GSK、成人患者のBRAF V600遺伝子変異陽性の切除不能 あるいは転移性メラノーマの経口治療薬として欧州委員会から Tafinlar™(dabrafenib)の承認を取得

この資料は、英国グラクソ・スミスクラインplcが2013年9月2日に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先します。詳細はhttp://www.gsk.comをご参照下さい。

<2013年9月2日、英国ロンドン発>

グラクソ・スミスクライン(以下、GSK)は、欧州委員会がBRAF V600遺伝子変異陽性の切除不能(外科手術による除去が不能なメラノーマ)あるいは転移性メラノーマ(体の他の部位に広がったメラノーマ)の成人患者における単剤療法での経口標的治療薬としてTafinlar™(dabrafenib)を承認したことを本日発表しました1。dabrafenibはBRAF野生型メラノーマの患者の治療は適応としていません。dabrafenibを服用する前に患者は検査によりBRAF V600遺伝子変異を確認しなければなりません1

GSKオンコロジーのプレジデント、Paolo Paoletti, M.D.は次のように述べています。「本日Tafinlar™が承認されたことは、最初の試験から5年未満での承認という点で、癌の患者さんに新しい治療選択肢を届けるというGSKの継続的な取り組みの重要な一歩になりました。この新しい個別化医療によって、最も生存率が低い癌の1つである転移性メラノーマという悲惨な病気を抱えた患者さんの生活を有意義に改善できることを願っています。」

dabrafenibは、体内の生物学的経路の主要物質で、皮膚細胞を含め、細胞が正常に増殖し、死滅するよう調整を行うBRAFを標的にしたキナーゼ阻害剤です2。診断検査法の確立により、BRAF V600遺伝子変異陽性の切除不能または転移性メラノーマを同定でき、この治療薬の投与に適格な患者を特定できるようになりました。

メラノーマと転移性メラノーマについて
メラノーマは皮膚癌の中で最も重篤な癌で、皮膚癌の死亡原因の75%を占めています3。早期に発見され、皮膚に限局されたメラノーマは、通常手術で取り除くことができますが、転移というプロセスによって体の他の部分に広がっていることがあります4。通常、新たにメラノーマと診断される患者全体で転移性は5%未満です。皮膚メラノーマ患者の50~70%にBRAF遺伝子の変異が見られます5

世界保健機関(WHO)によると、2008年には世界中で20万人がメラノーマと診断され6、その数は2015年までに23万3000人に増加する見込みです6。化学療法を受ける転移性メラノーマ患者の生存期間と1年生存率の中央値はそれぞれ12ヶ月とは49%です7

TafinlarTM(dabrafenib)の臨床データ
dabrafenibの承認は複数の多施設グローバル試験の結果を根拠にしています。これらの試験の1つである第III相治験のBREAK-3では、治療歴のないBRAF V600E遺伝子変異陽性の切除不能または転移性メラノーマの患者250名を対象にdacarbazine(化学療法)とdabrafenibによる治療を比較しました。BREAK-3の事前に指定された解析において、2011年12月以降、dacarbazineと比較してdabrafenibにより疾患増悪または死亡の相対リスクが70%低下しました(95% 信頼区間:0.18、0.51、層別ログランク検定:p<0.0001)。試験データから、無増悪生存期間の中央値がdacarbazineでは2.7ヶ月(95% 信頼区間:1.5、3.2)であったのに対してdabrafenibでは5.1ヶ月(95%信頼区間:4.9、6.9)であったことが示されました(2011年カットオフデータ)。

2012年6月以降の事後解析において、dabrafenibはdacarbazineと比較して疾患増悪または死亡の相対リスクを63%低下させました(95%信頼区間: 0.24、0.58、層別ログランク検定:P<0.0001)。データによると、無増悪生存期間(PFS)の中央値はdacarbazineの2.7ヶ月(95% 信頼区間:1.5、3.2)に対して6.9ヶ月(95% 信頼区間:5.2、9.0)でした。2012年12月以降に行われた事後解析では、12ヶ月後の全生存率(OS)がdacarbazineの63%に対してdabrafenibは70%でした(ハザード比¬¬0.76、95 % 信頼区間: 0.48、1.21)1

