GSK、2025年第2四半期業績 引き続き好調な業績を達成
この資料は、英国GSK plcが2025年7月30日に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先されます。詳細は https://www.gsk.comをご参照ください。
スペシャリティ医薬品の好調な業績が、売上高とコア営業利益の成長を牽引
- 2025年第2四半期の総売上高は80億ポンドで、AERベースで1%増、CERベースで6%増
- スペシャリティ医薬品の売上高は33億ポンド(15%増)。呼吸器・免疫・炎症が10億ポンド(10%増)、オンコロジーは5億ポンド(42%増)、HIVは19億ポンド(12%増)。
- ワクチンの売上高は21億ポンド(9%増)。シングリックスが9億ポンド(6%増)、髄膜炎ワクチンが4億ポンド(22%増)、アレックスビーが1億ポンド(13%増)
- ジェネラル医薬品の売上高は26億ポンド(6%減)。テリルジーは8億ポンド(4%増)
- 営業利益合計は33%増、1株当たり利益合計は35%増。条件付対価に係る負債は減少したものの、無形資産の減損により一部相殺されたことを反映
- コア営業利益は12%増、コア一株当たり利益は15%増。これは、スペシャリティ医薬品とワクチンの成長、ロイヤルティ収入の増加、そしてオンコロジーとワクチンの研究開発ポートフォリオの進展に対する戦略的投資の増加を反映
- 営業活動によるキャッシュ・フローは24億ポンド、フリーキャッシュフローは11億ポンド
(財務業績-特に明記しない限り、2025年第2四半期業績の成長率に関するコメントはCERベースであり、その定義は英語版プレスリリース57ページに記載。2025年第2四半期では、米ドルに対する英ポンド高となった為替の主な影響によりCERと比較しAERにマイナス影響。詳細は10ページを参照)
2025年 第2四半期 |
年累計 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
£m | %AER | %CER | £m | %AER | %CER | |
売上高 | 7,986 | 1 | 6 | 15,502 | 2 | 5 |
総営業利益 | 2,023 | 23 | 33 | 4,239 | 35 | 41 |
営業利益率(%) | 25.3% | 4.5ポイント) | 5.4ポイント | 27.3% | 6.8ポイント | 7.2ポイント |
1株当たり利益合計 | 35.5p | 23 | 35 | 75.3p | 38 | 45 |
コア営業利益 | 2,631 | 5 | 12 | 5,164 | 4 | 8 |
コア営業利益率(%) | 32.9% | 1.1ポイント | 1.8ポイント | 33.3% | 0.8ポイント | 1.1ポイント |
コア1株当たり利益 | 46.5p | 7 | 15 | 91.4p | 6 | 10 |
営業活動によるキャッシュ | 2,433 | 47 | 3,734 | 35 |
将来の成長につながるパイプラインの進展と投資:
2025年は主要新製品5品目でFDAより承認取得見込み:
- Penmenvy(髄膜炎ワクチン)、ゲポチダシン(単純性尿路感染症治療における新規作用機序を有する抗菌薬)、ヌーカラ(COPDの適応追加)の3品目が米国で承認取得
- ブーレンレップ(多発性骨髄腫)がEU、日本、英国、カナダ及びスイスで承認。米国FDAとは建設的な協議が進行中(処方薬ユーザーフィー法(PDUFA)による新たな審査期限日を2025年10月23日に設定)
- デペモキマブ(重症喘息、鼻茸を伴う慢性鼻副鼻腔炎)、米国における承認可否が2025年12月に判明する予定
14の主要な新製品および治療法で2025年から2031年にかけての上市、ピーク時売上高20億ポンド超の可能性が期待される:
- 複雑性尿路感染症(cUTI)を適応とした新規抗生物質であるtebipenemの第III相PIVOT-PO試験において、有効性が確認されたことから早期中止、年末までに申請予定
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)を適応とするデペモキマブの第III相開発プログラムを開始(ENDURA試験)
- 2025年下半期に開始予定の主要な第III相臨床試験:
- オンコロジー
- 再発の進展型小細胞肺がんに対するB7-H3標的抗体薬物複合体[ADC]GSK'227
- 消化管間質腫瘍(GIST)の二次治療に対するGSK'981[IDRx-42]
- 代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)の治療を適応としたefimosfermin
- HIV治療を適応とした長時間作用型製剤カボテグラビルとリルピビリンの併用投与(4ヵ月毎)
- オンコロジー
ターゲットを絞った事業開発への投資を継続し、呼吸器・免疫・炎症(RI&I)とオンコロジーのパイプラインを強化
- Boston Pharmaceuticals社から、脂肪性肝疾患治療薬となりうるスペシャリティ医薬品であるefimosferminの買収を完了
- COPDの治療薬として臨床開発中であるPDE3/4阻害薬のライセンス供与を含む、RI&Iとオンコロジーの医薬品12品目の開発に関するHengrui Pharma社との契約締結を発表
株主還元への継続的なコミットメント
- 2025年第2四半期の配当金は16ペンス、2025年通年では64ペンスを予定
- 2024年度に発表された20億ポンドの自社株買いプログラムの一環として、2025年上半期に8億2,200万ポンドを支出
2025年ガイダンスの範囲上限の達成に自信
- 売上高3%~5%増、コア営業利益6%~8%増、コア一株当たり利益6%~8%増という範囲の上限の達成をうかがう成長
