GSK、2022年業績発表
この資料は、英国GSK plcが2023年2月1日に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先されます。詳細はhttps://www.gsk.comをご参照ください。
<2023年2月1日 英国ロンドン発>
GSK、2022年業績発表
2022年通年売上高は293億ポンドと好調(AERベースで19%増、CERベースで13%増)
- 一株当たり利益合計は371.4ペンス(100%超増)
- 継続事業からの調整後一株当たり利益は139.7ペンス(AERベースで27%増、CERベースで15%増)
ハイライト
コマーシャルの戦略実行における変革が、スペシャリティ医薬品とワクチンの好調な売上増加を牽引
- 売上高は293億ポンド、AERベースで19%増、CERベースで13%増。COVID-19ソリューションを除く売上高はAERベースで15%増、CERベースで10%増
- スペシャリティ医薬品は113億ポンド、AERベースで37%増、CERベースで29%増。HIV領域はAERベースで20%増、CERベースで12%増。オンコロジー領域はAERベースで23%増、CERベースで17%増。免疫炎症領域およびその他のスペシャリティ領域はAERベースで29%増、CERベースで20%増。COVID-19ソリューション(ゼビュディ)の売上高は23億ポンド
- ワクチンは79億ポンド、AERベースで17%増、CERベースで11%増。シングリックスは30億ポンド、AERベースで72%増、CERベースで60%増
- ジェネラル医薬品は101億ポンド、AERベースで5%増、CERベースで1%増
優先投資とコスト管理が、営業利益と一株当たり利益の好調な伸びを支える
- 継続事業の営業利益率は全体で21.9%。一株当たり利益合計は371.4ペンスで100%超増。これは主としてコンシューマー・ヘルスケア事業の分離に伴う非継続事業からの利益を反映。継続事業の一株当たり利益合計は110.8ペンス、AERベースで34%増、CERベースで18%増
- 調整後営業利益率は27.8%。調整後営業利益の伸びはAERベースで26%増、CERベースで14%増。これにはCOVID-19ソリューションの成長鈍化の影響としてAERおよびCERベースで約3%を含む
- 調整後一株当たり利益は139.7ペンス、AERベースで27%増、CERベースで15%増。これにはCOVID-19ソリューションの成長鈍化の影響として、AERベースで約4%、CERベースで約3%を含む
- 2022年通年の継続事業からのキャッシュは79億ポンド。通年のフリーキャッシュフローは33億ポンド
研究開発の進展および事業開発が将来の成長を支える
- 免疫システムの研究に基づくワクチンおよびスペシャリティ医薬品の革新的パイプラインには69品目あり、そのうち18品目が第Ⅲ相試験/申請段階にある
- 高年齢成人を対象とした呼吸器合胞体ウイルス(RSウイルス)ワクチン候補を米国、EU、日本で承認申請。シングリックスの10年間中間解析データをID Week 2022で発表。Affinivax社の買収を完了:これには第Ⅱ相試験段階にある次世代型肺炎球菌ワクチンと革新性に優れたMAPS技術の活用が含まれる
- 長時間作用型HIV治療薬の開発が引き続き進展。広域中和抗体であるN6LSの良好な第Ⅱ相試験データをHIVグラスゴー会議で発表
- 単純性尿路感染症に対する抗菌薬gepotidacinの第Ⅲ相ピボタル試験は有効性を理由として早期中止。慢性B型肝炎の機能的治癒薬となる可能性があるbepirovirsenの第Ⅱb相試験で良好な結果が得られた。開発後期段階にある複雑性尿路感染症に対する抗生物質tebipenem Hbrに関する独占的ライセンス契約をSpero Therapeuticsと締結
- 長時間作用型IL-5阻害薬であるDepemokimabの第Ⅲ相プログラムを新たな3つの好酸球性疾患に対して拡大
- 2023年に4つの承認取得が期待される:高年齢成人を対象としたRSウイルスワクチン(米国、EU、日本)、子宮内膜がんにおけるファーストライン治療薬Jemperli(米国)、骨髄線維症におけるmomelotinib(米国)、および腎性貧血に伴う貧血におけるダプロデュスタット(米国、EU)
売上および調整後営業利益の増加見通し
- 2023年の売上高は6~8%の増加予想。調整後営業利益は10~12%の増加予想。一株当たり利益は12~15%の増加予想
- 2023年ガイダンスはCERベースであり、COVID-19ソリューションの寄与は含まれない
- 2022年第4四半期の配当は13.75ペンス。2023年のGSKの一株当たり配当見込56.5ペンスに変更なし
