GSK、帯状疱疹予防ワクチン「シングリックス筋注用」の接種対象者拡大 ~帯状疱疹の発症リスクが高いと考えられる18歳以上を対象として、用法及び用量追加に係る製造販売承認事項一部変更承認を取得~
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既に承認されている50歳以上の成人に加え、帯状疱疹の発症リスクが高いと考えられる18歳以上への追加承認を取得
グラクソ・スミスクライン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:ポール・リレット、以下 GSK)は、本日、帯状疱疹予防ワクチン「シングリックス筋注用(乾燥組換え帯状疱疹ワクチン、以下、シングリックス)」について、帯状疱疹の発症リスクが高いと考えられる18歳以上を対象として、用法及び用量追加に係る製造販売承認事項一部変更承認を取得したことをお知らせします。
シングリックスは、50歳以上の成人における帯状疱疹の予防を適応として2018年に承認されています。本追加承認により、疾病または治療による免疫不全や免疫機能低下またはその可能性のある方を含め、帯状疱疹を発症するリスクが高いと考えられる18歳以上の成人にも接種対象が拡大されました。
日本人成人の90%以上は、帯状疱疹の原因となるウイルスがすでに体内に潜んでいる可能性があり、加齢に伴う免疫機能の低下により、帯状疱疹を発症するリスクが高まります1。また、疾病や治療などによって免疫機能が低下した人では、正常な免疫機能を有する人と比較して、帯状疱疹および関連する合併症の発症リスクがより高くなります2,3,4。
本承認は、自家造血幹細胞移植や腎移植を受けた、あるいは血液がん、固形がん、HIV感染症に罹患している18歳以上の患者さんを対象としたシングリックスの6つの臨床試験成績に基づいています5-9。
GSK代表取締役社長のポール・リレットは次のように述べています。
「シングリックスは、免疫機能の低下した18歳以上の成人の帯状疱疹発症リスクを低減することが臨床試験で示されています。これらの臨床試験は、帯状疱疹や合併症で苦しむ人をひとりでも減らすことに寄与するための私たちの取り組みの一環です。このたびの承認は、医療従事者の先生方および帯状疱疹を発症するリスクが高いもののこれまでワクチンで予防できなかった患者さんにとって重要な出来事であると考えます。」
帯状疱疹(たいじょうほうしん)について
帯状疱疹は、子供の頃などに感染した水ぼうそうと同じウイルス「水痘・帯状疱疹ウイルス」が、体の中で再活性化することで発症する皮膚の病気です。日本人成人の90%以上は、帯状疱疹の原因となるウイルスがすでに体内に潜んでいる可能性があり、50歳を過ぎると帯状疱疹の発症が増え始め、80歳までに約3人に1人が帯状疱疹を発症するといわれています1。日本では、年間約60万人が帯状疱疹を発症していると推定されています10。
帯状疱疹の症状には、通常、胸部、腹部または顔面などに痛みを伴う水疱やかゆみを伴う発疹が現れ、しばしば灼熱感、発赤、または刺すような痛みを伴うこともあります。発疹が消えた後も、帯状疱疹後神経痛(PHN)という痛みが3カ月間以上続くことがあります。PHNは、帯状疱疹の最も一般的な合併症です11。50歳以上で帯状疱疹を発症した人はPHNに移行しやすく12、50歳以上で帯状疱疹を発症した人では20%、80歳以上の高齢の人では33%がPHNになるといわれています13。そして、免疫不全状態の成人が帯状疱疹を発症すると、PHNなどの合併症のために入院する率が高まり、より多くの医療資源の利用が必要となります14。
シングリックスについて
シングリックス筋注用は、帯状疱疹の予防を目的とした世界で初めての遺伝子組換え型のサブユニットワクチンで、現在30カ国以上で発売されています。シングリックスは、特定の基礎疾患、治療または状態により帯状疱疹の発症リスクが高い18歳以上に適応を持つ唯一の帯状疱疹予防ワクチンです15。
日本では、50歳以上を対象として(2018年3月23日)、および、帯状疱疹の発症リスクが高いと考えられる18歳以上を対象として(2023年6月26日)承認を取得しました。
抗原である糖タンパクEおよびアジュバントであるAS01Bを組み合わせた本剤は、水痘・帯状疱疹ウイルスに特異的な免疫反応を誘導することを目的としており、水痘・帯状疱疹ウイルスに対する免疫低下を防ぐことを助けます16,17。シングリックスは、水痘の一次感染(水ぼうそう)の予防効能は有していません。
GSKは、サイエンス、テクノロジー、人財を結集し、力を合わせて病に先手を打つことを存在意義とするバイオ医薬品のグローバルリーダーです。詳細情報はhttps://jp.gsk.comをご参照ください。
1 Shiraki K. et al.: Open Forum Infect Dis. 4(1), ofx007, 2017.
2 Harpaz R et al. Advisory Committee on Immunization Practices (ACIP), Centers for Disease Control and Prevention (CDC). Prevention of herpes zoster: recommendations of the Advisory Committee on Immunization Practices (ACIP). MMWR Recomm Rep. 2008;57(RR-5):1-30.
3 Huang C-T et al. J Clin Endocrinol Metab 2022;107:586–597.
4 Imafuku S et al. Risk of herpes zoster in the Japanese population with immunocompromising and chronic disease conditions: Results from a claims database cohort study, from 2005 to 2014. Journal of Dermatology. 2020.; 47: 236-244.
5 Bastidas A, et al. JAMA 2019;132:123-133.
6 Berkowitz EM, et al. J Infect Dis 2015;211:1279-1287.
7 Vink P, et al. Cancer 2019;125:1301-1312.
8 Dagnew AF, et al. Lancet Infect Dis 2019;19:988-1000.
9 Stadtmauer E, et al. Blood. 2014;124(19):2921-2929.
10 IASR. Epidemiology of herpes zoster in Miyazaki Préfecture 2013; 34;298-300. Available at: https://www.niid.go.jp/niid/ja/iasr-sp/2256-related-articles/related-articles-404/4014-dj4048.html. Last Accessed May 2023.
11 Dworkin RH, et al. Diagnosis and assessment of pain associated with herpes zoster and postherpetic neuralgia. J Pain 2008;9:S37-44.
12 稲田英一(責任編集). 帯状疱疹Up-to-Date. 診断と治療社, p50-51, 2012.
13 Takao Y, et al.: J Epidemiol 2015; 25(10): 617-25.
14 Muñoz-Quiles, BMC Infect Dis. 2020 Nov 30;20(1):905. doi: 10.1186/s12879-020-05648-6.
15 Centers for Disease Control and Prevention (CDC). Shingles vaccination. Available at: https://www.cdc.gov/vaccines/vpd/shingles/public/shingrix/. Last accessed: April 2023.
16 Cunningham et al. Vaccine profile of herpes zoster (HZ/su) subunit vaccine. Expert Review of Vaccines. 2017; 16:7;661-670.
17 The GSK proprietary AS01 adjuvant system contains QS-21 Stimulon adjuvant licensed from Antigenics LLC, a wholly owned subsidiary of Agenus Inc. (NASDAQ: AGEN), MPL and liposomes.