GSKとメディカゴ社 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するアジュバント添加ワクチン候補の第III相臨床試験を開始

この資料は、英国グラクソ・スミスクラインplcが2021年3月16日(英国現地時間)に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先します。詳細は https://www.gsk.com をご参照ください。

<2021年3月16日、英国ロンドン、カナダ ケベック発>

GSKとメディカゴ社
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するアジュバント添加ワクチン候補の第III相臨床試験を開始

  • 全世界で最大30,000人の組み入れを予定

  • 米国食品医薬品局(FDA)よりファスト・トラック指定を受ける

グラクソ・スミスクライン(本社:英国、以下GSK)とメディカゴ社(本社:カナダ ケベック市、以下メディカゴ社)は、3月16日、GSKのアジュバントを添加したメディカゴ社の植物由来COVID-19ワクチン候補について、現在進行中の第II/III相試験の一環として、第III相臨床試験を開始することを発表しました。メディカゴ社は、カナダおよび米国の規制当局より、第II相臨床試験の中間解析における良好な結果に基づき、健康な成人を第III相臨床試験に組み入れることの承認を得ました。

メディカゴ社の最高経営責任者兼社長の長尾隆氏は次のように述べています。
「世界各地の施設で、第III相臨床試験を始めるという大きな一歩を踏み出せることを大変嬉しく思います。これにより、新たなCOVID-19ワクチンを皆さまにお届けするという目標に一歩近づき、またパートナーであるGSKとともにパンデミックに対する世界的な闘いに貢献することができます。」

GSKワクチンのチーフ・メディカル・オフィサーであるトーマス・ブリューワーは、次のように述べています。
「今回後期臨床試験へ進んだことは、COVID-19との継続的な闘いにおいて、アジュバント添加ワクチン候補が良い結果をもたらしてくれる可能性があるという、我々の自信を更に強くしてくれます。今年末に試験結果を発表できることを期待しています。」

メディカゴ社のCOVID-19に対する植物由来ワクチン候補は、コロナウイルス様粒子(CoVLP)技術を用いており、ウイルス様粒子(VLPs)として発現した組換えスパイクタンパク質とGSKのアジュバントとを組み合わせたものです。このワクチン候補は、3.75㎍のCoVLPを21日間の間隔を開けて、2回接種します。

このアジュバント添加ワクチン候補は、2021年2月17日、米国食品医薬品局(FDA)からファスト・トラック指定を受けています。ファスト・トラック指定を受けることにより、FDAは、重篤な疾患を治療・予防し、アンメットメディカルニーズに対処することを目的とした新しい医薬品やワクチンの開発および審査を迅速に進めることができます。

メディカゴ社の最高執行責任者のCarolyn Finkleは、次のように述べています。
「メディカゴ社のワクチン候補をファスト・トラック指定するというFDAの決定は、承認が前提ではありますが、植物由来のCOVID-19ワクチンを初めて世の中に出すという、我々の取り組みに弾みをつけてくれます。FDAに感謝するとともに、臨床試験の実施、緊急使用許可申請そして最終的な承認申請プロセスへと進めるにあたり、引き続きFDAと協力していきたいと思います。」

第III相臨床試験は、event-driven(主要評価項目として設定した疾患の発現が予め規定した例数に達するまで継続する)、無作為化、評価者盲検、プラセボ対照の2群クロスオーバー試験で、アジュバント添加のコロナウイルス様粒子製剤の有効性と安全性を、プラセボと比較し評価します。本試験では、最初に18~65歳の健康な成人、続いて65歳以上の高齢者、基礎疾患のある成人を最大30,000人組み入れる予定です。本試験は、カナダ、米国を始めとして、規制当局による承認を待つその他の国を含む10カ国で行われる予定であり、民族的・人種的に多様な集団の男女を組み入れます。

第II相臨床試験は、間もなく終了予定で、その結果は2021年4月に公表される予定です。

COVID-19に対するGSKの取り組み
COVID-19に対するGSKの取り組みは、業界内でも最も幅広いものであり、現在2種類の治療薬および複数のワクチン候補の開発を進めています。

GSKは、アジュバント技術を提供することで、世界における複数の企業や団体と協力し、COVID-19ワクチンの開発に取り組んでいます。メディカゴ社との協働に加え、サノフィ社とのアジュバント添加タンパク質ベースのワクチン候補の共同開発は、現在第II相試験の段階にあります。またSK Bioscience社と初期段階の協働も現在進めており、感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)とビル&メリンダ・ゲイツ財団の資金援助を受け、COVAXを通じて世界に供給できるよう、差別化でき、かつ手頃な価格で入手可能なCOVID-19ワクチンを開発しています。
アジュバントの使用は、パンデミックの状況下では特に重要です。 アジュバントを使用することにより、1回の接種に必要な抗原の量が抑えられるため、ワクチンの生産量を増やすことができ、より多くの人々を守ることに貢献できるからです。

GSKは、メッセンジャーRNA(mRNA)技術を専門とするCureVac社と、1つのワクチンで複数の新たな変異株に対処できるCOVID-19次世代多価mRNAワクチンを開発するため協働を進めています。またGSKは、CureVac社の第一世代COVID-19ワクチン候補について、最大1億回分の製造も支援します。

GSKは、COVID-19患者さんに対する治療薬や治療選択肢の開発にも取り組んでいます。Vir Biotechnology社と協働し、COVID-19に対する治療もしくは予防の選択肢として使用可能な既存の抗ウイルス抗体医薬の開発や、新たな抗体医薬の特定に取り組んでいます。先日両社は、独立データモニタリング委員会が、入院リスクの高いCOVID-19成人患者に対する早期治療を目的に、単剤療法としてのVIR-7831を評価する第III相臨床試験COMET-ICEについて、中間解析の結果、十分な有効性が確認されたため、新規組み入れ中止の勧告をしたことを発表しました。これらの結果に基づき、両社は米国での緊急使用許可申請、また他国において承認申請を行う予定です。また、免疫暴走を起こしている70歳以上のCOVID-19重症患者さんを対象に、現在開発中のモノクローナル抗体オチリマブの効果も評価しています。

メディカゴ社について
メディカゴ社は、植物由来の技術を活用してグローバルヘルスに貢献することを使命としています。先駆的なアプローチと綿密な研究でヘルスケアにおける新たなソリューションを提供するという信念のもと、1999年に設立されました。メディカゴ社は、植物由来の治療薬のパイオニアです。ケベックを本拠地とし、カナダと米国に製造施設があります。450人以上の科学分野における専門家と従業員は、同社の技術を用い、新たなグローバルヘルスの課題に迅速に対応し、生命を脅かす疾患に対する治療薬を世界中で発展させることに尽力しています。
詳細情報についてはwww.medicago.comをご覧ください。

GSKについて
GSKは、より多くの人々に「生きる喜びを、もっと」を届けることを存在意義とする科学に根差したグローバルヘルスケアカンパニーです。詳細情報についてはhttps://jp.gsk.comをご覧ください。