GSKで開発中の帯状疱疹ワクチン候補が70歳以上の成人に対し90%の有効性を実証

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  • 帯状疱疹の痛みを伴う合併症である帯状疱疹後神経痛に対しても89%の有効性
  • 2016年後半に承認申請を予定


この資料は、英国グラクソ・スミスクラインplcが2015年10月27日に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先します。詳細はhttp://www.gsk.comをご参照下さい。

<2015年10月27日 英国ロンドン発>

2015年10月27日、グラクソ・スミスクラインplc(本社:英国 以下GSK)は、70歳以上の成人を対象にした開発中の帯状疱疹ワクチン候補(以下、本剤)を評価する2つ目の主要第III相プラセボ対照比較試験(ZOE-70)において、90% (95%信頼区間: 84~94%) の有効性が実証され、主要目的が達成されたことを発表しました。ZOE-70で示された高い有効性は、今年初めに発表された50歳以上の成人を対象とした初の第III相試験(ZOE-50)で示された結果iと同様のものです。

また、事前に計画されていたZOE-70とZOE-50のデータの併合解析では、帯状疱疹で最もよく見られる重度の合併症である慢性の神経障害性疼痛、すなわち帯状疱疹後神経痛(PHN)を本剤が効果的に予防することが実証されました。本剤は70歳以上の成人のPHNの予防において89% (95%信頼区間: 69~97%) の有効性を、50歳以上の成人においては91% (95%信頼区間: 76~98%) の有効性を示しました。

これらのデータ及び公表済みのZOE-50のデータに基づき、GSKは2016年後半、本剤の50歳以上の成人における帯状疱疹予防について、北米、日本そして欧州で承認申請する予定です。

GSKのワクチン開発リーダーであるAlain Brecxはこう述べています。「これらの注目すべき結果は、高齢者の帯状疱疹とそれに伴う合併症を防ぐ本剤の可能性を示すものです。50歳以上の成人の約90%に帯状疱疹を発症するリスクがあります。帯状疱疹は痛みを伴う疾患で、健康及び生活の質に悪影響を及ぼします。ふたつのZOE試験に参加されたすべての被験者および研究者に感謝申し上げます。」

帯状疱疹及びその合併症(PHNを含む)の発症リスクは50歳を超えると上昇するとされています。本剤は、帯状疱疹を引き起こすウイルス中のタンパク質であるgEをAS01Biiアジュバントと組み合わせることでgEに対する免疫反応を促す不活化ワクチンです。

ZOE-70のすべての安全性データは現在解析中であり、近日中に公開される予定です。ZOE-70の独立データモニタリング委員会(IDMC)は、2015年4月までの安全性情報に対して継続的にレビューしておりますが、安全性の懸念を提起しておりません。高齢成人における本剤の安全性プロファイルは、これまで実施した第I、第II及び第III相試験(ZOE-50及びZOE-70を含む)における16,000名以上のデータを基本にしています。これらの試験で本剤接種後の7日間に最もよくみられた副反応は局所反応(接種部位における疼痛、発赤、腫脹)ならびに、全身症状(筋肉痛、倦怠感、頭痛)です。試験のデータは2016年に関連学会で発表されるほか、ピアレビュー誌にも投稿する予定です。

* 日本においてはジャパンワクチン株式会社が本剤の開発を行っております。


<参考>

ZOE-70試験について
ZOE-70 (ZOster Efficacy in adults aged 70 years and over) 試験は、70歳以上の成人14,800名以上が参加した無作為化、観察者盲検、プラセボ対照(生理食塩水)、多施設、多国間共同(北米、欧州、南米、アジア太平洋地域)第III相臨床試験です。ワクチンは初回と2ヵ月後の2回、筋肉内注射で投与されました。この試験はZOE-50試験と並行して2010年8月に開始され、70~79歳及び80歳以上の被験者を組み入れています。この試験の主要目的は、プラセボと比較した帯状疱疹発症リスクの軽減を指標として、70歳以上の高齢者における全般的なワクチンの有効性を評価することです。 また、もう一つの主要目的は、ZOE-70及びZOE-50の両試験での帯状疱疹及びPHN症例を集めて、帯状疱疹及びPHNの発症リスクの軽減を指標としたときの70歳以上の高齢者における全般的なワクチンの有効性を評価することです。

