RSウイルス感染症や予防法について正しく理解いただくための取り組み、GSK、世界で初めての「RSウイルス感染症啓発週間」

  • 今年9月世界で初めてとなる「RSウイルス感染症啓発週間」

  • COPD財団、Global Allergy & Airways Patient Platform、国際高齢者団体連盟(IFA)と連携した世界的な取り組み

グラクソ・スミスクライン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:ポール・リレット、以下GSK)は、今年9月に世界で初めて「RSウイルス感染症啓発週間」を立ち上げ、RSウイルス感染症や予防法について、より正しく理解いただき、医師へ相談いただくきっかけとする取り組みを実施したことをお知らせします。本取り組みは、COPD財団(COPD Foundation)、Global Allergy & Airways Patient Platform(GAAPP)、国際高齢者団体連盟(International Federation on Ageing:IFA)と連携しています。

RSウイルスは、成人の呼吸器感染症の主要な原因であり、先進国では毎年60歳以上で500万人以上の感染、47万人以上の入院、約33,000人の院内死亡を引き起こすと推定されています1。しかし、当社の4カ国(フランス、カナダ、オーストラリア、ブラジル)の50歳以上(約3,500人)を対象としたオンライン意識調査によると、60%の回答者が、「RSウイルス感染症」について聞いたことがないことがわかりました2。基礎疾患のある50歳以上においても、56%で、同様の回答が得られました。RSウイルスやそのリスクは充分に認識されておらず、RSウイルス感染症の予防に役立つ知識を深める機会を逃している可能性が示唆されました。

また、日本ではRSウイルスは、約63,000人の入院と約4,500人の院内死亡を引き起こすと推定されています1。この国際調査結果と同様に、日本独自で実施している調査においても、RSウイルス感染症について、ある程度以上知っていると回答した人の割合は18%、自分にも感染することがあると回答した人の割合は27%、日常生活に大きな影響を与えると回答した人の割合は22%と、RSウイルス感染症に関する認知度の低さが示されています3。また、RSウイルスワクチンについて、ある程度以上知っていると回答した人の割合は10%で、インフルエンザワクチン(86%)、新型コロナワクチン(89%)、帯状疱疹ワクチン(54%)、肺炎球菌ワクチン(49%)と比べ、低いこともわかっています3

複数の慢性疾患の合併、生理機能低下、免疫系の老化などは、高齢者がインフルエンザ、新型コロナウイルス、RSウイルスなどの呼吸器感染症に罹患しやすくなる要因として報告されています4。冬はインフルエンザなどの呼吸器感染症の流行期であり、2021年以降ではRSウイルスの流行は夏に見られますが、これからの季節も発生動向にはさらなる注意が必要です5

そして、厚生労働省は、今年度から9月24~30日までの1週間を「結核・呼吸器感染症予防週間」とし、社会全体で感染対策に取り組むとしています。呼吸器感染症が例年流行する秋・冬前だからこそ、マスク着用を含む咳エチケット、手洗い・手指消毒、換気など基本的な感染対策を注意喚起しています6

GSK代表取締役社長のポール・リレットは次のように述べています。
「RSウイルスは50歳以上において呼吸器感染症の主な原因との報告がありますが、日本においても、RSウイルス感染症や予防についての認知は低いことが示されており、RSウイルス感染症の認知の向上と予防啓発は意義があると考えています。現在、成人のRSウイルス感染症の治療については対症療法のみです。インフルエンザや新型コロナウイルス感染症の流行の兆しも見られる中、この啓発週間が医師への相談のきっかけとなり、RSウイルスから高齢の方々を守るための一助になることを願っています。」

また、「RSウイルス感染症啓発週間」にあたり、米国の国際高齢者団体連盟のジェーン・バラット(Jane Barratt)は次のように述べています。
「今回の調査結果から、疾患負担を正しく理解するために、より多くの教育が必要であることがわかりました。公衆衛生上、RSウイルスの真の影響が過小評価されている可能性や、リスクのある人々が、呼吸器感染症の予防のために必要な学びの機会を逃している可能性があることを意味します。」

GSKのグローバル・メディカルリード(RSウイルス感染症)のヤン・セルジェリー(Yan Sergerie)は次のように述べています。
「世界の人口が高齢化するに伴い、RSウイルスの影響は今後数年間で増加する可能性が高いです7。RSウイルスの危険にさらされている多くの人々がRSウイルスについて認知しておらず、地域社会がRSウイルスを予防できるよう、疾患を知る機会や公衆衛生の検討が必要です。私たちは、この世界初となる『RSウイルス感染症啓発週間』が、RSウイルスが引き起こす重篤な疾患のリスクを減らす方法について、医師へ相談いただく機会になることを期待しています。」

RSウイルス感染症啓発週間(Global RSV Awareness Week)RSウイルス感染症啓発週間(Global RSV Awareness Week)について
GSKはCOPD 財団(COPD Foundation)、Global Allergy & Airways Patient Platform(GAAPP)、国際高齢者団体連盟(International Federation on Ageing:IFA)と連携し、2024年に世界で初めて「RSウイルス感染症啓発週間」(9月2日~9日)を立ち上げました。RSウイルス感染症啓発週間は、RSウイルスの感染リスクが高い方々に、RSウイルス感染症という疾患や予防法について、より正しく理解いただき、医師へ相談いただくきっかけとする取り組みです。

