GSK、貧血を伴う骨髄線維症患者さんを対象とした初の治療薬、モメロチニブ(Ojjaara)が米国FDAより承認を取得
この資料は、英国GSK plcが2023年9月15日に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先されます。
詳細はhttps://www.gsk.comをご参照ください。
<2023年9月15日 英国ロンドン発>
GSK、貧血を伴う骨髄線維症患者さんを対象とした初の治療薬、モメロチニブ(Ojjaara)が米国FDAより承認を取得
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骨髄線維症の前治療歴の有無にかかわらず、貧血を伴う骨髄線維症患者さんを対象とする治療薬として承認取得
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骨髄線維症患者さんのほぼすべてが罹患期間中に貧血を発症すると推定され、そのうち30%以上が貧血のため治療を中止1,2,3
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モメロチニブは、骨髄線維症の主な症状である貧血、全身症状、脾腫を改善
GSK(本社:英国)は、原発性骨髄線維症および二次性骨髄線維症(真性多血症または本態性血小板血症に続発)を含む中間または高リスクの貧血を伴う成人の患者さんを対象とする骨髄線維症の治療薬、モメロチニブ(米国の製品名:Ojjaara)について、米国食品医薬品局(FDA)の承認を取得したことをお知らせします。モメロチニブは、ヤヌスキナーゼ(JAK)1、JAK2に加え、アクチビンA受容体1型(ACVR1)を阻害する1日1回投与の経口薬です。骨髄線維症に対し、前治療歴の有無にかかわらず、貧血を伴う骨髄線維症の患者さんを対象として承認された唯一の薬剤で、骨髄線維症の主な症状である貧血、全身症状、脾腫(脾臓の肥大)を改善します4。
GSKのオンコロジー・グローバル・プロダクト・ストラテジー部門シニアプレジデントのニナ・モージャス(Nina Mojas)は次のように述べています。
「骨髄線維症患者さんの多くは最終的に貧血を発症し、その結果、治療を中止して輸血を必要とします。このような高いアンメット・ニーズの領域においてGSKのがん治療のポートフォリオにモメロチニブを加えることが地域社会の重要な医療ニーズを満たすことにつながり、治療困難な血液がんである骨髄線維症の予後改善に寄与できると期待しています。」
血液がんのひとつである骨髄線維症は、米国に約25,000人の患者さんがいます5。骨髄線維症は、貧血や血小板減少症などの重度の血球減少、倦怠感、寝汗、骨の痛みなどの全身症状や脾腫を引き起こすことがあります。患者さんの約40%では、診断時に中等度から重度の貧血が認められ、ほぼすべての患者さんが貧血を発症すると推定されています6,7,8,9。一方で、貧血を伴う骨髄線維症患者さんの治療選択肢は限られていました。このような患者さんの多くは輸血を必要とし、30%以上の患者さんが貧血のため治療を中止しています3。輸血依存の患者さんの予後は不良であり、生存期間が短縮されることが示されています1,10,11,12,13,14,15,16,17。
Atrium Health Levine Cancer Centerのプレジデントで、Atrium Health Wake Forest Baptist Comprehensive Cancer Centerのエグゼクティブ・ディレクターである米国内科学会上級会員(FACP)のルベン・A・メサ医師(Ruben A. Mesa)は次のように述べています。
「モメロチニブにより、貧血を伴う骨髄線維症患者さんに新たな標準治療を確立できる可能性があります。貧血を伴う骨髄線維症の患者さんは、貧血、全身症状、脾腫といった骨髄線維症の主な症状を治療するための選択肢が限られています。このような主要な症状に対する対処は治療法に大きな違いをもたらします。」
このたびのFDAによるモメロチニブの承認は、ピボタル試験であるMOMENTUM試験と、第III相試験であるSIMPLIFY-1試験の貧血を有する成人の患者さんからなる部分集団より得られたデータに基づいています。