帯状疱疹で最も多い合併症は帯状疱疹後神経痛iiiで、急性期の帯状疱疹の発疹がみられた後に少なくとも90日以上持続する強度の局所性疼痛です。

ZOE-50試験について
ZOE-50 (ZOster Efficacy in adults aged 50 years and over) 試験は、50歳以上の成人16,000名以上が参加した無作為化、観察者盲検、プラセボ対照(生理食塩水)、多施設、多国間共同(北米、欧州、南米、アジア太平洋地域)第III相臨床試験です。この試験は2010年8月に開始し、2014年12月に主要な有効性データが報告されました。ワクチンは初回と2ヵ月後の2回、筋肉内注射で投与されました。この試験の主要目的は、プラセボと比較し帯状疱疹の発症リスクの軽減を指標としたときの、全年齢層にわたる全般的なワクチンの有効性を評価することです。ZOE-50の結果は2015年4月にThe New England Journal of Medicineに掲載されましたi。

第III相試験プログラムについて
世界各国の被験者37,000人以上が参加した第III相試験プログラムでは、本剤の有効性、安全性、免疫原性が評価されています。高齢成人以外に、本剤は免疫機能が顕著に低下した集団(固形がん・血液がん患者、造血幹細胞・腎移植のレシピエントを含む)でも評価されています。

帯状疱疹について
帯状疱疹は通常、痛みとかゆみを伴う発疹が身体の片側に出現する疾患です。この発疹は、潜伏していた水痘ウイルス(水痘帯状疱疹ウイルス[VZV])の再活性化によって起ります。VZVに感染した人は誰でも帯状疱疹を発症するリスクがあり、主なリスク要因としては加齢や免疫系の低下が挙げられますiii。帯状疱疹の合併症には、瘢痕、視覚障害、二次感染、神経まひなどがありますが、もっともよくみられるのが帯状疱疹後神経痛(PHN)で、15%~30%の帯状疱疹患者に認められますiv。

多数の国々からのデータによると、50歳以上の成人の90%以上が野生型VZVに感染しているiため、50歳を超えると帯状疱疹のリスクが上昇するとされています。PHNなどの合併症のリスクも加齢に伴って上昇します。帯状疱疹を発症する生涯リスクはおよそ3人に1人ですが、85歳以上になるとリスクは上昇し、2人に1人の割合となりますv。

 

GSK – グラクソ・スミスクラインは、世界をリードする、研究指向型医薬品及びヘルスケア企業であり、人々が心身ともに健康でより充実して長生きできるよう、生活の質の向上に全力を尽くすことを企業使命としています。詳細は、http://www.gsk.comをご覧ください。

<ジャパンワクチン株式会社について>
グラクソ・スミスクライン株式会社、第一三共株式会社による50%ずつの出資により、2012年7月2日より営業を開始しました。「力をあわせて、未来を守る」をスローガンに、日本国内における予防ワクチンの臨床開発、マーケティングならびに営業活動を行っています。

参考文献
i. Lal H, Cunningham AL, Godeaux O, Chlibek R, Diez-Domingo J, Hwang SJ, Levin MJ, McElhaney JE, Poder A, Puig-Barberà J, Vesikari T, Watanabe D, Weckx L, Zahaf T, Heineman TC; ZOE-50 Study Group.. Efficacy of an adjuvanted herpes zoster subunit vaccine in older adults. N Engl J Med. 2015;372:2087-96
ii. The GSK proprietary AS01 adjuvant system contains QS-21 adjuvant licensed from Antigenics Inc, a wholly owned subsidiary of Agenus Inc. (NASDAQ: AGEN), MPL and liposomes
iii. Shingles (Herpes Zoster) Clinical Overview. US Centers for Disease Control and Prevention, May 1st 2014. Accessed at: www.cdc.gov/shingles/hcp/clinical-overview.html on 15th April 2015.
iv. Dworkin RH, O'Connor AB, Backonja M, Farrar JT, Finnerup NB, Jensen TS, Kalso EA, Loeser JD, Miaskowski C, Nurmikko TJ, Portenoy RK, Rice AS, Stacey BR, Treede RD, Turk DC, Wallace MS. Pharmacologic management of neuropathic pain: evidence-based recommendations. Pain. 2007 Dec 5;132(3):237-51. Epub 2007 Oct 24. Review.
v. Pinchinat et al: Similar herpes zoster incidence across Europe: results from a systematic literature review. BMC Infectious Diseases 2013, 13:170