GSKのマラリアワクチンMosquirixTM(RTS,S)、 サハラ以南のアフリカ諸国における 幼児でのマラリア予防について欧州の規制当局から承認勧告を受領

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世界初のマラリアワクチン候補品をマラリア予防のために他の手段と併せてどう使用することができるか、WHOがこれから評価を行う予定 

この資料は、英国グラクソ・スミスクラインplcが2015年7月24日に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先します。詳細はhttp://www.gsk.comをご参照下さい。

<2015年7月24日 英国ロンドン発>


GSKは本日、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)がRTS,Sとして知られている同社のマラリアワクチンMosquirixTMbの 6週~17カ月の乳幼児を対象とした使用について、科学的見地にもとづく承認勧告を行ったことを発表しました。今回のEMAの決定を受け、世界保健機関 (WHO)は、参加している各国の当局により承認された国家的な予防接種プログラムにおいて、ワクチン接種をどのように組み込むことができるのかなど、政 策提言の検討を始めます。

PATHマラリアワクチンイニシアチブ(MVI)と連携して開発されたRTS,Sは、このマイルストーンを達成した初のマラリア予防のワクチン候補品で す。他のワクチンがウィルスや細菌に対処するのに対し、RTS,Sはサハラ以南のアフリカ諸国(SSA)に主に生息する熱帯熱マラリア原虫が原因となるマ ラリアを予防することを目的としたものです。2013年、マラリアによる推定死亡者数は584,000人で約90%がSSAにおけるものであり、死亡者の 83%はSSAの5歳未満の小児です1

CHMPによる承認勧告は、マラリア予防のために現在推奨されている既存の手段への追加策としてRTS,Sを利用できるようにするための薬事プロセスにお ける重要なステップです。幼児に対する承認勧告は、ワクチン候補品の安全性、有効性および品質を評価したデータの精査に基づいて行われました。

CHMPによる審査のために提出された臨床データは主に、16,000人以上の乳幼児を対象にアフリカ8カ国(ブルキナファソ、ガボン、ガーナ、ケニア、 マラウイ、モザンビーク、ナイジェリア、およびタンザニア)における13カ所のアフリカの研究施設で実施された第III相臨床試験プログラムから得られた ものでした。

臨床試験のデータは、18カ月間以上にわたる追跡調査期間中、RTS,Sを接種した幼児(1回目の接種時に生後5~17カ月)でマラリアの発症がほぼ半減 し、乳児(1回目の接種時に生後6~12週)での発症は27%減少したことが示されました。最終結果では、4年以上にわたる追跡調査期間中、幼児において RTS,Sの4回接種により、マラリアの発症が39%減少し、乳児においては3年以上にわたる追跡調査期間中、27%減少したことが示されました2。マラ リアの負担が最も大きい地域では、試験期間中、ワクチン接種を受けた幼児1000人あたりで、その地域において6000症例以上のマラリアが予防できまし た2。本試験では、殺虫剤塗布蚊帳など既存のマラリア管理対策が約80%の幼児および乳児において適用されている状況下で、RTS,Sの有効性を評価しました。

GSKのCEOであるSir Andrew Wittyは次のように述べています。「本日の決定は、世界初のマラリアワクチンの幼児への提供を可能とするためのさらなる重要なステップとなります。 RTS,Sはそれ自体がマラリアに対する完璧な解決策にはなりませんが、蚊帳や殺虫剤といった現在利用できる治療介入と併せて使用することで、予防を最も 必要としているアフリカの幼児へのマラリアのリスクを低減するにあたり、有意義な貢献を行うことになります。この取り組みはここで終わるわけではなく、 GSKはこの深刻な疾患に対処するさらなる方法を模索するため、マラリアワクチンおよび治療の研究開発への投資に引き続き力を注いでいきます。」

PATHの製品開発部門ヴァイスプレジデントであるDr David C. Kaslowは次のように述べています。「死に至らしめるこの人体寄生虫に対する防御を最も必要としているアフリカの幼児にマラリアワクチンを届ける前 に、まだいくつかやらなければならないステップが残っているものの、本日はワクチン開発のための長期にわたるパートナーシップを評価する、重要な科学的節 目となります。PATHは今後もGSKや他のパートナーと連携し、これら残りのステップについて十分な情報を得た上での意思決定をサポートするエビデンス を、出来るだけ早く入手できるようにします。」

