GSKのJemperli(ドスタルリマブ)と化学療法との併用療法について、初発進行または再発の子宮体がんを有する全ての成人患者さんへの適応拡大に関して欧州医薬品庁の医薬品委員会が承認を勧告する肯定的意見を採択
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第III相RUBY試験から得られた統計学的に有意かつ臨床的に意義のある無増悪生存期間および全生存期間データに基づく肯定的な意見
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適応拡大には、子宮体がん症例の大部分を占めるMMRp/MSS腫瘍が含まれる
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承認は2025年第1四半期までに判断される見込み
この資料は、英国GSK plcが2024年12月16日に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先されます。詳細は https://www.gsk.com/をご参照ください。
GSK(本社:英国)は、Jemperli(ドスタルリマブ)と標準化学療法(カルボプラチンおよびパクリタキセル)との併用について、初発進行または再発のすべての成人子宮体がん患者さんに対する一次治療として適応拡大を勧告する肯定的な意見を欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(Committee for Medicinal Products for Human Use、以下CHMP)が採択したことをお知らせします。これには、子宮体がんと診断された患者さんのうち約70〜75%を占める、ミスマッチ修復機能を有する(mismatch repair proficient、以下MMRp)またはマイクロサテライト安定性(microsatellite stable、以下MSS)の初発進行または再発の子宮体がんの患者さんを含み、一般的にこれらの患者さんに対する治療選択肢は限られているといわれています。
CHMPの承認勧告は、欧州委員会(European Commission)により販売承認が認可される前の最終プロセスの一つです。承認については、2025年第1四半期までに判断がなされる見込みです。
今回の申請は、第III相RUBY試験パート1の結果に基づいています。本試験では、ドスタルリマブと標準化学療法の併用投与を受けた全患者集団で、標準化学療法単独と比較して、主要評価項目である治験担当医師の評価による無増悪生存期間(progression-free survival:PFS)と全生存期間(overall survival:OS)において、統計学的に有意な延長効果が示されました。RUBY試験パート1は、全患者集団において統計学的に有意な生存期間延長効果を示した臨床試験です。RUBY試験の安全性および忍容性の解析により、ドスタルリマブとカルボプラチンおよびパクリタキセルを併用投与したときの安全性プロファイルが得られ、個々の薬剤の既知の安全性プロファイルと概ね一致していました。
OSデータは、2024年3月16日に米国婦人科腫瘍学会(SGO)の2024年女性がん年次総会(2024 SGO Annual Meeting on Women’s Cancer)において発表され、その後2024年6月9日にAnnals of Oncology誌へ掲載されました。Jemperliの米国での適応は、2024年8月に初発進行または再発の全ての成人子宮体がん患者さんに拡大されました。
子宮体がんについて
子宮体がんは、子宮内膜と呼ばれる子宮の内壁に発生するがんです。子宮体がんは先進国で最も多くみられる婦人科がんで1、病期を問わず子宮体がんとともに生きる人が160万人いると推定されています2。また世界では毎年約417,000件の新規症例が報告されており2、発生率は2020~2040年に約40%上昇すると予想されています3。欧州では、毎年約121,000人が初発進行または再発の子宮体がんと診断されると推定されています4。子宮体がんの患者さんのうち約15~20%が診断時に進行がんと診断され5、初発進行または再発の子宮体がんの患者さんのうち約70〜75%がMMRpまたはMSSを有する子宮体がんとされています6。
RUBY試験について
RUBY試験は、初発進行または再発の子宮体がんの785人の患者さんを対象とした国際共同無作為化二重盲検多施設共同第III相試験であり、2つのパートで構成されています。パート1では、ドスタルリマブをカルボプラチンおよびパクリタキセルと併用投与した後にドスタルリマブを投与した群を、プラセボをカルボプラチンおよびパクリタキセルと併用投与した後にプラセボを投与した群と比較評価しています。パート2では、ドスタルリマブをカルボプラチンおよびパクリタキセルと併用投与した後にドスタルリマブとニラパリブを併用投与した群を、プラセボをカルボプラチンおよびパクリタキセルと併用投与した後にプラセボを投与した群と比較評価しています。
パート1の主要評価項目は、PFS(治験担当医師が「固形がんの治療効果判定のための新ガイドライン(RECISTガイドライン)」v1.1に基づいて判定)とOSの2つです。統計解析計画書では、事前に規定したdMMRまたはMSI-Hを有する患者集団および全患者集団におけるPFS、ならびに全患者集団におけるOSの解析を含めていました。また、MMRpまたはMSSの患者集団におけるPFSおよびOS、ならびにdMMRまたはMSI-Hを有する患者集団におけるOSについても事前に規定した探索的解析を実施しました。RUBY試験パート1では、臨床試験から除外されることが多い組織型も含め幅広い集団を対象とし、約10%をがん肉腫、20%を漿液性がんが占めていました。
