GSK、脂肪性肝疾患(SLD)の治療および進行抑制を目的としたスペシャリティ医薬品、efimosferminの買収を完了


この資料は、英国GSK plcが2025年7月7日に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先されます。詳細は https://www.gsk.comをご参照ください。


 

GSK(本社:英国)は、Boston Pharmaceuticals社からefimosfermin alfaの買収を完了したことを発表しました。Efimosferminは第III相試験準備段階にあり、脂肪性肝疾患(steatotic liver disease、以下SLD)の治療および進行抑制を目的とした、ベストインクラスのスペシャリティ医薬品となる可能性を有する治療薬として開発中です。

Efimosferminは、月1回投与の新規の線維芽細胞増殖因子21(FGF21)アナログ治療薬で、肝硬変を含む代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)の治療薬として臨床開発中であり、将来的にはアルコール関連肝疾患(ALD)の治療薬としての開発も予定しています。現在、MASHとALDの治療選択肢は限られており、米国においてはこれらが肝移植の主な原因となり、保健医療制度上の大きな負担とコストとなっています1

GSKは、ヒト遺伝学と疾患表現型の統合的理解に基づき、efimosferminが直接的な抗線維化作用のメカニズムによって、より進行したSLDに対処できる可能性があると考えています。また、SLD患者さん向けに開発中のsiRNA治療薬であるGSK'990との併用においても可能性を見出しています。

GSKのシニアバイスプレジデントおよび呼吸器・免疫・炎症部門のR&Dグローバルヘッドであるカイヴァン・カヴァンディ(Kaivan Khavandi)は、次のように述べています。
「GSKのefimosfermin alfaの買収完了は、肝疾患の脂肪性およびウイルス性要因に対処することを目的とした、肝臓領域におけるパイプラインの重要な拡大を意味しています。Efimosferminは、GSKにとって重要な成長機会となるもので、複数の開発オプションを有し、2029年には最初の発売が予定されています。この薬の可能性を患者さんのために最大限に引き出せることを楽しみにしています。」

 GSKは、免疫システムのサイエンスと先進技術を活用し、さまざまな免疫介在性疾患に対するイノベーションを推進しています。Efimosferminが加わったことで、GSKの重点領域である肝臓、肺、腎臓の線維性炎症性疾患に対するパイプラインはさらに拡充されます。

財務上の考慮事項
GSKはBoston Pharmaceuticals社の子会社であるBP Asset IX社の買収を通じて、efimosferminを入手しました。この買収の現金対価は最大20億ドルで、その内訳は契約一時金12億ドル、薬事上のマイルストーン達成に応じた最大8億ドルです。また、GSKは、マイルストーン達成に応じた支払いに加えて、efimosferminの段階的なロイヤルティをNovartis Pharma AG社に支払う責任を負います。

Efimosfermin alfaについて
Efimosferminは、代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)患者さんの肝脂肪を減少させ、肝臓の炎症を改善し、肝臓の線維化を回復させるために、主要な代謝経路を調節するように設計された、線維芽細胞増殖因子21(FGF21)の長時間作用型バリアントを月1回皮下注射する開発中の治療薬です。Efimosferminは現在、肝硬変を含む、中等度からさらに進行した肝臓の線維化を対象に臨床試験中であり、世界のどの国・地域でも承認されていません。

Boston Pharmaceuticals社について
Boston Pharmaceuticals社は、経験豊富で熱意ある薬剤開発チームを擁し、深刻な肝疾患における重要なアンメットニーズに応える可能性のある、画期的な治療薬の臨床段階のポートフォリオをもつバイオ医薬品企業です。民間の起業家投資会社であるB-Flexion社のポートフォリオ企業で、Bertarelli家による資金と投資を管理し、世代を超えて卓越した価値を提供するという共通の目標を達成するために資本提携し、社会に積極的に貢献することを目指しています。 

GSKの肝臓領域における取り組み
GSKは、肝疾患患者さんのために、慢性B型肝炎、アルコール関連肝疾患(ALD)、代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)に対する治療法を含む、複数の治療法の可能性を研究しています。

GSKについて
GSKは、サイエンス、テクノロジー、人財を結集し、力を合わせて病に先手を打つことを存在意義とするグローバルなバイオ医薬品企業です。詳しくはhttps://jp.gsk.comをご参照ください。

 


1 Younossi et al. Hepatol Commun. 2023 Dec 22;8(1):e0352