GSKとサノフィ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する遺伝子組換えタンパク質ベースのアジュバント添加ワクチン候補の第1/2相臨床試験を開始

この資料は、仏サノフィおよび英国グラクソ・スミスクラインplcが2020年9月3日に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先されます。詳細は https://www.gsk.com をご参照ください。

<2020年9月3日 英国ロンドン、 フランスパリ発>

GSKとサノフィ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する遺伝子組換えタンパク質ベースのアジュバント添加ワクチン候補の第1/2相臨床試験を開始

  • 前臨床試験で有望な安全性と免疫原性を示す

  • 第1/2相臨床試験に400人以上の被検者を組み入れ

  • 第1/2相臨床試験で良好なデータが得られれば、年内に第3相臨床試験へ移行

  • 両社は抗原とアジュバントの製造を拡大し、2021年に最大10億回分のワクチン生産を目指す

サノフィ(本社:フランス)とグラクソ・スミスクライン(本社:英国、以下GSK)は9月3日、アジュバント添加COVID-19ワクチン候補の第1/2相臨床試験を開始したと発表しました。両社が共同開発しているワクチン候補は、季節性インフルエンザワクチンの製造に用いるサノフィの遺伝子組換えタンパク質に基づく技術と、GSKのアジュバント技術を活用しています。

この第1/2相臨床試験は、無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験で、COVID-19ワクチン候補の安全性、副反応(忍容性)、および免疫原性(免疫応答)を評価します。現在、米国の11の治験実施医療機関で、計440人の健康な成人の本試験への組み入れが始まっています。

両社は、2020年12月上旬には最初の結果が得られ、2020年12月中には第3相臨床試験へと移行できるものと見込んでいます。そして十分なデータが得られれば、2021年前半に承認申請を行う予定です。

COVID-19ワクチン候補の臨床開発と承認申請はサノフィが主導しています。前臨床試験では、忍容可能な副反応プロファイルが示されました。また、遺伝子組換えタンパク質をベースとするアジュバント添加ワクチンを2回接種したデータでは、COVID-19から回復した人に匹敵するレベルの高い中和抗体が示されました。前臨床試験の結果は年内に発表される予定です。また並行して、両社は抗原とアジュバントの製造を拡大しており、2021年に最大10億回分のワクチン生産を目指します。

サノフィのエグゼクティブバイスプレジデントでサノフィパスツールのグローバルヘッドのトマ・トリオンフは、次のように述べています。
「安全で有効なワクチンを提供するという共通の目標の下、COVID-19パンデミックと闘うため、両社は確立された科学と技術を結集しています。今回の臨床試験の開始はその重要な一歩であり、COVID-19に打ち克つ可能性のあるワクチンの確立に向けて近づけるものです。我々の専任チームと協働パートナーは、12月上旬に最初の試験結果を出すべく、24時間体制で開発を進めています。良好なデータが得られれば、年末までに第3相臨床試験を始めることができるでしょう。」

GSK グローバルワクチン プレジデントのロジャー・コナーは次のように述べています。
「このワクチン候補が臨床開発の段階に進むことは、現在直面しているパンデミックに取り組む中で、重要な節目となります。世界におけるワクチンのリーディングカンパニーである2社の確立された技術を活用し、規模を拡大して製造できる、遺伝子組換えタンパク質をベースとするアジュバント添加ワクチン候補の可能性は各国政府が公認しています。本試験にて良好なデータが得られれば、年末までに第3相臨床試験を開始する予定です。」

アジュバント添加COVID-19ワクチン候補の開発は、米国保健福祉省(HHS)の事前準備・対応担当次官補局の一部門である、米国生物医学先端研究開発局(BARDA)の協力の下、同局の資金提供を受けて実施されています。

サノフィとGSKは、世界中にワクチンを提供できるよう取り組みます
2020年7月、サノフィとGSKは、COVID-19に対する遺伝子組換えタンパク質をベースとするワクチンを最大1億回分提供するとした、米国政府との取り組みを発表しました。これは米国に対し、可能な限り早急に、数億回分の安全かつ有効なCOVID-19ワクチンの提供を目指すという、米国政府が「ワープ・スピード作戦」で掲げた目標を支援するものです。また米国政府は、長期的に追加で5億回分のワクチンの提供を受けるオプションも有しています。両社はまた、英国政府とも(最終契約の締結を条件として)COVID-19に対する遺伝子組換えタンパク質ベースのワクチン候補を最大6,000万回分提供することで合意しています。

両社は2021~2022年に、ACTアクセラレーター(Access to COVID‐19 Tools)の柱の1つである、ワクチン調達の国際的枠組みCOVAXに対し、全世界への総供給量に占める多くの割合のワクチンを提供する予定です。ACTアクセラレーターは、政府首脳、国際的な保健機関、事業団体や慈善団体による国際協働の仕組みで、COVID-19に対する新たなツールの開発、生産、検査、治療薬およびワクチンへの公平なアクセスを加速させるものです。

COVID-19に対するGSKの取り組み
GSKは、世界中のさまざまな企業や研究機関と協力し、アジュバント技術を活用したCOVID-19ワクチンの開発に取り組んでいます。アジュバントの使用は、パンデミックの状況下では特に重要です。アジュバントを使用することにより、1回の接種に必要なワクチン用タンパク質の量が抑えられるため、ワクチンの生産量を増やすことができ、より多くの人々を守ることに貢献できるからです。GSKは、パンデミックの状況下で、COVID-19ワクチンに関する協働から利益を得ることを意図しておりません。利益が得られた場合でも、GSK独自または外部パートナーを介したコロナウイルス関連の研究および長期的なパンデミック対策の支援に投資いたします。

GSKについて
GSKは、より多くの人々に「生きる喜びを、もっと」を届けることを存在意義とする科学に根差したグローバルヘルスケアカンパニーです。詳細情報については https://jp.gsk.com/ をご覧ください。

サノフィについて
サノフィは、健康上の課題に立ち向かう人々を支えます。私たちは、人々の健康にフォーカスしたグローバルなバイオ医薬品企業として、ワクチンで人々を守り、革新的な医薬品で痛みや苦しみを和らげます。希少疾患をもつ少数の人々から、慢性疾患をもつ何百万もの人々まで、寄り添い支え続けます。サノフィでは、100カ国において10万人以上の社員が、革新的な医科学研究に基づいたヘルスケア・ソリューションの創出に、世界中で取り組んでいます。

サノフィは、「Empowering Life」のスローガンの下、ヘルスジャーニー・パートナーとして人々を支えます。日本法人であるサノフィ株式会社の詳細は、https://www.sanofi.co.jp/ をご参照ください。