GSK、「小児用ヌーカラ皮下注40mgシリンジ」を発売

  • 6~11歳の小児重症喘息患者に対する抗インターロイキン‐5(IL-5)抗体薬
  • 本剤は液剤のため、溶解、薬液の計量・採取の操作が不要
  • 本剤は保護者による在宅自己注射が可能

グラクソ・スミスクライン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:ポール・リレット、以下GSK)は、抗インターロイキン-5(IL-5)抗体薬である「小児用ヌーカラ皮下注40mgシリンジ」(一般名:メポリズマブ(遺伝子組換え)、以下「ヌーカラ」)について、本日発売したことをお知らせします。

2020年3月25日に小児6~11歳の用法及び用量追加に係る製造販売承認事項一部変更の承認を取得しており、今回発売の「小児用ヌーカラ皮下注40mgシリンジ」は液剤のため、凍結乾燥製剤投与時における溶解、薬液の計量・採取の操作が不要となり、医療従事者の負担軽減が期待されます。また、保護者による在宅での自己注射が可能なため、患者さんの生活スタイルに合わせた治療法の選択や通院による負担の軽減などが期待できます。

GSK代表取締役社長のポール・リレットは、今回の発売を受け、次のように述べています。
「このたび、プレフィルドシリンジ製剤を6~11歳の小児重症喘息患者さんへ新たにご提供できることを大変嬉しく思うとともに、この製剤が医療従事者の方々の負担を軽減し、患者さんに貢献するものと期待しております。重症喘息に苦しむお子さんやそのご家族の日常生活が、少しでも改善されることを願ってやみません。これからも患者さんに貢献できるよう努めてまいります」。

喘息について
現在、全世界で約2億4,200万人i、日本では、全人口1億2,700万人のうち8%、約1,000万人が喘息に罹患していると推定されていますii。喘息患者の多くは、既存の治療薬を適切に使用している場合、症状を十分にコントロールすることができますが、喘息患者のうち5~10%が重症喘息であり、既存の治療法では症状を十分にコントロールすることができませんiii

重症喘息および好酸球性炎症について
重症喘息は、「『コントロール不良』となることを予防するため高用量の吸入ステロイド薬および長期管理薬(および/または全身性ステロイド薬)による治療が必要である喘息、あるいはこうした治療にもかかわらず『コントロール不良』となる喘息」と定義されていますiii。また、経口ステロイド薬を長期間使用している患者も重症喘息患者として分類されます。重症喘息患者の集団において、好酸球(白血球の一種)の産生亢進が肺の炎症を引き起こし、気道に影響を与え、呼吸を制限し、喘息発作の頻度を増加させることが明らかになっていますiv,v。IL-5は好酸球の増殖、活性化および生存を促進する主要因子であり、骨髄から肺への好酸球の遊走にも深く関与していますiv,v,vi,vii。研究の結果、重症喘息患者の約60%に好酸球性の気道炎症が認められていることが示唆されています。

「ヌーカラ」について
「ヌーカラ」は、IL-5が好酸球の表面にあるIL-5受容体に結合することを阻害する、モノクローナル抗体です。IL-5の結合を阻害することにより、血中、組織、および喀痰に含まれる好酸球数を減少させます。

「ヌーカラ」は、日本国内において凍結乾燥製剤が2016年3月28日に成人および12歳以上の小児に対し、「気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない難治の患者に限る)」の効能又は効果で承認されており、また2018年5月25日に成人に対して「既存治療で効果不十分な好酸球性多発血管炎性肉芽腫症」の効能又は効果で追加承認されています。2020年3月25日に6~11歳の小児に対する「気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない難治の患者に限る)」における用法及び用量が追加承認されています。

日本での「ヌーカラ」の製品情報は医療従事者専用のウェブサイトhttps://gskpro.com/ja-jp/にてご確認いただけます。

GSKの呼吸器領域への注力と貢献
GSKは約50年にわたり、気管支喘息とCOPDの領域において、治療薬の研究開発をリードしてきました。1969年の世界初となる短時間作用型β2刺激薬をはじめ、最近5年間で6つもの薬剤を発売し、今日の呼吸器領域における先進的な製品群につなげてきました。私たちはこれからも適切な患者さんに適切な治療を届けられるよう、多くの医療関係者とともに、世界に誇る科学を駆使し、明日の治療を変える薬剤の研究開発に注力してまいります。すべての患者さんが、呼吸を妨げられずに生活できる日が来るまで、私たちは歩みを止めることはありません。

製品概要

製品名 小児用ヌーカラ皮下注40mgシリンジ
一般名 メポリズマブ(遺伝子組換え)
発売日 2022年11月21日(月)
薬価 68,964円
効能又は効果 気管支喘息
(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない難治の患者に限る)
用法及び用量 通常、6歳以上12歳未満の小児にはメポリズマブ(遺伝子組換え)として1回40mgを4週間ごとに皮下に注射する
※本剤は保護者による在宅自己注射が可能です。

 

GSKは、サイエンス、テクノロジー、人財を結集し、力を合わせて病に先手を打つことを存在意義とするバイオ医薬品のグローバルリーダーです。詳細情報はhttps://jp.gsk.com/をご参照ください。

 


i Global Burden of Disease Study 2013 Collaborators. Global, regional, and national incidence, prevalence, and years lived with disability for 301 acute and chronic diseases and injuries in 188 countries, 1990–2013: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2013. Lancet. 2015; 386:743–800.
ii Statista.Available from http://www.statista.com/statistics/263746/total-population-in-japan/
iii Chung, K.F., et al. (2014) International ERS/ATS guidelines on definition, evaluation and treatment of severe asthma. Eur Respir J, 43, 343–373.
iv Rothenberg ME. Eosinophillia. N Engl J Med. 1998; 338:1592-1600.
v Lopez AF, et al. Recombinant human interleukin 5 is a selective activator of human eosinophil function. J Exp Med. 1988; 167:219–224.
vi Rosenberg HF, Dyer KD, Foster PS. Eosinophils: changing perspectives in health and disease. Nat Rev Immunol. 2013; 13:9-22.
vii Kouro T, Takatsu T. IL-5- and eosinophil-mediated inflammation: from discovery to therapy. Int Immunol. 2009;21(12):1303–1309.