GSK、2024年第3四半期業績発表 研究開発が好調に進展、2024年見通しの達成に向けて引き続き順調に推移
この資料は、英国GSK plcが2024年10月30日に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先されます。詳細は https://www.gsk.comをご参照ください。
2024年第3四半期は、スペシャリティ医薬品の良好なパフォーマンスとコア利益の伸びが、ワクチンの売上減少を相殺
- 2024年第3四半期売上高は80億ポンドで、AERで2%減、CERで2%増
- ワクチンの売上高は15%減。シングリックスで7%減、アレックスビーで72%減(ACIPガイダンスの変更、米国のCOVIDワクチン優先化、アレックスビーの2023年第3四半期の上市から1年経っていることを反映)
- スペシャリティ医薬品の売上高が19%増、HIV関連が12%増、オンコロジー関連が94%増、呼吸器・免疫関連およびその他が14%増
- ジェネラル医薬品売上高7%増、テリルジーは16%増
- ザンタックの訴訟和解金として18億ポンド(23億ドル)の費用が発生したため、営業利益86%減、1株当たり利益100%減
- スペシャリティ医薬品の好調な業績と効果的なコスト管理を反映し、コア営業利益は5%増、コア1株当たり利益は5%増
- 当四半期の営業活動によるキャッシュは25億ポンド、フリーキャッシュフローは13億ポンド
(財務業績-特に明記しない限り、2024年第3四半期業績の成長率に関するコメントはCERベースであり、その定義は英語版プレスリリース52ページに記載)
Q3 2024 | 年累計 | |||||
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£m | %AER | %CER | £m | %AER | %CER | |
売上高 | 8,012 | (2) | 2 | 23,259 | 4 | 8 |
COVID-19ソリューションを除く売上高 | 8,012 | (2) | 2 | 23,258 | 5 | 9 |
営業利益 | 189 | (90) | (86) | 3,325 | (46) | (41) |
営業利益率(%) | 2.4% | (21.6ポイント) | (20.6ポイント) | 14.3% | (13.4ポイント) | (12.5ポイント) |
1株当たり利益 | (1.4p) | >(100) | (100) | 53.0p | (53) | (48) |
コア営業利益 | 2,761 | - | 5 | 7,717 | 10 | 16 |
コア営業利益率(%) | 34.5% | 0.4ポイント | 1.0ポイント | 33.2% | 1.6ポイント | 2.2ポイント |
コア1株当たり利益 | 49.7p | (1) | 5 | 136.2p | 8 | 14 |
営業活動によるキャッシュ | 2,499 | - | 5,275 | 19 |
主な疾患領域のいずれにおいても研究開発が進展し、成長予測が強化される:
- 感染症:EUでRSウイルスによる感染症のリスクが高い50~59歳の成人に対してアレックスビーの承認を取得。RSウイルス流行期3シーズンにわたる予防効果を示す新規データ、単純性尿路感染症(UTI)を対象としたゲポチダシンの承認申請を米国FDAが受理。ベピロビルセンが日本でB型肝炎ウイルス持続感染に対する先駆的医薬品に指定
- HIV:HIV曝露前予防(PrEP)を適応として承認された唯一の長時間作用型注射剤であるApretudeにおいて、99%の有効性がリアルワールド試験で明らかに
- 呼吸器・免疫:超長時間作用型生物学的製剤デペモキマブの第III相臨床試験ANCHOR試験(鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎)の良好な結果とSWIFT-1、2試験(重症喘息)の全結果を根拠として重症喘息と鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎の2つの適応症で年末までに承認申請、2025年に販売を予定。COPDを対象としたヌーカラの第III相臨床試験MATINEE試験において良好な速報結果を発表。ヌーカラが鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎に対して日本で承認を取得
- オンコロジー:子宮内膜がんを適応とするJemperliに対し米国FDAが承認を拡大。ベランタマブ マホドチンの承認申請を米国、EU、日本で提出し、中国ではブレークスルーセラピー指定を取得。小細胞肺がんに対するGSK5764227(B7-H3標的抗体-薬物結合体)が米国FDAよりブレークスルーセラピー指定を取得
2024年ガイダンスを確定:配当は、2024年第3四半期は15ペンス、2024年通年は60ペンスを予想:
- 2024年の売上高は7~9%増、コア営業利益は11~13%増、コア1株当たり利益は10~12%増。これまで発表した範囲のほぼ中央近辺の水準で分配されるものと予想
ガイダンスはすべてCERベース(COVID-19ソリューションを除く)
GSK最高経営責任者のエマ・ウォルムズリーは次のように述べています:
「今四半期も売上高とコア営業利益が伸長し、また研究開発の分野ではさらに良い進展が見られました。ワクチンの売上が減少しましたが、これを相殺するようにスペシャリティ医薬品の力強い成長がみられました。これは、オンコロジー領域とHIV領域で新製品の発売が成功したこと、そして現在のGSKのポートフォリオとパフォーマンスがレジリエンスを発揮できるように構築されてきたことを反映しています。当社のパイプラインは、継続的に強化されており、今年はこれまでの期間で11件の良好な第III相臨床試験結果を発表することができました。現時点で来年はグローバルで、5つの主要な新製品、すなわちベランタマブ マホドチン、デペモキマブ、ヌーカラの慢性閉塞性肺疾患(COPD)に対する適応追加、ゲポチダシン、新規髄膜炎球菌ワクチン候補(MenABCWY)の承認取得および発売に向けた計画を進めています。また、今四半期に米国におけるザンタック集団訴訟でおおむね和解できたことで、不確実性が排除され、将来に向けた活動に注力できるようになりました。以上まとめると、2024年のガイダンスの達成に向けて順調に進んでいるということであり、2026年、そしてその先の2031年への見通しについてさらに確信を深めています」