GSK最高経営責任者のエマ・ウォルムズリーは次のように述べています。
「2022年はGSKにとって目覚ましい年でした。シングリックスの過去最高売上など、スペシャリティ医薬品およびワクチンの好調な売上増加に牽引され、業績において目標とした大きな成長を成し遂げることができました。この好調な勢いのまま2023年に進んでいることから、公表している2026年の売上と利益の意欲的な見通しを達成できるものと確信しています。同時に、RSウイルスワクチン等の、感染症および免疫システムのサイエンスに基づくポートフォリオおよびパイプラインを一層充実させていきます。この勢いに加えて、より一層的を絞った事業開発によって、GSKは2026年以降も成長を持続できる確固とした基盤を有することになります。」
業績結果は2ページ目に要約を掲載するとともに英語プレスリリース9、22ページの「Financial performance」に記載されており、調整後業績結果の修正は18、19、31、32ページに記載されています。調整後の業績結果は、非継続事業を除く業績についてのIFRSに基づかない指標であり、IFRSに基づき提示されている情報に加えて検討する性質のものであり、それに代わるまたはそれより優れているものではありません。調整後業績結果は39ページに記載されており、£%、AER%成長率、CER%成長率、フリーキャッシュフローおよびその他のIFRSに基づかない指標の定義は67ページに記載されています。また、COVID-19ソリューションの定義は67ページに記載されています。GSKは、39ページに記載された理由に基づいて、調整後結果のみをベースにガイダンスを提供しています。将来の業績や配当金の支払に関するすべての見込、ガイダンスや目標は、68、69ページの「Guidance, assumptions and cautionary statement」と併せて読む必要があります。
2022年業績結果 |
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2022 | Q4 2022 | |||||
成長率 | 成長率 | |||||
£m | £% | CER% | £m | £% | CER% | |
売上 | 29,324 | 19 | 13 | 7,376 | 4 | (3) |
継続事業からの営業利益合計* | 6,433 | 48 | 31 | 1,868 | >100 | >100 |
一株当たり利益合計 | 371.4p | >100 | >100 | 37.1p | 98 | 75 |
継続事業からの一株当たり利益合計 | 110.8p | 34 | 18 | 37.2p | >100 | >100 |
非継続事業からの一株当たり利益合計* | 260.6p | >100 | >100 | (0.1)p | >(100) | >(100) |
調整後営業利益 | 8,151 | 26 | 14 | 1,595 | 21 | 5 |
調整後一株当たり利益 | 139.7p | 27 | 15 | 25.8p | 10 | (6) |
継続事業からの営業活動によるキャッシュ | 7,944 | 10 | 2,101 | (37) | ||
フリーキャッシュフロー | 3,348 | 1 | 895 | (62) |
* 継続事業および調整後実績に関して上記の表に記載されている数字には、コンシューマー・ヘルスケア事業の非継続事業は含まれていません。非継続事業からの一株当たり利益に関して表示されている金額は、コンシューマー・ヘルスケア事業の分割のものです。IFRS第5号における継続事業および非継続事業の表示については、英語プレスリリース52ページに記載されています。
2023年ガイダンス
固定為替レート(CERベース)でのGSKの2023通年ガイダンスを示します。すべての予想および通年の成長率においてCOVID-19ソリューション関連の収益による影響を除外しています。
売上高は6~8%の増加予想 調整後営業利益は10~12%の増加予想 調整後一株当たり利益は12~15%の増加予想 |
2022年第1四半期の実績が高かったことおよび2023通年予想における下期のウエイトが比較的高いことから、GSKは2023年上期の売上高および調整後営業利益の成長率は若干低くなると予想しています。
医療体制は回復するものの、GSKの事業領域を取り巻く経済は不確実な状況であり、各四半期業績の大きな変動が続くものと予想されます。
本ガイダンスは、CERベースでの以下の2023通年売上の予想に基づいています。
スペシャリティ医薬品 一桁台半ばから後半の成長率予想 ワクチン 10%台半ばの成長率予想 ジェネラル医薬品 微減予想 |
