極めて稀少な疾患であるADA-SCID における初の遺伝子治療、GSKのStrimvelis(TM)が欧州医薬品委員会より肯定的見解を受ける

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この資料は、英国グラクソ・スミスクラインplcが2016年4月1日に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先します。詳細はhttp://www.gsk.comをご参照下さい。

 <2016年4月1日 英国ロンドン発>

 グラクソ・スミスクライン(本社:英国、以下GSK)は、2016年4月1日、極めて稀少な疾患であるアデノシン・デアミナーゼ欠損による重症免疫不全症(ADA-SCID)の治療法となるStrimvelis について、先端医療委員会(CAT)の評価に基づき、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)より肯定的見解を受けたことをお知らせいたします。Strimvelisは、個々の患者の細胞を利用した造血幹細胞遺伝子治療で、この疾患の根本原因を改善するための治療法です。

本治療(開発コードGSK2696273、ADA遺伝子を形質導入した患者自身のCD34陽性細胞)が欧州委員会による承認を得た場合には、ヒト白血球抗原(HLA)の一致した近親者の幹細胞ドナーがいないADA-SCID 患者への治療として、製品名Strimvelis として販売される予定です。 

ADA-SCIDに対する遺伝子治療の開発は、当初、Ospedale San Raffaele(OSR)およびFondazione Telethon(Telethon)の合弁事業であるSan Raffaele Telethon Institute for Gene Therapy(SR-TIGET)によって開始され、2010年のGSK、OSRおよびTelethonの戦略的提携に基づきGSKが推進してきました。GSKはバイオテクノロジー企業MolMed S.p.Aと連携し、製造開発における専門性を活かし、これまでは臨床試験にのみ適しているとされていた製造工程を最適化、標準化、特性化し、安定した販売供給に適していると検証された製造工程を確立しました。 

GSK のR&Dのプレジデントであるパトリック・バランスは、次のように述べています。

「命にかかわる稀少疾患とともに生きる子どもたちにStrimvelis による治療の機会を提供するための重要なステップとなるCHMPの肯定的見解を歓迎します。さらに前進して、この遺伝子治療プラットホームのテクノロジーを他の疾患に応用し、より多くの患者さんがこの革新的な治療法の恩恵を受けることができるようになることを望みます。」 

GSKの稀少疾患ユニット責任者のマーティン・アンドリュースは次のように述べています。

「今回の肯定的見解は、革新的な治療法の開発を目指すGSKの取り組みにおいて、重要なマイルストーンとなります。本治療が承認された場合、小児における生体外遺伝子治療法として世界初の承認となります。GSKのミッションを共有し、専門性を補い合うといった連携によって、稀少な遺伝子疾患の患者さんに必要な治療法の提供を継続できると確信しています。」 

欧州委員会の正式な決定まで、Strimvelis が承認される国・地域はありません。

 

ADA-SCIDについて

ADA-SCIDは、両親から受け継いだ遺伝子異常によって引き起こされる極めて稀少な疾患です。この遺伝子異常により、白血球の一種であるリンパ球の産生に必要なアデノシン・デアミナーゼ(ADA)と呼ばれる必須タンパク質が産生されなくなります。先天的にADA-SCID となった小児患者は健康な免疫システムを構築することができないため、日々の感染症に対する抵抗力がなく、重篤かつ生命を脅かす疾患に至ります。直ちに治療しない場合、この疾患は生後1年以内で死に至ります。欧州では、1年間に約15名がADA-SCIDを発症すると推定されています。

Strimvelisについて

異常のある造血幹細胞の置換は、40年以上にわたり骨髄移植によって行われてきました。しかし、このような移植は免疫が適合するドナー、または近親者の免疫が適合するドナーから採取した細胞の有無に左右されます。また免疫(またはHLA)が完全に適合することはないため、免疫不適合によって移植片対宿主拒絶反応と呼ばれる拒絶反応を引き起こすこともあります(GvHD)。GvHDは、感染症またはその他の合併症のリスクを引き起こす強力な免疫抑制剤の投与を必要とする生命を脅かす副作用です。 

Strimvelisの投与回数は1回のみであり、また第三者のドナーに依存することがないため、GvHDのリスクはありません。患者自身の骨髄細胞を採取し、ベクターを用いてADA遺伝子の正常なコピーを細胞に導入します。このステップを形質導入と呼びます。その後、遺伝子操作した細胞を静脈内注射によって患者に再導入し、その一部の細胞が骨髄に戻ります。患者の骨髄内での遺伝子組換え細胞の定着を向上させるため、患者は低用量の化学療法による前治療も受けます。 

ピボタル試験(n=12)と主要データパッケージ内の全体的な治療対象集団(n=18)

ピボタル試験に参加した12名の小児患者について、Strimvelis 投与3年後の生存率(主要評価項目)は100%、うち無介入生存率(治療後に3ヵ月以上酵素補充療法を必要としない、または造血幹細胞移植を必要としなかった割合)は92%でした。販売承認申請にデータを提供した、Strimvelis の投与を受けた18名の小児患者は現在生存しており、追跡調査期間の中央値は7年、最初の患者がStrimvelis の投与を受けたのは13年以上前でした。評価対象集団(n=17)の無介入生存率は82%でした。 

安全性に関する知見は、低用量化学療法による治療を受けたADA-SCID患者、免疫再構築しているADA-SCID患者に予測されるものと一致しています。重篤な感染症が大幅に減少していることが文献で報告されており、これまで白血病性の事象は認められていません。

生きる喜びを、もっと Do more, feel better, live longer

グラクソ・スミスクラインは、研究に基盤を置き世界をリードする、医薬品およびヘルスケア企業であり、人々が心身ともに健康でより充実して長生きできるよう、生活の質の向上に全力を尽くすことを企業使命としています。詳細は、www.gsk.com をご覧ください。 

Fondazione Telethon – Telethon is a major biomedical charity in Italy whose mission is to advance biomedical research towards the cure of rare genetic diseases. For further information, visit www.telethon.it/en/ 

Ospedale San Raffaele – Ospedale San Raffaele is a clinical-research-university hospital established in 1971 to provide international-level specialised care for the most complex and difficult health conditions. Since 2012 it is part of the San Donato Hospital Group, the leading hospital group in Italy.  The group includes 18 hospitals with a total of more than 5000 beds, 4000 physicians and treats 4 million patients per year. For further information, visit: http://www.hsr.it/ 

San Raffaele Telethon Institute for Gene Therapy (SR-TIGET) – Based in Milan, Italy, the San Raffaele-Telethon Institute for Gene Therapy (SR-TIGET) is a joint venture between the Ospedale San Raffaele and Telethon.  SR-TIGET was established in 1995 to perform research on gene transfer and cell transplantation and translate its results into clinical applications of gene and cell therapies for different genetic diseases. For further information, visit http://www.tiget.it/.