そしてもう1つは、米国およびオーストラリアで実施している第I/II相継続試験です。NVX-CoV2373は、2℃~8℃で安定的に保管できるため、既存のワクチンサプライチェーンを利用して流通させることができます。このワクチンはすぐに接種できる液体製剤で、1バイアルあたり10回分充填されています。

Matrix-M™について
ノババックス社が特許を有するサポニンベースのMatrix-M™アジュバントは、注射部位における抗原提示細胞への抗原の取り込み作用を刺激し、局所リンパ節における抗原提示を促進し免疫応答を高めることで、高い効果を発揮すること、そして良好な忍容性を有することが示されています。

ノババックス社について
ノババックス社(Nasdaq:NVAX)は、深刻な感染症を予防するワクチンの発見、開発、商業化を通じ、グローバルヘルスの向上を目指すバイオテクノロジー企業です。ノババックス社の遺伝子組換え技術プラットフォームは、遺伝子工学の力とスピードを組み合わせ、グローバルヘルスに関する緊急のニーズに対応するために設計された免疫原性の高いナノ粒子を効率的に製造しています。ノババックス社は、COVID-19の原因ウイルスであるSARS-CoV-2に対するワクチン候補NVX-CoV2373の後期臨床試験を行っています。また、4価インフルエンザ・ナノ粒子ワクチンであるNanoFlu™は、高齢者を対象とした主要な第III相臨床試験において、すべての主要評価項目を達成したため、規制当局への申請を行う予定です。いずれのワクチン候補も、ノババックス社独自のサポニンベースのMatrix-M™アジュバントを配合しており、免疫応答を高め、高度な中和抗体を誘導します。
詳細については、www.novavax.comをご覧ください。またTwitterLinkedInもご覧ください。