パート2の主要評価項目として、治験担当医師の評価によるPFSとし、全患者集団の次にMMRpまたはMSSを有する集団の順番で評価することとしました。また全患者集団のOSを主要な副次的評価項目としました。またパート1およびパート2の副次的評価項目は、PFS(盲検下独立中央判定による)、PFS2、全奏効率、奏効期間、疾患コントロール率、患者さんの報告によるアウトカム、安全性および忍容性としました。
RUBY試験は、欧州婦人科腫瘍学会(ESGO)の研究ネットワークであり、欧州31カ国、22の臨床試験グループが共同で試験を実施している欧州婦人科腫瘍治験ネットワーク(ENGOT)および婦人科腫瘍領域の標準治療の変革を目的とする非営利組織であるGOG財団との国際共同試験の一環として実施しています。
Jemperli(ドスタルリマブ)について
Jemperliはプログラム細胞死1(programmed death receptor-1、以下PD-1)受容体阻害薬であり、GSKが現在実施中の腫瘍免疫領域の研究開発プログラムにおいて中核に据えられています。臨床試験プログラムとして、婦人科がん、大腸がん、肺がんを対象にJemperliの単剤療法や他の治療との併用投与を検討する試験などを行っており、これらの試験から革新的な結果が生まれる可能性を秘めています。
米国では、Jemperliをカルボプラチンおよびパクリタキセルと併用療法に続くJemperliの単剤療法が、MMRpまたはMSSならびにdMMRまたはMSI-Hを有するがん患者さんを含む初発進行または再発の成人子宮体がん患者さんの治療に適応となっています。また、Jemperliは、米国FDAの承認を受けた検査においてdMMRと判定された再発または進行の子宮体がんの成人患者さんで、プラチナ製剤を含むレジメンでの治療中または治療後に進行が認められ、根治手術または放射線療法の対象とならない患者さんへの治療として承認されています。さらに米国では、FDAが承認した検査でdMMRと判定された再発または進行固形がん患者さんのうち、前治療中または治療後に進行が認められ、十分な代替治療がない患者さんに対してもJemperliが適応とされています。本適応は、腫瘍縮小効果が認められた患者さんの割合および効果の持続性を根拠として、米国で迅速承認されました。検証的試験で臨床上の有効性を実証することができれば、固形がんに対する本適応の承認が継続されます。
JemperliはAnaptysBio社で開発され、2014年3月に署名された共同独占的ライセンス契約によりTESARO, Inc.社が権利を有しています。上記契約に基づきGSKは、JemperliおよびTIM-3拮抗薬であるcobolimab(GSK4069889)に関し、進行中の研究、開発、商品化、製造に責任を負っています。
GSKのオンコロジー領域における取り組み
GSKは新たな治療領域としてオンコロジー領域に注力しており、がん免疫療法および腫瘍細胞標的療法の画期的な治療法の開発を通じて、血液悪性腫瘍、婦人科がん、その他固形腫瘍領域を中心に、患者さんの予後改善に向けて取り組んでいます。
グラクソ・スミスクライン(GSK)について
GSKは、サイエンス、テクノロジー、人財を結集し、力を合わせて病に先手を打つことを存在意義とするバイオ医薬品のグローバルリーダーです。詳細情報はhttps://jp.gsk.com/をご参照ください。
1 Faizan U, Muppidi V. Uterine Cancer. [Updated 2022 Sep 5]. In: StatPearls [Internet]. Treasure Island (FL): StatPearls Publishing; 2022 Jan. Available at: www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK562313/.
2 Sung H, Ferlay J, Siegel R, et al. Global Cancer Statistics 2020: GLOBOCAN Estimates of Incidence and Mortality Worldwide for 36 Cancers in 185 Countries. CA Cancer J Clin. 2021;71(3):209-249. doi:10.3322/caac.21660.
3 International Research on Cancer. Global Cancer Observatory. Cancer Tomorrow. Gco.iarc.fr/tomorrow/en/dataviz/. Accessed 04 October 2024.
4 Concin N, Matias-Guiu X, Vergote I, et al ESGO/ESTRO/ESP guidelines for the management of patients with endometrial carcinoma International Journal of Gynecologic Cancer 2021;31:12-39.
5 CMP: CancerMPact® Patient Metrics Mar-2023, Cerner Enviza. Available at www.cancermpact.com. Accessed 04 October 2024.
6 Based on CMP:CancerMPact® [Patient Metrics], Cerner Enviza. Available from www.cancermpact.com. Accessed 04 October 2024.