GSKの高年齢成人を対象とした呼吸器合胞体ウイルス(RSウイルス)ワクチン候補の販売承認申請が米国FDAに受理され、優先審査に指定

この資料は、英国GSK plcが2022年11月2日に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先されます。
詳細はhttps://www.gsk.comをご参照ください。

<2022年11月2日 英国ロンドン発>

GSKの高年齢成人を対象とした呼吸器合胞体ウイルス(RSウイルス)ワクチン候補の販売承認申請が米国FDAに受理され、優先審査に指定

  • 米国FDAは、処方薬ユーザーフィー法に基づく審査終了目標日を2023年5月3日に設定
  • 日本および欧州での承認申請受理に続く、3番目の重要な薬事上のマイルストーン
  • 60歳以上の成人のRSウイルス下気道疾患の予防を目的とした初めてのワクチンとなる可能性

GSK(本社:英国)は、高年齢成人を対象とした呼吸器合胞体ウイルス(RSウイルス)ワクチン候補について、生物学的製剤承認申請(Biologics License Application、以下BLA)が、米国食品医薬品局(FDA)に受理され、優先審査の指定を受けたことをお知らせします。

米国FDAは、重篤な疾患の治療や予防の安全性または有効性について標準的な申請と比較して大幅な改善が期待されるワクチン候補の申請に対して、優先審査を実施します。優先審査指定では、米国FDAによるBLAの審査の迅速化により、審査期間が4カ月短縮されます。FDAの規制当局としての決定の措置日である処方薬ユーザーフィー法に基づく審査終了目標日は、2023年5月3日です。承認された場合、GSKのRSウイルスワクチン候補が、60歳以上の成人のRSウイルス下気道疾患(RSV-LRTD)の予防を目的とした最初のワクチンとなる可能性があります。

高年齢成人では、加齢に伴う免疫低下や基礎疾患のため、疾患が重症化するリスクが高くなります。RSウイルスにより、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、慢性心不全などの症状が悪化し、肺炎、入院、死亡などの重篤な転帰につながる可能性があります。

本BLAは、60歳以上の成人のRSウイルス下気道疾患(RSV-LRTD)に対するワクチンの有効性と安全性を評価した主要な第III相試験であるAReSVi-006(Adult Respiratory Syncytial Virus)試験の事前に設定された中間解析での結果に基づいています。最も多く認められた特定有害事象は、注射部位疼痛、疲労、筋肉痛、頭痛でした。重度のLRTD、70~79歳の成人でのLRTD、基礎疾患を有する成人でのLRTD、およびRSウイルスA型とB型に起因するLRTDに対し、一貫したワクチン有効性が認められました。

このたびのFDAの申請受理は、GSKの高年齢成人を対象としたワクチン候補に関して、厚生労働省および欧州医薬品庁による承認申請受理に続く、3番目の重要な薬事上のマイルストーンです。GSKの高年齢成人を対象としたRSウイルスワクチン候補は、膜融合前型の遺伝子組換えRSウイルスF糖タンパク質(RSVPreF3)抗原と、GSK独自のAS01Eアジュバントを組み合わせています。現在、世界で承認されている高年齢成人を対象としたRSウイルスワクチンはありません。

AReSVi-006試験について
AReSVi-006(Adult Respiratory Syncytial Virus)第III相試験は、60歳以上の成人を対象としたアジュバント添加RSVPreF3候補ワクチンを単回投与したときの有効性を検討する、無作為化プラセボ対照観察者盲検国際共同試験です。17カ国から約25,000例が登録されました。GSKが所有するAS01アジュバントシステムには、Agenus社の完全子会社であるAntigenics社よりライセンス供与されたQS-21 Stimulonアジュバントが含まれています。

成人における呼吸器合胞体ウイルス(RSウイルス)について
RSウイルスは、肺および呼吸器に影響を及ぼす一般的な感染性ウイルスです。現在でも、成人に対するRSウイルスはワクチンや特定の治療法のない主要な感染性疾患のひとつです。成人ではRSウイルスへの感染は通常軽度ですが、重篤な転帰につながることがあり、高年齢成人では、加齢に伴う免疫低下や基礎疾患のため重度の疾患となるリスクが高くなります。RSウイルスにより、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、慢性心不全などの症状が悪化し、肺炎、入院、死亡などの重篤な転帰につながる可能性があります。RSウイルスは、先進国で毎年60歳以上の成人における42万例以上の入院と29,000例の死亡原因となっており、米国では約177,000例の入院と14,000例の死亡原因となっています。日本では約57,000例の入院と4,000例の死亡原因となっています1-3。基礎疾患のある成人では、基礎疾患のない成人と比較し、受診する可能性が高く、入院率も高くなります。

GSKは、サイエンス、テクノロジー、人財を結集し、力を合わせて病に先手を打つことを存在意義とするバイオ医薬品のグローバルリーダーです。詳細情報はhttps://jp.gsk.comをご参照ください。

 


1.Savic M et al. A systematic literature review and a meta‐analysis of the respiratory syncytial virus (RSV) burden of disease in adults over 60 years of age. Presented at ESWI 2020 virtual edition, 6–9 December 2020 virtual edition, 6–9 December 2020.
2.e-Stat (Portal site of official statistics of Japan), 2019. Population estimates by age February 1 2019. (2021年4月アクセス時)
3.GSK, 2021. Data on File 2021N473292_00.