売上原価および研究開発費の増加率は売上高成長率を僅かに下回るものの、一般管理販売費の増加率は予定済の製品上市および高年齢成人を対象としたRSウイルスワクチン候補の上市可能性を織り込んでいるため売上高成長率とほぼ同じとなり、結果として調整後営業利益はCERベースで10~12%増加すると予想しています。調整後一株当たり利益は、純金融費用および非支配株主持分が良好なことに加えて、15%程度の低い税率が想定されることから、CERベースで12~15%増加すると予想しています。
追加コメント
GSKの配当ポリシーおよび予定配当性向に変更はありません。GSKの将来の配当ポリシーおよび2023年の予定配当に関するガイダンスは英語プレスリリース37ページに記載されています。
COVID-19ソリューションについて
複数の政府との既存契約に基づき、2023年はGSKとしてCOVID-19パンデミック関連の大幅な売上または営業利益は想定していません。2022年のCOVID-19ソリューションの売上は24億ポンドでしたが、2023年は、売上高は約9%減少、調整後営業利益は6~7%の減少を予想しています。ただし、懸念される新たなCOVID-19変異株の出現の際に対処できるように、政府、医療体制および患者さんを支援するための将来機会についての協議は続けていきます。
将来の業績や配当金の支払に関するすべての見込、ガイダンスおよび目標は、英語プレスリリース68、69ページにある「Guidance, assumptions and cautionary statements」と併せて読む必要があります。2023年1月27日時点の終値の為替レート(1.24ドル/1ポンド、1.14ユーロ/1ポンド、161円/1ポンド)が2023年末まで続くと仮定した場合、GSKの2023年のスターリング(英ポンド)ベースの売上高成長率に対する影響はないと想定され、為替差損益が2022年と同水準となる場合も、GSKの2023年スターリング(英ポンド)ベースの調整後営業利益成長率に対する影響はないと想定されます。
コンシューマー・ヘルスケア事業の分離
2022年7月18日、GSKグループからコンシューマー・ヘルスケア事業が分離し、独立した上場企業であるHaleonを設立しました。この分離は、GSKが保有するコンシューマー・ヘルスケアの68%の株式の80.1%をGSKの株主に分割することによって行われました。分離後、Haleonの54.5%はGSK株主、6.0%はGSK(GSKの連結ESOP信託が受領した株式を含む)、7.5%はスコットランドのリミテッド・パートナーシップ(SLP、GSKの英国年金制度に対してGSKが追加資金を提供する資金調達メカニズムを提供するために設立)が保有しています。分離後の13.5%のGSK持分合計(ESOP信託およびSLP保有分を含む)については、公正価値で評価し、変動額は損益に反映されます。
分割持分に対する分離利益は通年で77億ポンドと認識されました。分割された資産はコンシューマー・ヘルスケアの54.5%の持分です。認識が中止された純資産は2022年7月18日までのコンシューマー・ヘルスケアの取引を反映しています。これには2022年7月18日以前に決議され決済された分離前配当が含まれています。そして、これらの配当には、2022年第1四半期中に一部貸付中であったコンシューマー・ヘルスケアの債務を原資とする配当104億ポンド(71億ポンドはGSKに帰属)、および利用可能な現金残高からの配当6億ポンド(4億ポンドはGSKに帰属)が含まれています。債務を原資とする分離前配当のGSK帰属分によって、分離時のGSKに対する純債務が減少しました。保有持分の再評価から生じた分離利益は24億ポンドであり、通年で計上されました。
コンシューマー・ヘルスケア事業の分離に伴う通年の利益合計は101億ポンドでした。また、2022年1月1日から7月18日までのコンシューマー・ヘルスケア事業における非継続事業の税引後利益は6億ポンドであり、これにより、非継続事業の通年の税引後利益合計は107億ポンドに増加しました。分離に関する経理処理が最終化した後、2022年第3四半期に開示したコンシューマー・ヘルスケア事業の分離に伴う通年利益を96億ポンドから101億ポンドに増額するための5億ポンドの調整を2022年第3四半期に遡って処理しています。コンシューマー・ヘルスケア事業の分離に関する詳細は、英語プレスリリース55ページに記載されています。
プレスリリースの原文はhttps://www.gsk.com/media/9847/fy-2022-results-announcement.pdfをご参照ください。
GSKは、サイエンス、テクノロジー、人財を結集し、力を合わせて病に先手を打つことを存在意義とするバイオ医薬品のグローバルリーダーです。詳細情報はhttps://jp.gsk.comをご参照ください。