合計の業績結果は上記要約および英語版プレスリリース8ページに掲載されており、コア業績結果との調整は20、23ページに記載されています。コア業績結果は、IFRSに基づかない指標であり、IFRSに基づき提示されている情報に加えて検討する性質のものであり、それに代わるまたはそれより優れているものではありません。コア業績結果、£%、AER%成長率、CER%成長率、COVID-19ソリューション、COVID-19ソリューションを除く売上高、その他のIFRSに基づかない指標の定義は52ページに記載されています。GSKは、18ページに記載された理由に基づいて、コア業績結果のみをベースにガイダンスを示しています。将来の業績や配当金の支払に関するすべての見込、ガイダンスや目標は、54ページの「Guidance and outlooks, assumptions and cautionary statement」と併せて読む必要があります。
2024年ガイダンス
GSKは、通期の売上高、コア利益および1株当たり利益のガイダンスを恒常為替レート(CER)で示しており、これまで発表した範囲のほぼ中央近辺の水準による分配を予想しています。またすべてのガイダンス、予想、通年の成長率から、COVID-19ソリューションによる寄与を除外しています。
本四半期にはいくつかの厳しい要因があり、特にワクチンの需要が予想を下回ったり、競合が激しくなったりしましたが、GSKの四半期の売上高とコア利益はいずれもCERで増加しました。スペシャリティ医薬品は特にオンコロジー領域薬と長時間作用型HIV治療薬の新製品発売で成功したことを反映し引き続き力強く成長しました。テリルジーを含むジェネラル医薬品も予想を上回る実績を維持しました。
売上はCERで7~9%の範囲で増加すると予想されます。今年の主にアレックスビーおよびシングリックスの売上減少によるワクチンの売上減少は、スペシャリティ医薬品およびジェネラル医薬品の売上が向上することで相殺できると予想しています。アレックスビーの業績は、ガイドラインによる制限、米国におけるCOVIDワクチン接種の優先化、ワクチンの上市が目覚ましく成功した昨年との比較といった要因による影響を主に受けました。
ガイダンスはいずれもCOVID-19ソリューション分を除く | 更新後の2024年ガイダンス(CERベース) | 更新前の2024年ガイダンス(CERベース) |
売上高 | 7~9%の増加予想 | 7~9%の増加予想 |
コア営業利益 | 11~13%の増加予想 | 11~13%の増加予想 |
コア1株当たり利益 | 10~12%の増加予想 | 10~12%の増加予想 |
本ガイダンスは、CERベースでの以下の2024年通年売上の予想に基づいています。
いずれの売上分もCOVID-19ソリューション分を除く | 更新後の2024年ガイダンス(CERベース) | 更新前の2024年ガイダンス(CERベース) |
ワクチン | 一桁台前半の成長率低下(%)予想 | 一桁台前半~半ばの成長率(%)予想 |
スペシャリティ医薬品 | 10%台後半の成長率(%)予想 | 10%台半ば~後半の成長率(%)予想 |
ジェネラル医薬品 | 一桁台半ばの成長率(%)予想 | 一桁台前半~半ばの成長率(%)予想 |
コア営業利益については、2024年初頭よりガーダシルのロイヤリティの大部分がなくなることにより営業利益成長に6%ポイントの影響が見込まれますが、CERベースで11~13%増加と予想しています。また、効率的コスト管理による営業レバレッジとさらなる利益率改善により、販売および一般管理費は引き続き一桁台前半の増加になると予想されます。研究開発費の伸びは、売上の増加を若干下回る程度と予想しています。また、ロイヤリティ収入は通年で6億ポンドと予想しています。
コア1株当たり利益は、CERベースで10~12%増加すると予想されます。非支配株主持分は2023年から変わらないと予測しており、経済協力開発機構(OECD)の「第2の柱」のモデルの枠組みに沿った国際的な最低法人税率の新ルール(2024年1月1日より発効)の実施に伴い、コア実効税率が通年で約17%に上昇すると引き続き予想しています。
追加コメント
配当ポリシーについて
配当ポリシーおよび予定配当性向に変更はありません。これに伴い、当期の好調な業績を反映して、GSKは2024年第3四半期で15ペンス、2024年通年で60ペンスの1株当たり配当を予定しています。
COVID-19ソリューションについて
2024年を通して、GSKはCOVID-19パンデミック関連の追加の売上または営業利益は想定していません。このため、2023年と比較したときの通年の売上の成長に対し1%ポイント低下、コア営業利益に対し2%ポイント低下という影響があるものと予想しています。
為替レートについて
2024年9月30日時点の終値の為替レート(1.34ドル/1ポンド、1.20ユーロ/1ポンド、191円/1ポンド)が2024年末まで続くと仮定した場合、GSKの2024年の英ポンドベースの売上成長率への影響は-5%と推定され、為替差損益が2023年と同水準となる場合、GSKの2024年の英ポンドベースのコア営業利益成長への影響は-8%と推定されます。
プレスリリースの原文はhttps://www.gsk.com/media/11646/q3-2024-results-announcement.pdfをご参照ください。
GSKは、サイエンス、テクノロジー、人財を結集し、力を合わせて病に先手を打つことを存在意義とするバイオ医薬品のグローバルリーダーです。詳細情報はhttps://jp.gsk.comをご参照ください。