GSK、原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症(持続的な強いかゆみ)の患者さんを対象としたリネリキシバットの第III相試験における良好な結果を発表
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24週間の投与期間にわたり、リネリキシバット投与群ではプラセボ群と比較して統計学的に有意なそう痒の改善がみられ、主要評価項目を達成
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リネリキシバットは、原発性胆汁性胆管炎(PBC)におけるそう痒症の治療を適応とする世界初の治療薬となる可能性
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PBCは肝不全に至る可能性がある自己免疫性疾患であり、胆汁うっ滞性そう痒症はPBCの最も一般的な症状の1つ
この資料は、英国GSK plcが2024年11月19日に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先されます。詳細は https://www.gsk.com/をご参照ください。
GSK(本社:英国)は、まれな自己免疫性肝疾患である原発性胆汁性胆管炎(primary biliary cholangitis、以下PBC)に関連する胆汁うっ滞性そう痒症(持続的な強いかゆみ)を有する成人患者さんを対象に、回腸胆汁酸トランスポーター(ileal bile acid transporter:IBAT)を標的とした治験段階の阻害薬であるリネリキシバットを評価した進行中の国際共同第III相試験GLISTENにおいて良好な結果が得られたことを発表しました。
GLISTEN試験では、主要評価項目である24週間にわたる月間かゆみスコアのベースラインからの変化量において、リネリキシバットはプラセボと比較して統計学的に有意な改善を示したことから、リネリキシバットのそう痒の改善効果が示され、主要評価項目が達成されました。本試験では、中等度から重度のそう痒症を有するPBC患者さんのうち、ガイドラインで推奨されているそう痒症治療を安定した用量で受けている方、そう痒症未治療の方、又は過去にそう痒症治療を受けたことがある方を登録しました。予備的な安全性評価結果は、リネリキシバットの過去の試験で認められた結果とおおむね一致していました。現在、これらのデータの更なる解析を進めています。
GSKのシニアバイスプレジデントおよび呼吸器・免疫部門のR&Dグローバルヘッドであるカイヴァン・カヴァンディ(Kaivan Khavandi)は、次のように述べています。
「リネリキシバットは、PBCにおけるそう痒症の治療を特異的にターゲットとして開発された世界初の治療薬となる可能性を有しています。今回得られた良好なデータは、リネリキシバットが持続的なかゆみによって生活の質がさまざまな形で著しく影響を受ける患者さんをサポートする重要な役割を果たす可能性があることを示しています。」
PBCと診断された患者さんの人数は、2030年までに世界で51万人に達し、そのうち24万人以上が治療を必要とする持続的な強いかゆみを経験すると考えられ、ここに重大なアンメットニーズがあります1,2,3,4。現在の世界のガイドラインでは、胆汁うっ滞性そう痒症に対する既存治療薬は、そう痒症に対する効果のエビデンスが限定的である、忍容性が低い等の理由から、十分ではないとされています5,6。胆管の希少疾患であるPBCは、主に女性に好発し、治療しなければ肝障害や肝不全を引き起こす可能性があります。PBCの最も一般的な症状の一つが持続的な強いかゆみ、又は皮膚を何かが這うような感覚であり、夜間のかゆみによってもう一つの一般的な症状である疲労感がしばしば悪化することがあります。現在、PBCの根治的治療法は確立されていません。
PBC患者団体会長のキャロル・ロバーツ(Carol Roberts)氏は次のように述べています。
「PBC患者さんの多くで見られるかゆみは、持続的な強いかゆみであり、しばしば重度な症状であるにも関わらず、見過ごされたり無視されたりすることも少なくありません。かゆみはPBC患者さんの生活の質と精神的健康に重大な影響を及ぼします。そう痒症の根本原因にアプローチする新たな治療選択肢の可能性は、PBC患者さんのアンメットニーズに応えるものになると考えます。」
GLISTEN試験の詳細な結果は、今後の学術集会にて発表される予定です。リネリキシバットは現在、世界のどの国・地域でも承認されておらず、米国とEUで希少疾病用医薬品に指定されています。
原発性胆汁性胆管炎における胆汁うっ滞性そう痒症について
PBCは胆汁うっ滞性肝疾患であり、肝臓からの胆汁の流れが障害を受けた結果、循環血中に過剰な胆汁酸が生じ、胆汁うっ滞性そう痒症(皮膚を掻いても軽減しない体内のかゆみ)を引き起こすと考えられています。そう痒症はPBCの病期を問わず発現する可能性があり、PBC患者さんの最大90%が経験します4。PBCに対する一次治療は、約70%の患者さんで疾患自体の進展抑制が得られるものの、そう痒の重症度や生活への影響を軽減することはありません7。胆汁うっ滞性そう痒症は患者さんを衰弱させる重大や影響を及ぼす疾患であり、睡眠障害、疲労、生活の質の低下をもたらすのみならず、肝不全がなくとも肝移植が必要になる場合もあります4。
リネリキシバット(GSK2330672)について
リネリキシバットは回腸胆汁酸トランスポーター(IBAT)の阻害剤であり、PBCというまれな自己免疫性肝疾患でみられる胆汁うっ滞性そう痒症(かゆみ)を治療できる可能性がある経口薬として開発されています。リネリキシバットは、胆汁酸の再吸収を阻害することにより、胆汁うっ滞性そう痒症の根本原因に対処することを目的としています。米国食品医薬品局と欧州医薬品庁はリネリキシバットを、PBCに伴う胆汁うっ滞性そう痒症の治療を適応とした希少疾病用医薬品に指定しています。
GLISTEN試験について
GLISTEN試験は、胆汁うっ滞性そう痒症を有するPBC患者さんを対象として実施中の第III相ランダム化二重盲検プラセボ対照比較試験です(NCT04950127、GSK試験番号212620)。主要な解析では、リネリキシバットの有効性(睡眠への影響を含む)および安全性をプラセボと比較して評価しました。中等度から重度のそう痒症を有する被験者が登録されました。本試験では複数の投与群を設定しており、被験者はリネリキシバットまたはプラセボの投与を受けるとともに、試験の途中で投与群が変わる場合もあります。主要評価項目及び副次評価項目として、数値評価スケール(Numerical Rating Scale:NRS)を用いた最大のかゆみ及びかゆみに関連した睡眠障害の評価、及びPBC-40質問票を用いた生活の質の評価を実施しました。試験中はガイドラインで推奨されているそう痒症治療を安定した用量で継続することが許容されました。本試験は現在、少数の被験者が探索的評価のパートを継続中です。
GSKについて
GSKは、サイエンス、テクノロジー、人財を結集し、力を合わせて病に先手を打つことを存在意義とするバイオ医薬品のグローバルリーダーです。詳細情報はhttps://jp.gsk.com/をご参照ください。
1 Lu M et al. Clin Gastroenterol Hepatol.2018 Aug;16(8):1342-1350
2 Sebode M et al. Z Gastroenterol.2020 May;58(5):431-438
3 Tanaka A et al. Hepatol Res.2019 Aug;49(8):881-889
4 Gungabissoon U, et al..BMJ Open Gastroenterol 2024; 11(1)
5 Hegade VS, et al. Clin Gastroenterol Hepatol.2019 Jun;17(7):1379-1387
6 Mayo MJ et al. Dig Dis Sci.2023 Mar;68(3):995-1005
7 Carbone M, et al. Lancet Gastroenterol Hepatol.2018 Jul 13;3(9):626-634