MOMENTUM試験は、JAK阻害薬の治療歴があり、症状および貧血を有する骨髄線維症患者さんを対象に、治療および主たる症状の軽減を目的として、モメロチニブの安全性および有効性をダナゾールと比較評価した試験です。本試験では、全身症状の改善、脾臓の縮小、および輸血非依存割合に関して、主要評価項目および主要な副次評価項目をすべて達成しました2。またSIMPLIFY-1試験は、JAK阻害薬による治療歴のない骨髄線維症患者さんを対象として、モメロチニブの有効性および安全性をルキソリチニブと比較評価した試験です1。SIMPLIFY-1試験の安全性および有効性は、貧血を伴う患者集団において認められました。
これらの臨床試験で認められた有害事象の多くは、血小板減少症、出血、細菌感染、疲労、浮動性めまい、下痢、悪心でした18。
骨髄増殖性腫瘍(MPN:Myeloproliferative Neoplasms)研究基金のチーフ・エグゼクティブ・オフィサーであるカピラ・ビゲス(Kapila Viges)は次のように述べています。
「骨髄線維症の管理に役立つ新たな選択肢として、モメロチニブが患者さんと医療従事者に提供されることを嬉しく思います。この複雑で慢性的な経過をたどる血液がんの謎を解明する一歩として、この新たな治療薬はこの分野において大きな進歩であるといえます。」
モメロチニブは、現在、米国以外の国では承認されていません。
モメロチニブ(米国での製品名:Ojjaara)について
モメロチニブは、ヤヌスキナーゼ(JAK)1、JAK2の阻害に加え、アクチビンA受容体1型(ACVR1)阻害という3つ目の新規のシグナル伝達経路を阻害する独自の作用機序を有しています2,19,20,21。JAK1およびJAK2を阻害することで、全身症状や脾腫を改善できる可能性があり19,21、さらにACVR1を阻害することにより、骨髄線維症で増加し貧血の要因となるヘプシジンを減少させます2,19,20,21。
骨髄線維症について
骨髄線維症は、JAK-STATシグナル伝達の調節異常に起因するまれな血液がんであり、全身症状、脾腫および進行性貧血を特徴とします。骨髄線維症の患者数は米国で約25,000人とされています5。
MOMENTUM試験について
MOMENTUM試験は、JAK阻害薬の治療歴があり、症状および貧血を有する骨髄線維症患者さんを対象に、モメロチニブとダナゾールを比較した第III相国際多施設共同無作為化二重盲検試験です。本試験は、骨髄線維症の主要な特徴である全身症状、輸血(貧血による)、脾腫の治療および軽減を目的として投与したモメロチニブの安全性と有効性を評価することを目的として実施されました2。投与期間24週間の結果は、2022年の米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会で発表され、医学誌「The Lancet」に掲載されました22,23。
SIMPLIFY-1試験について
SIMPLIFY-1試験は、JAK阻害薬による治療歴のない骨髄線維症患者さんを対象とし、モメロチニブとルキソリチニブを比較した第III相国際多施設共同無作為化二重盲検試験です。SIMPLIFY-1試験の安全性および有効性の結果は、ベースライン時に貧血(ヘモグロビン10g/dL未満)であった患者集団に基づきます。SIMPLIFY-1試験の骨髄線維症患者さんでは、脾臓縮小割合(35%以上の減少)に基づくモメロチニブの治療効果が認められました。
オンコロジー領域におけるGSK
GSKは、革新的な医薬品を通じて患者さんの生存期間をできるだけ長くすることに取り組んでいます。がん免疫療法および腫瘍細胞標的療法、ならびに血液悪性腫瘍、婦人科がん、その他の固形腫瘍に対する画期的な治療法の開発に注力しています。
グラクソ・スミスクライン(GSK)について
GSKは、サイエンス、テクノロジー、人財を結集し、力を合わせて病に先手を打つことを存在意義とするバイオ医薬品のグローバルリーダーです。詳細情報はhttps://jp.gsk.comをご参照ください。
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