GSK、Blenrepについて、再発または難治性の多発性骨髄腫に対する標準治療との第III相直接比較試験であるDREAMM-7より得られた良好な結果を発表
この資料は、英国GSK plcが2023年11月27日に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先されます。
詳細はhttps://www.gsk.comをご参照ください。
<2023年11月27日 英国ロンドン発>
GSK、Blenrepについて、再発または難治性の多発性骨髄腫に対する標準治療との第III相直接比較試験であるDREAMM-7より得られた良好な結果を発表
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Blenrep(ベランタマブ マホドチン)とBorDex(ボルテゾミブおよびデキサメタゾン)の併用により、ダラツムマブとBorDexの併用と比較して統計学的に有意な無増悪生存期間(PFS)の延長効果が示される
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独立データモニタリング委員会(IDMC)の勧告に基づき、本試験は早期に盲検解除の予定
GSK(本社:英国)は、再発または難治性の多発性骨髄腫に対する二次治療としてベランタマブ マホドチンを評価する第III相直接比較試験であるDREAMM-7において、予定されていた中間解析の結果が良好であったことを発表しました。本試験では、無増悪生存期間(progression-free survival 、以下PFS)の主要評価項目が達成され、ベランタマブ マホドチンとBorDex(ボルテゾミブおよびデキサメタゾン)の併用療法は、再発または難治性の多発性骨髄腫の標準治療であるダラツムマブとBorDexの併用療法と比較して、病勢進行および死亡までの期間を有意に延長しました。さらに、本解析の時点で、全生存期間(overall survival、以下OS)についても、良好かつ臨床的に意義がある延長傾向(名目上のp値が0.0005未満)が認められました。現在、本試験ではOSの追跡調査を継続しています。
GSKのR&Dオンコロジー部門のグローバルヘッドでSVPのヘシャム・アブドラ(Hesham Abdullah)は次のように述べています。
「多発性骨髄腫の初回再発時の治療選択肢として、有効性が高く、容易にアクセス可能で、新たな作用機序を有する薬剤が求められています。ダラツムマブを用いた標準治療との直接比較により、ベランタマブ マホドチンとBorDexとの併用療法が、再発または難治性の多発性骨髄腫における高いアンメットニーズに応えられる可能性があることが明らかになったことは、極めて勇気づけられる結果です。」
本試験でみられたベランタマブ マホドチン併用療法の安全性および忍容性は、各薬剤の既知の安全性プロファイルと一致するものでした。
中間解析の結果は近々学会で発表し、また規制当局と共有する予定です。
ベランタマブ マホドチンの臨床開発プログラム(DRiving Excellence in Approaches to Multiple Myeloma、以下DREAMM)では、ベランタマブ マホドチンを多発性骨髄腫の早期ラインの治療に用いたときの評価や、同剤を新規治療や標準治療と併用した際の評価を引き続き行っていきます。このような評価の一環として、ポマリドミドおよびデキサメタゾンと併用した条件でベランタマブ マホドチンとボルテゾミブを直接比較する第III相試験であるDREAMM-8試験が進行中です。DREAMM-8試験のデータは、2024年下半期に明らかになる予定です。
DREAMM-7試験について
DREAMM-7試験は、1ライン以上の多発性骨髄腫治療歴を有し、直近の治療中または治療後に病勢進行が確認された再発または難治性の多発性骨髄腫患者さんを対象に、ベランタマブ マホドチンとBorDexとの併用療法と、ダラツムマブとBorDexとの併用療法とで有効性および安全性を比較する第III相多施設共同無作為化非盲検試験です。
本試験では、合計494例の患者さんを、ベランタマブ マホドチンとBorDexの併用療法、またはダラツムマブとBorDexの併用療法に1:1の比率で無作為に割り付けました。また、多発性骨髄腫の治療歴が1ライン以上あり、直近の治療中または治療後に病勢進行が確認された患者さんを対象とし、ベランタマブ マホドチンについては2.5mg/kgの用量で3週間ごとに静脈内に投与しました。
主要評価項目は、独立効果判定委員会の評価による無増悪生存期間とし、主な副次評価項目は、全生存期間、奏効期間、微小残存病変の陰性達成率(次世代シークエンシングにより評価)としました。
多発性骨髄腫について
多発性骨髄腫は、世界で3番目に多い血液のがんで、一般的に治療可能であるものの治癒困難な疾患と考えられています1,2。世界で毎年約176,000人の患者さんが新たに多発性骨髄腫と診断されています3。多発性骨髄腫は、利用可能な治療に対し治療抵抗性となってしまうことが多いため、新しい治療法の開発が求められています4。
Blenrepについて
Blenrepは、非切断型のリンカーを介して、ヒト化抗BCMAモノクローナル抗体に細胞傷害性薬剤であるアウリスタチンFを結合させた抗体薬物複合体です。薬剤リンカー技術はSeagen社からライセンス供与されています。また、モノクローナル抗体は、協和キリングループのBioWa社からライセンス供与を受けたPOTELLIGENT技術を用いて製造しています。
オンコロジー領域におけるGSK
GSKは革新的な医薬品を通じて患者さんの生存期間をできるだけ長くすることに取り組んでいます。がん免疫療法および腫瘍細胞標的療法、ならびに血液悪性腫瘍、婦人科がん、その他固形腫瘍領域に対する画期的な治療法の開発に注力しています。
グラクソ・スミスクライン(GSK)について
GSKは、サイエンス、テクノロジー、人財を結集し、力を合わせて病に先手を打つことを存在意義とするバイオ医薬品のグローバルリーダーです。詳細情報はhttps://jp.gsk.comをご参照ください。
1. Sung H, Ferlay J, Siegel R, et al. Global Cancer Statistics 2020: GLOBOCAN Estimates of Incidence and Mortality Worldwide for 36 Cancers in 185 Countries. CA Cancer J Clin. 2021;71(3):209-249. doi:10.3322/caac.21660.
2. Kazandjian D. Multiple myeloma epidemiology and survival: A unique malignancy. Semin Oncol. 2016;43(6):676-681. doi:10.1053/j.seminoncol.2016.11.004.
3. Multiple Myeloma. World Health Organization International Agency for Research on Cancer. https://gco.iarc.fr/today/data/factsheets/cancers/35-Multiple-myeloma-fact-sheet.pdf.
4. Nooka AK, Kastritis E, Dimopoulos MA. Treatment options for relapsed and refractory multiple myeloma. Blood. 2015;125(20).