帯状疱疹ワクチン「シングリックス筋注用」の定期接種化に関するグラクソ・スミスクライン株式会社のステートメント
グラクソ・スミスクライン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:ポール・リレット、以下GSK)は、本日開催された第65回厚生科学審議会(予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会)において、帯状疱疹ワクチン「シングリックス筋注用(乾燥組換え帯状疱疹ワクチン、以下、シングリックス)」が2025年4月1日より定期接種として使用可能になることが了承されたことを受け、下記の通り、ステートメントを発表します。
本日開催されました第65回厚生科学審議会(予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会)において、帯状疱疹を予防接種法のB類疾病に位置づけ、帯状疱疹ワクチン「シングリックス」が、2025年4月1日より、定期接種として下記を対象者に使用可能になることが了承されました1。
定期接種の対象者 (政令) |
・65歳の者 |
* 経過措置を行う場合、100歳以上の者については、定期接種開始初年度に限り全員を対象とする |
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(省令) |
・予防接種法施行規則においては、「ヒト免疫不全ウイルスにより免疫の機能に日常生活がほとんど不可能な程度の障害を有する者」と規定 |
日本人成人の90%以上は、帯状疱疹の原因となるウイルスがすでに体内に潜んでいる可能性があり、50歳を過ぎると帯状疱疹の発症が増え始め、80歳までに約3人に1人が帯状疱疹を発症するといわれています2。また、高血圧・糖尿病・リウマチ・腎不全といった基礎疾患がある方は、帯状疱疹の発症リスクが高くなるという報告もあります。例えば、帯状疱疹の発症に関連があると報告された17疾患のある患者さんを対象にした調査では、高血圧の患者さんは、高血圧がなかった患者さんと比較して帯状疱疹を発症するリスクが約1.9倍、糖尿病の患者さんは、糖尿病がなかった患者さんと比較して約2.4倍というデータが報告されています3。
高齢化が加速する日本において、疾患予防と健康増進を通じた健康寿命の延伸は重要政策のひとつです。より多くの方々を帯状疱疹から守るためには、一人でも多くの方々にワクチンをお届けする必要があり、そのためには、国の定期接種化による接種費用の一部公費負担は重要な役割を担うと考えます。
このたびの厚生科学審議会の了承は、さらに多くの方々が帯状疱疹のリスクから守られることに寄与する大きな一歩です。引き続き、関係者皆様と協働し、ワクチンを必要とする皆様にお届けできるよう取り組んでまいります。
以上
帯状疱疹予防ワクチン「シングリックス」について
シングリックス(乾燥組換え帯状疱疹ワクチン)は、帯状疱疹の予防を目的とした世界で初めての遺伝子組換え型のサブユニットワクチンで、現在50カ国以上で販売されています。日本において、シングリックスは50歳以上を対象として(2018年3月23日)、および、帯状疱疹の発症リスクが高いと考えられる18歳以上を対象として(2023年6月26日)承認を取得しました。
シングリックスは、生ワクチンではない遺伝子組換えサブユニットワクチンで、50歳以上の成人の帯状疱疹の予防を適応としています。シングリックスは、抗原である糖タンパクE(gE)およびAS01Bというアジュバントシステムを組み合わせたものであり、帯状疱疹の発症リスクである加齢に伴う自然な免疫低下に寄与する可能性があります4,5。なお、水痘の一次感染(水ぼうそう)の予防効能は有していません。
帯状疱疹予防ワクチンの公費助成について
全国の地方自治体による公費助成は、730以上の自治体で実施されています。そのうち約96%の自治体で、50歳以上が対象です。助成状況は自治体や年度によって異なります。(GSK調べ2024年12月時点)
グラクソ・スミスクライン(GSK)について
GSKは、サイエンス、テクノロジー、人財を結集し、力を合わせて病に先手を打つことを存在意義とするバイオ医薬品のグローバルリーダーです。GSKは、免疫学、遺伝学、先端テクノロジーを駆使し、感染症、免疫・呼吸器疾患、オンコロジーをはじめとする疾患領域の研究開発に注力しています。そして、ワクチン、スペシャリティ医薬品、ジェネラル医薬品を通じて、病気の予防と治療に貢献します。詳細情報はhttps://jp.gsk.comをご参照ください。
1 厚生労働省 厚生科学審議会(予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会) https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-kousei_127714.html. (アクセス2024年12月18日)
(今後、閣議決定などを経て、予防接種法施行令及び予防接種法施行規則並びに同実施規則の改正が公布・施行される)
2 Shiraki K. et al.: Open Forum Infect Dis. 4(1), ofx007, 2017.
3 Hata A. et al.: Infection. 39(6), 537-544, 2011.
(本調査では、2001~2007年に日本の単一施設での電子カルテの記録から、帯状疱疹の発症に関連があると報告された17疾患(脳腫瘍、肺がん、乳がん、食道がん、胃がん、大腸がん、婦人科がん、悪性リンパ腫、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、シェーグレン症候群、糖尿病、高血圧、腎不全、椎間板ヘルニア、白内障、うつ病)の患者さん(帯状疱疹発症769例および帯状疱疹非発症54,723例)を対象に、それぞれの疾患がある場合の帯状疱疹の発症のリスクをその疾患がない方と比較した。例えば、「高血圧がない」とは、17疾患のうち高血圧の疾患はなかったが、いずれかの疾患があった方を指す。)
4 Cunningham, AL, et al. Efficacy of the Herpes Zoster Subunit Vaccine in Adults 70 Years of Age or Older. New England Journal of Medicine. 2016;375(11):1019-32.
5 The GSK proprietary AS01 adjuvant system contains QS-21 Stimulon adjuvant licensed from Antigenics LLC, a wholly owned subsidiary of Agenus Inc. (NASDAQ: AGEN), MPL and liposomes.