マラリアワクチン候補品が 3~4年間の追跡調査期間にわたり有効性を実証

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この資料は、英国グラクソ・スミスクラインplcが2015年4月24日に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先します。詳細はhttp://www.gsk.comをご参照下さい。

2015年4月24日 英国ロンドン発

  • 第III相試験の最終結果により、マラリアワクチン候補品RTS,Sがサハラ以南のアフリカ諸国のマラリア流行地で公衆衛生に利益をもたらす可能性があることを示唆
  • ブースター投与でワクチンの有効性が向上

マラリアワクチン候補品RTS,Sの大規模第III相試験の最終結果(ブースター投与の効果を含む)が、本日「The Lancet」誌に掲載されました。これによりこのワクチン候補品が初回接種後少なくとも3年間にわたり、マラリアから幼児や乳児を守るために有益である ことが明らかになっています。

最新の結果では、RTS,Sの通常の接種(3回)に続いて18ヵ月後にブースター投与を行うことにより、幼児(1回目の接種が生後5~17ヵ月)では試験終了までに36%1(治 験実施施設全体での平均48ヵ月の追跡調査期間中)、乳児(1回目の接種が生後6~12週)では試験終了までに26%(治験実施施設全体での平均38ヵ月 の追跡調査期間中)、臨床的にマラリアと診断された症例数が減少したことが実証されました。有効性は、どちらの年齢群でも時間経過とともに減少しました。 ブースター投与を行わない3回の接種では、試験終了までに幼児では28%、乳児では18%、マラリアの発症が減少しました。本試験では、殺虫剤塗布蚊帳な ど既存のマラリア管理対策が約80%の幼児および乳児において適用されている状況下で、RTS,Sの有効性を評価しました。

通常のワクチン接種の18ヵ月後にブースター投与を受けた幼児(年齢区分が生後5~17ヵ月)では、平均48ヵ月の追跡調査期間中、治験実施施設全体で 1,000人当たり、平均1,774件のマラリアの症例が予防されました。一方、ブースター投与を受けた乳児(RTS,Sの初回接種時の年齢が生後 6~12週)では、平均38ヵ月の追跡調査期間中、治験実施施設全体で1,000人当たり、平均で983件のマラリアの症例が予防されることがわかりまし た。マラリア伝染率が高い地域では、より多くの症例を防ぐことができました。ブースター投与を行わない場合、幼児(初回接種時に年齢が生後5~17ヵ月) において1,000人当たり、平均で1,363件のマラリアの症例が予防され、初回接種時に年齢が生後6~12週の乳児では1,000人当たり、試験終了 までに558件の症例が予防されることがわかりました。

試験期間終了までに、重症マラリアに対する有効性は、ブースター投与を受けた幼児のみで観察されました。ブースター投与を受けなかった幼児では、対照群の幼児と比較して、重症マラリアのリスクが高まることが示唆されました。

アフリカ7ヵ国にある11の研究センター2が、GSKおよびPATH MVIと連携して有効性および安全性試験を実施しており、この資金はビル&メリンダ・ゲイツ財団からPATHマラリアワクチンイニシアチブ(MVI)に提 供された助成金から拠出されています。2009年3月に開始され、2014年1月に終了したこの試験には、幼児(初回接種時に生後5~17ヶ月)および乳 児(初回接種時に生後6~12週)の2つの年齢区分で、15,459名が参加しました。

安全性
RTS,Sは試験期間中、許容可能な安全性および忍容性プロファイルを示し続けました。接種後の週では、対照群のワクチンの接種を受けた幼児よりも RTS,Sの接種を受けた幼児の方が、発熱の発現率が高くなりました。発熱した幼児のなかには、全身けいれんを伴う熱性反応をおこした症例もありました が、これらの幼児は全て、7日以内に消失しました。

以前報告された髄膜炎の兆候は、RTS,Sのブースター投与後に報告された2件の症例を含め、高い年齢区分で依然としてみられます。さまざまな疾患につい てグループ間での比較が行われましたが、いくつかの事象はワクチン接種との明確な関連性もなく接種から数年経って発現していた場合もあり、これらは偶然の 結果かもしれません。しかしながら髄膜炎の発症については、RTS,Sが認可された場合、第IV相試験において注意深く追跡していきます。

本試験の治験責任医師で、RTS,S臨床試験パートナーシップ委員会の委員長であるDr Kwaku Poku Asante氏は次の通り述べています。「多くの子どもたちを人生最初の一年間に襲うこの恐ろしい疾患に対し、大きなインパクトを及ぼす可能性のあるワク チン候補品について私たちはようやく見通しがつくところまで来ました。ときには1年に何度もマラリアに罹患する幼児が大勢おり、このワクチン候補品が正し く使用されれば、何百万ものマラリアの症例を予防できる可能性があります。RTS,S試験に取り組んだアフリカの研究者および研究センターを代表して、国 の保健当局、治験参加者に対し、この重要なマイルストーンを達成できたことに感謝いたします。」

