帯状疱疹ワクチン「シングリックス筋注用」の定期接種化に関するグラクソ・スミスクライン株式会社のステートメント
グラクソ・スミスクライン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:ポール・リレット、以下GSK)は、帯状疱疹が予防接種法のB類疾病に位置づけられ、「シングリックス筋注用(乾燥組換え帯状疱疹ワクチン)」を含む、2つの帯状疱疹ワクチンが、2025年4月1日より、定期接種として使用可能になりましたことを受け、下記の通り、ステートメントを発表します。
このたび、予防接種法施行令、予防接種法施行規則および予防接種実施規則のそれぞれ一部が改正され、本日、4月1日から、帯状疱疹の予防を目的としたワクチン「シングリックス筋注用(乾燥組換え帯状疱疹ワクチン、以下、シングリックス)」が定期接種として使用可能となりました。
シングリックスは、帯状疱疹の予防を目的とした世界で初めての遺伝子組換え型のサブユニットワクチンで、現在50カ国以上で販売されています。日本では、50歳以上を対象として(2018年3月23日)、および、帯状疱疹の発症リスクが高いと考えられる18歳以上を対象として(2023年6月26日)承認を取得しています。また、シングリックスは、50歳以上で10年以上の帯状疱疹の予防効果の持続が示されています1。
日本人成人の90%以上は、帯状疱疹の原因となるウイルスがすでに体内に潜んでいる可能性があり、50歳を過ぎると帯状疱疹の発症が増え始め、80歳までに約3人に1人が帯状疱疹を発症するといわれています2。
また、高血圧・糖尿病・リウマチ・腎不全といった基礎疾患がある方は、帯状疱疹の発症リスクが高くなるという報告があります。例えば、帯状疱疹の発症に関連があると報告された17疾患のある患者さんを対象にした調査では、高血圧の患者さんは、高血圧がなかった患者さんと比較して帯状疱疹を発症するリスクが約1.9倍、糖尿病の患者さんは、糖尿病がなかった患者さんと比較して約2.4倍というデータが報告されています3。
このたびの国による定期接種化は、対象となる方々を帯状疱疹のリスクから守ることに寄与する重要な取り組みと考えます。私たちGSKは、ワクチンを必要とされる皆様にお届けするために、引き続き、医療機関、医師会、地方自治体などの関係者様へ適正使用情報を提供するとともに、一般の方々への予防啓発活動にも積極的に取り組んでまいります。
以上
帯状疱疹ワクチンの定期接種対象者について4
定期接種の対象者 |
・65歳の者 |
対象者の経過措置 |
・令和7年4月1日から令和12年3月31日までの間に65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳又は100歳となる日の属する年度の初日から当該年度の末日までの間にある者 |
帯状疱疹ワクチン「シングリックス」製品概要
製品名 |
シングリックス筋注用 |
一般名 |
乾燥組換え帯状疱疹ワクチン |
効能又は効果 |
帯状疱疹の予防 |
国内製造販売承認取得日 |
・50歳以上:2018年3月23日 |
販売国数 |
50カ国以上(2025年3月時点) |
用法及び用量 |
・50歳以上: |
有効性5 |
・50歳以上の成人:97.2% |
予防効果の持続性1 |
10年以上 |
安全性 |
重大な副反応:ショック、アナフィラキシー |
帯状疱疹ワクチンの任意接種の公費助成について
全国地方自治体における任意接種での公費助成制度は、730以上の自治体で実施されており、そのうち約96%の自治体で、50歳以上が接種対象者です(2025年2月時点、GSK調べ)。助成内容は自治体や年度によって異なります。
グラクソ・スミスクライン(GSK)について
GSKは、サイエンス、テクノロジー、人財を結集し、力を合わせて病に先手を打つことを存在意義とするバイオ医薬品のグローバルリーダーです。GSKは、免疫学、遺伝学、先端テクノロジーを駆使し、感染症、免疫・呼吸器疾患、オンコロジーをはじめとする疾患領域の研究開発に注力しています。そして、ワクチン、スペシャリティ医薬品、ジェネラル医薬品を通じて、病気の予防と治療に貢献します。詳細情報はhttps://jp.gsk.comをご参照ください。
また、GSKでは、帯状疱疹の疾患情報ウェブサイト「帯状疱疹予防.jp」を開設しています。
1 GSKプレスリリース2024年4月18日 GSK、50歳以上の成人を対象とした「シングリックス」の臨床試験で、10年以上の帯状疱疹に対する予防効果が示されたことを発表
2 Shiraki K. et al.: Open Forum Infect Dis. 4(1), ofx007, 2017.
3 Hata A. et al.: Infection. 39(6), 537-544, 2011. (本調査では、2001~2007年に日本の単一施設での電子カルテの記録から、帯状疱疹の発症に関連があると報告された17疾患(脳腫瘍、肺がん、乳がん、食道がん、胃がん、大腸がん、婦人科がん、悪性リンパ腫、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、シェーグレン症候群、糖尿病、高血圧、腎不全、椎間板ヘルニア、白内障、うつ病)の患者さん(帯状疱疹発症769例および帯状疱疹非発症54,723例)を対象に、それぞれの疾患がある場合の帯状疱疹の発症のリスクをその疾患がない方と比較した。例えば、「高血圧がない」とは、17疾患のうち高血圧の疾患はなかったが、いずれかの疾患があった方を指す。)
4 厚生労働省 帯状疱疹ワクチンリーフレット https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001386017.pdf
5 Lal H, Cunningham AL, Godeaux O, et al. Efficacy of an adjuvanted herpes zoster subunit vaccine in older adults. N Engl J Med 2015; 372(22): 2087-96.