BREAK-3試験ではV600E以外のBRAF遺伝子変異陽性によるメラノーマの患者は除外しましたが、V600K遺伝子変異陽性の患者を対象にした単アーム試験では、V600E遺伝子変異陽性の患者より作用が低いと思われます1

その他の試験:

  • 治療経験がない、あるいは少なくとも1つの全身療法が奏効しなかったBRAF V600EまたはV600K遺伝子変異陽性の転移性メラノーマの患者92名を対象にした第II相、BREAK-2、多施設単アーム非盲検試験8
  • 局所療法の経験の有無に関わらず、脳転移のあるBRAF V600遺伝子変異陽性のメラノーマ患者172名を対象にした第II相、BREAK-MBプロスペクティブ非盲検試験。癌が脳に広がることで生じる脳転移は転移性メラノーマ患者にとって最も一般的で困難を伴う合併症です9。後期メラノーマ患者の60%以上で脳転移が起こります9

Tafinlar™(dabrafenib)について
Tafinlar™(dabrafenib)はMAPK(マイトジェン活性化プロテインキナーゼ)経路の主要物質であるBRAFを標的とします。さまざまなタイプのメラノーマにおいて、MAPK経路の遺伝子変異したBRAF蛋白質は細胞の正常な制御を乱し、細胞の増殖を促します2。dabrafenibは遺伝子変異したBRAF蛋白質と結合し、腫瘍形成のシグナル伝達を阻害して腫瘍細胞の増殖を抑制します。

欧州連合(EU)において、dabrafenibは有効な検査で検出されたBRAF V600遺伝子変異陽性の切除不能または転移性メラノーマの成人患者に対する単剤療法として認可されました1。dabrafenibは米国、カナダ、オーストラリアでも認可されています。

Tafinlar™の使用に関する詳しい情報及び日常的なモニタリングなどの管理条件を含む安全性プロファイルは、公開医薬品審査報告書(EPAR, http://www.ema.europa.eu)ならびに欧州委員会のウェブサイトの欧州委員会承認医薬品リスト(http://ec.europa.eu/health/documents/community-register/html/index_en.htm)と合わせ、欧州医薬品庁のウェブサイトで発表される製品特性概要に記述されています。


References
1 Tafinlar EU Summary of Product Characteristics, 30 August 2013.
2 Cantwell-Dorris, E., O'Leary, J. et al. BRAFV600E: Implications for Carcinogenesis and Molecular Therapy. Mol Cancer Ther. March 2011; 10: 385. 
3 Jerant AF, et al. Early detection and treatment of skin cancer. Am Fam Physician 62(2):357–368 (2000). 
4 Melanoma Research Foundation. “Staging Melanoma.” Available at http://www.melanoma.org/learn-more/melanoma-101/staging-melanoma
5 Romano E, Schwartz GK, Chapman PB, et al. Treatment implications of the emerging molecular classification system for melanoma. Lancet Oncol. 2011;12(9):913-22. 
6 Ferlay, J, Shin HR, Bray, F, Forman, D, Mathers, C, Parkin, DM GLOBOCAN 2008 v1.2. Cancer Incidence and Mortality Worldwide: IARC Cancerbase No.10 [Internet] Lyon, France: International Agency for Research on Cancer; 2010. Available from: http://globocan.iarc.fr. Accessed March 2013 
7 Faruk Tas, Journal of Oncology. 2012. 
8 Trefzer U. BREAK-2: A phase IIA trial of the selective BRAF kinase inhibitor GSK 2118436 in patients with BRAF (V600E/K) positive metastatic melanoma (LBA1 1). 8th International Congress for the Society of Melanoma Research; Tampa, Fla.. November 9–13, 2011. 
9 AIM at Melanoma. “Brain Metastases.” Available at https://www.aimatmelanoma.org/en/aim-for-answers/stages-of-melanoma/brain-metastates.html.

 

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