GSKのグローバルワクチン部門チェアマンであるDr Moncef Slaoui氏は次の通り述べています。「本試験の結果で、この悲惨な疾患により生活を阻害されている子どもたちにとって、継続的に大きな公衆衛生上の利 益が示されていることに、私たちは非常に勇気づけられています。このワクチン候補品を既存の治療介入と併用することにより、マラリアに感染する最も危険な 時期と考えられている生後間もない時期を、より多くの子どもが生存できることが期待されます。私たちは、マラリア予防のさらなる手段として、RTS,Sワ クチン候補品の使用の可否について、十分な情報を得たうえで決定できるよう、規制当局および世界保健機関に必要なデータ証拠を提出すべく、懸命に取り組ん でいます。」

PATHの製品開発部門ヴァイスプレジデントであるDr David C. Kaslow氏は次の通り述べています。「このように科学的に大きな節目を迎えられたのは、何千ものアフリカの家族や、このワクチン試験に長年全力で取り 組んできた何百人もの研究者、臨床医、および医療従事者の功績です。RTS,Sにおける官民のパートナーシップにより、規制当局や政策立案者がこのワクチ ンの使用を認可する際のヒトでの有効性および安全性に関する主要試験のデータの収集に成功しました。マラリアの撲滅が最終的な目標ではありますが、マラリ アはまだ撲滅されておらず、世界の多くの地域では、十分な管理さえできていません。これらのデータは、マラリアワクチンにより、いくつかの重要なステップ に進むことができるということを示唆しています。」

次のステップ:
欧州医薬品庁(EMA)は現在、2014年7月に開始された第58条の手順により、RTS,Sの承認申請を審査しています。
世界保健機関(WHO)からの政策勧告(2015年末までに行われる見込み)と併せて、EMAの医薬品委員会からの承認勧告が、サハラ以南のアフリカ諸国 の国家規制当局へのライセンス申請の根拠となります。これらの規制関連の決定が前向きなものであれば、アフリカの国家的な予防接種プログラムを介し、 RTS,Sの導入の基盤を作りやすくなります。RTS,Sが承認されれば、GSKは非営利価格でこのワクチンが利用できるよう、尽力していきます。


生きる喜びを、もっと Do more, feel better, live longer
グラクソ・スミスクラインは、研究に基盤を置き世界をリードする、医薬品およびヘルスケア企業であり、人々が心身ともに健康でより充実して長生きできるよう、生活の質の向上に全力を尽くすことを企業使命としています。

将来の見通しに関する記述についての注意事項
GSKは、本発表で行われているものを含め、GSKが行う将来の見通しに関する記述または予測はいずれも、リスクおよび不確実要素により影響を受けるた め、実際の結果が予測したものと大きく異なる可能性があるということを、投資家に対し警告します。このような要因には、2014年度の同社年次報告書の項 目3.D「リスク要因」に記載されているものが含まれますが、これらに限定されるわけではありません。

PATHは、世界的な医療のイノベーションにおけるリーダーです。国際的な非営利団体であるPATHは、特に女性およ び子どもの間で、命を救い健康を改善しています。私たちは、起業家としてのインサイト、科学的専門知識と公衆衛生の専門知識、そして公平な医療への情熱を 生かし、ワクチン、医薬品、診断、医療機器およびシステムとサービスの技術革新という5つのプラットフォームにわたり、イノベーションを加速させていま す。世界中でパートナーを動員することで、主にアフリカやアジア各国とともに取り組みながら、イノベーションを拡大させて最も大きな医療ニーズに立ち向 かっています。私たちは力を合わせ、医療不足の悪循環をとめる、目に見える結果をもたらします。詳細については、www.path.orgをご覧ください。

PATHマラリアワクチンイニシアチブ(MVI)は、PATHがビル&メリンダ・ゲイツ財団から提供された初期の助成 金で設立したグローバルのプログラムです。MVIのミッションは、マラリアワクチンの開発を加速させ、それがマラリア発生国に確実に提供され人々がアクセ スできるようにすることです。MVIのビジョンは、マラリアのない世界です。詳細な情報については、www.malariavaccine.orgをご覧ください。

References
1 Intention to Treat (ITT) analysis, for this statistical reference and those that follow
2 Burkina Faso, Gabon, Ghana, Kenya, Malawi, Mozambique, and Tanzania