「60歳からのRSウイルス感染症予防啓発プロジェクト 〜あなたと大切な人を想うきっかけに〜」について
日本においてGSKでは、「60歳からのRSウイルス感染症予防啓発プロジェクト 〜あなたと大切な人を想うきっかけに〜」を2024年5月に開始し、基礎疾患をもつ方も含む60歳以上の高齢の方々へのRSウイルス感染症の予防啓発を目的としています。シンガー・ソングライターのさだまさしさんをアンバサダーに、TVなど各種媒体でのコンテンツ展開、さだまさしさんによるオリジナル楽曲「Believe」の制作・発表、市民公開講座の実施など多岐にわたる予防啓発活動に取り組んでいます。

RSウイルス.jp 二次元バーコードまた、RSウイルス感染症に関する理解を深めていただくために、一般の方々向けの疾患情報ウェブサイト「RSウイルス.jp」を開設しており、疾患の症状、治療や予防などの情報を提供しています。より多くの方々にご覧いただけるようコンテンツも継続的に拡充しています。動画ギャラリーでは、新たなコンテンツとして疾患啓発動画も公開しました。

RSウイルス感染症に関する詳しい情報は、「RSウイルス.jp」と検索、あるいは、URL(https://rsvirus.jp/)やこちらの二次元バーコードからアクセスし、ご覧ください。

RSウイルス(呼吸器合胞体ウイルス)について
RSウイルスは、肺などの呼吸器に影響を及ぼす一般的な感染性ウイルスです。特に、高齢者、慢性の基礎疾患(喘息、COPD、心疾患など)のある方、免疫機能が低下している方は、RSウイルス感染症の重症化リスクが高くなり、肺炎、入院、死亡などの重篤な転帰につながる可能性があります8,9,10,11。また、RSウイルス感染症は、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、心疾患などの基礎疾患の増悪の原因となることもあります8,12。先進国の60歳以上の成人において、RSウイルスは、毎年47万人以上の入院と約33,000人の院内死亡原因、日本では約63,000人の入院と約4,500人の院内死亡原因であると推定されます1

RSウイルス感染症に関する国際意識調査の概要について
本調査は、フランス(1,000人)、カナダ(1,000人)、オーストラリア(671人)、ブラジル(845人)の50歳以上の3,516人を対象としたオンライン調査で、GSKの委託・資金提供により、2024年6月に実施しました。RSウイルスやその他の呼吸器感染症に対する意識と態度、これらの疾患による生活への影響に関する認識を調査しました2

グラクソ・スミスクライン(GSK)について
GSKは、サイエンス、テクノロジー、人財を結集し、力を合わせて病に先手を打つことを存在意義とするバイオ医薬品のグローバルリーダーです。GSKは、免疫学、遺伝学、先端テクノロジーを駆使し、感染症、免疫・呼吸器疾患、オンコロジーをはじめとする疾患領域の研究開発に注力しています。そして、ワクチン、スペシャリティ医薬品、ジェネラル医薬品を通じて、病気の予防と治療に貢献します。詳細情報はhttps://jp.gsk.comをご参照ください。

 


1 Savic M, Penders Y, Shi T, Branche A, Pirçon JY. Respiratory syncytial virus disease burden in adults aged 60 years and older in high-income countries: A systematic literature review and meta-analysis. Influenza Other Respir Viruses. 2023;17(1):e13031. doi:10.1111/irv.1303.
2 GSK Data on File: 2024N557710_00_RSV Awareness Survey Results.
3 GSK「RSウイルス感染症と予防に関する日本人の意識調査」(日本人60歳以上男女6,262名対象のオンライン調査、2024年5月15日~5月17日実施)
4 Watson A,et al:Ther Adv Respir Dis 2021;15. DOI:10.1177/1753466621995050.
5 厚生労働省RSウイルス感染症Q&A(令和6年5月31日改訂) https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/rs_qa.html(アクセス 2024年8月)
6 厚生労働省 広報誌「厚生労働」2024年9月号 https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou_kouhou/kouhou_shuppan/magazine/202409_005.html (アクセス 2024年9月)
7 Franco Alfano et al: Respiratory Syncytial Virus Infection in Older Adults, Drugs & Aging (2024) 41:487–505.
8 Centers for Disease Control and Prevention (CDC), RSV in Older Adults and Adults with Chronic Medical Conditions, 2023.
9 Belongia EA et al: Open Forum Infect Dis 2018; 5(12), ofy316.
10 Branche AR et al. Incidence of Respiratory Syncytial Virus Infection Among Hospitalized Adults, 2017-2020, Clin Infect Dis 2022;74: 1004–1011.
11 Wyffels V et al: Adv Ther 2020; 37(3),1203-1217.
12 Ivey KS et al: J Am Coll Cardiol 2018; 71(14), 1574-1583.