GSKは非営利価格でRTS,Sが利用できるよう尽力し、承認された場合にRTS,Sの価格により本ワクチンの製造コストのほか、約5%のわずかな利益を 得ることで、それを次世代マラリアワクチンまたは他の顧みられない熱帯病に対するワクチンの研究開発に再投資することを明言しています。

次のステップ

CHMPによる承認勧告を受け、WHOの2つの独立諮問グループである予防接種に関する戦略助言専門家グループ(SAGE)とマラリア政策諮問委員会 (MPAC)は、RTS,Sのエビデンスベースを共同で検証し、ワクチン候補品がSSAの国家規制当局で承認された場合、マラリアを予防する他の手段と併 せてどのように使用することができるかについて、共同政策提言を行うことにしています。WHOは、このような政策勧告を今年末までに行う可能性を示唆して います。

WHOの勧告後、GSKはRTS,Sの事前認定の申請もWHOに提出する予定です。WHOによる事前認定では予防接種拡大普及計画への導入を前提としたあ らゆる新ワクチンの品質、安全性および有効性の科学的評価を行います。事前認定の決定は、ワクチン購入の決定に関する情報提供のため、国連(UN)やその 他の大規模公的調達機関が使用します。

ひとたびWHOによる事前認定が認められれば、GSKはサハラ以南のアフリカ諸国で国別に製造販売承認の申請を行います。これらの規制および政策決定が肯 定的なものであれば、これらの国々はアフリカの予防接種プログラムを通じてRTS,Sの接種を開始することができます。

WHOによる政策勧告およびWHOによる事前認定は、UNICEFが支援する現地予防接種プログラムに新しいワクチンを導入するためのワクチンアライアンスであるGaviの要件となっています。

Notes to Editors

  • Mosquirixは、今回のマラリアワクチン候補品の製品名です。本候補品の科学的な名称であるRTS,Sは、本ワクチンの構成成分を表しています。RTS,SはAS01アジュバントシステムも含みますi
  • RTS,Sは、熱帯熱マラリア原虫が宿主となるヒトの血流に初めて入る時、あるいは原虫が肝細胞に感染する時に、免疫を活性化することで原虫 からヒトを守ることを目的としています。本ワクチンは、マラリア原虫の感染、成熟、肝臓での増殖を妨げるように設計されており、肝臓で増殖した原虫が再度 血流に入り赤血球への感染を経てマラリアを発症するリスクを軽減します。
  • 大規模な第III相試験でRTS,Sの安全性および有効性を評価しましたが、この試験ではRTS,Sを1カ月おきに3回接種し、さらに18カ 月後に4回目の接種を行いました。本試験の結果は、RTS,Sを蚊帳など他のマラリア管理対策に加えて使用すると、流行国においてマラリアから幼児を守る のに役立つことが一貫して実証されました。
  • RTS,Sは、世界中で開発されているなかで最先端のマラリアワクチン候補品です。本ワクチンは、GSKの研究所に勤務する研究者が1987 年に作り出しました。初期の臨床開発は、ウォルター・リード米陸軍研究所と共同で行われました。GSKおよびPATHは2001年1月、ビル&メリンダ・ ゲイツ財団からPATHに提供された助成金で、サハラ以南のアフリカ諸国のマラリア流行地域に住む乳幼児を対象として、RTS,Sをベースとしたワクチン を開発する官民のパートナーシップを締結しました。
  • GSKはこれまでに3億6500万ドル以上を出資しており、開発が完了するまでさらに2億から2億5千万ドルを投資する予定です。ビル&メリ ンダ・ゲイツ財団からの助成金を受けたMVIは、2001年から2014年末までにRTS,Sプロジェクトを進めるために2億ドル以上を費やしました。
  • EMAのCHMPによる勧告は、2014年7月に開始された第58条の手順において最終段階にあり、これによってCHMPは世界保健機関 (WHO)と共同で、欧州連合(EU)外の市場のみを対象としたヒト用医薬品に関する承認勧告を出します。この評価では、医薬品が欧州連合での使用を対象 としたものと同じ基準を満たす必要があります。


References

  1. http://www.who.int/malaria/media/world_malaria_report_2014/en/
  2. 2. RTS,S Clinical Trials Partnership, The Lancet. 2015; 386 (9988): 31–45. 

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