ガイダンスはすべてCERベース
GSK最高経営責任者のエマ・ウォルムズリーは次のように述べています:
「GSKの力強い勢いが2025年の第2四半期も続いています。最大のビジネスであるスペシャリティ医薬品を中心に業績は引き続き好調で、呼吸器・免疫・炎症、オンコロジー、HIVの売上高が二桁成長を示しました。また、研究開発の進展は非常に良好であり、今年はこれまでに米国FDAから主要3品目の承認を受けました。また、16品目の医薬品候補が現在開発の後期段階にあり、さらに4品目の有望ながん、肝疾患およびHIVの治療薬が年末までに第III相臨床試験並びに重要な開発段階に入ると見込まれています。これらをすべて考慮すると、2025年の財務ガイダンスの上限に近づくと予想しており、長期的な見通しに引き続き自信を持っています」
合計の業績結果は上記要約および英語版プレスリリース7ページに掲載されており、コア業績結果との調整は19、22ページに記載されています。コア業績結果は、IFRSに基づかない指標であり、IFRSに基づき提示されている情報に加えて検討する性質のものであり、それに代わるまたはそれより優れているものではありません。コア業績結果、AER%成長率、CER%成長率、その他のIFRSに基づかない指標の定義は57~58ページに記載されています。GSKは、17ページに記載された理由に基づいて、コア業績結果のみをベースにガイダンスを示しています。将来の業績や配当金の支払に関するすべての見込、ガイダンスや目標は、59~60ページの「Guidance and outlooks, assumptions and cautionary statement」と併せて読む必要があります。略語の定義は64ページに記載されています。
2025年ガイダンス
固定為替レート(CERベース)での2025年通年のガイダンスを示しています。
ガイダンス | 新規の2025年ガイダンス (CERベース) |
以前の2025年ガイダンス (CERベース) |
売上高 | 3~5%の範囲の上限に向けて増加 | 3~5%の増加 |
コア営業利益 | 6~8%の範囲の上限に向けて増加 | 6~8%の増加 |
コア一株当たり利益 | 6~8%の範囲の上限に向けて増加 | 6~8%の増加 |
このガイダンスは、2025年通期の売上高予想(CERベース)を以下のように修正したことを裏付けとしています。
売上高の予想 | 新規の2025年ガイダンス (CERベース) |
以前の2025年ガイダンス (CERベース) |
スペシャリティ医薬品 | 二桁台前半の高い範囲での増加 | 二桁台前半の増加 |
ワクチン | 一桁台前半のマイナス成長ないしおおむね横ばい | 一桁台前半のマイナス成長 |
ジェネラル医薬品 | おおむね横ばい | おおむね横ばい |
コア営業利益については、CERベースで6~8%の上限にむかって成長すると予想しています。GSKは、スペシャリティ医薬品の成長によるプロダクトミックスの改善と継続的な業務効率化により、粗利益率の改善が期待されます。また、リターンを考慮した投資を引き続き行うことで販売費および一般管理費が一桁台前半の増加率を予想しており、営業利益のさらなるレバレッジが得られると予想しています。4月に知的財産権に関する和解に合意したこともあり、ロイヤルティ収入を7億5,000万~8億ポンドと予想しています。研究開発費は、この追加収入分をパイプラインに再投資することもあり、投資が加速していることから、売上高を上回って増加すると予想しています。
コア一株当たり利益は、コア営業利益の増加に合わせてCERベースで6~8%の上限に向けて増加すると予想されます。これには約17.5%への税率上昇および負債利子の増加が反映されていますが、一方で、自社株買いによる最大1%の利益見込みにより相殺されます。非支配株主持分は2024年から変わらないと予測しています。
関税
米国政府は、通商拡大法第232条に基づき医薬品の輸入が国家安全保障に及ぼす影響を明らかにする調査を開始しました。今回のガイダンスには、これまでに制定された関税と、今週提示された欧州向け関税が考慮されています。GSKは、財務上生じうる関税の影響を緩和する措置により対応できる準備ができています。不透明な外部環境を踏まえ、引き続き動向を注視していきます。
配当ポリシーについて
配当ポリシーおよび予定配当性向に変更はありません。これに基づき、GSKは2025年第2四半期で16ペンスの1株当たり配当を予定しています。GSKの将来の配当ポリシーおよび2025年の予定配当に関するガイダンスは英語版プレスリリース36ページに記載されています。
GSKは、2026年第2四半期末までにかけて実施される20億ポンドの自社株買いプログラムを開始しました。
2021-26年および2031年の見通し
2025年2月、GSKは2031年の見通しの上方修正を発表しました。2024年通年および第4四半期の業績はgsk.comから確認できます。
為替レートについて
2025年6月30日時点の終値の為替レート(1.37ドル/1ポンド、1.17ユーロ/1ポンド、198円/1ポンド)が2025年末まで続くと仮定した場合、GSKの2025年の英ポンドベースの売上成長率への影響は4%減と推定され、為替差損益が2024年と同水準となる場合、GSKの2025年の英ポンドベースのコア営業利益成長への影響は7%減と推定されます。
プレスリリースの原文はhttps://www.gsk.com/media/zhfdbsly/q2-2025-results-announcement.pdfをご参照ください。
GSKは、サイエンス、テクノロジー、人財を結集し、力を合わせて病に先手を打つことを存在意義とするグローバルなバイオ医薬品企業です。詳しくはhttps://jp.gsk.comをご参照ください。