GSK、中国Hansoh社とHS-20093に関する独占ライセンス契約を締結

この資料は、英国GSK plcが2023年12月20日に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先されます。
詳細はhttps://www.gsk.comをご参照ください。

<2023年12月20日 英国ロンドン発>

GSK、中国Hansoh社とHS-20093に関する独占ライセンス契約を締結

  • 婦人科がんを対象とするHS-20089に続き、Hansoh社のHS-20093により、GSKの臨床段階にある抗体薬物複合体オンコロジーポートフォリオを補強

  • HS-20093は肺がんに対する有望な初期の臨床効果を示し、より広範な固形がん適応におけるアンメットメディカルニーズに応える可能性

GSK(本社:英国)と中国のバイオ医薬品企業のHansoh Pharma社(以下、Hansoh社)は、臨床的に確立されたトポイソメラーゼ阻害薬(TOPOi)をペイロードとして用い、B7-H3を標的とした抗体薬物複合体(antibody-drug conjugate、以下ADC)であるHS-20093について、独占ライセンス契約を締結したことをお知らせします。Hansoh社は重篤な疾患や障害の克服に向け患者さんの生命に関わる医薬品の発見と開発に取り組む企業です。本契約に基づき、GSKは、全世界(中国本土、香港、マカオ、台湾を除く)におけるHS-20093の開発および商業化に関する独占的権利を取得します。

GSKのR&Dオンコロジー部門のグローバルヘッドでSVPのヘシャム・アブドラ(Hesham Abdullah)は次のように述べています。
「新たな治療選択肢に対する大きなニーズが存在する多種類の固形がんでB7-H3は過剰発現しており、HS-20093を新薬候補として複数の疾患に適応できると考えています。将来的には、当社で確立されたポートフォリオとの併用も期待しています。」

今回の契約締結により臨床段階にある2つ目のADCを取得したGSKは、様々な固形がんにおけるアンメットメディカルニーズに対応できる医薬品の開発に関する当社の能力や強みを補強することができます。HS-20093は現在開発中であり、第I相および第II相試験を中国で実施中です。進行性固形がんを対象としたHS-20093の第I相試験であるARTEMIS-001試験(NCT05276609)のデータが、2023年の米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会で発表され、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、および肉腫において複数の奏効例と管理可能な安全性プロファイルが得られ、初期の臨床効果が認められました1

Hansoh社の取締役であるEliza Sunは次のように述べています。
「B7-H3を標的とした新しい抗体薬物複合体であるHS-20093で、肺がんに対する臨床効果を示す有望な徴候がみられました。先にHS-20089のライセンスを提供したGSKとの間で新たなライセンス契約を締結することで、画期的な治療選択肢を世界中のがん患者さんにお届けするというHansoh社の目標達成に近づけることを嬉しく思っています。」

GSKは2024年に中国以外の地域でHS-20093の第I相試験を開始する予定です。

2023年10月にGSKとHansoh社は、B7-H4を標的とするADCであるHS-20089について契約を締結しています。本薬剤は、現在中国で第II相臨床試験が進行中です。HS-20089は、卵巣がんと子宮体がんにおいてベストインクラスの治療薬となる可能性があり、他の固形がんにおいても有望と考えられています。

契約条件
本契約の条件に基づき、GSKは1億8,500万ドルを前払いします。加えてHansoh社は、HS-20093に関するマイルストーン達成に応じて最大15億2,500万ドルを受け取ることができます。HS-20093の商業化により、GSKは、中国本土、香港、マカオ、台湾以外の世界各国で得られた正味売上高に対して段階的なロイヤリティを支払います。

本契約は、米国のハート・スコット・ロディノ法(Hart-Scott-Rodino Act)に基づく適切な規制当局の認可を得るなどの慣例的な事項を満たすことが条件となります。

HS-20093について
HS-20093は、B7-H3を標的とする新規の抗体薬物複合体(ADC)であり、完全ヒト化抗B7-H3モノクローナル抗体にトポイソメラーゼ阻害薬(TOPOi)をペイロードとして共有結合させたものです。HS-20093は開発段階にあり、肺がん、肉腫、頭頸部がん、およびその他の固形がんの治療を目的とした複数の第I相および第II相臨床試験が中国で行われています。

Hansoh Pharma社について
Hansoh社は、中国最大級のバイオ医薬品企業で、重篤な疾患や障害の克服に向け患者さんの生命に関わる医薬品の発見と開発に取り組んでいます。1995年に設立され、研究開発、製造、販売の各部門を一体化した体制にて、オンコロジー、中枢神経系疾患、代謝性疾患、感染症、自己免疫疾患など幅広い疾患領域で主導的な地位を築いています。

オンコロジー領域におけるGSK
GSKは革新的な医薬品を通じて患者さんの生存期間をできるだけ長くすることに取り組んでいます。がん免疫療法および腫瘍細胞標的療法、ならびに血液悪性腫瘍、婦人科がん、その他固形腫瘍領域に対する画期的な治療法の開発に注力しています。

グラクソ・スミスクライン(GSK)について
GSKは、サイエンス、テクノロジー、人財を結集し、力を合わせて病に先手を打つことを存在意義とするバイオ医薬品のグローバルリーダーです。詳細情報はhttps://jp.gsk.comをご参照ください。

 


1 Wang J, Xing L, Sun Y, Guo W, Wang H, Chen J, et al. ARTEMIS-001: phase 1 study of HS-20093, a B7-H3-targeting antibody-drug conjugate, in patients with advanced solid tumor. J Clin Oncol. 2023;41(16suppl):3017.