GSKの高年齢成人を対象とした呼吸器合胞体ウイルス(RSウイルス)ワクチン候補について、迅速審査品目とする販売承認申請が欧州医薬品庁に受理

この資料は、英国GSK plcが2022年10月28日に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先されます。
詳細はhttps://www.gsk.comをご参照ください。

<2022年10月28日 英国ロンドン発>

GSKの高年齢成人を対象とした呼吸器合胞体ウイルス(RSウイルス)ワクチン候補について、迅速審査品目とする販売承認申請が欧州医薬品庁に受理

  • 60歳以上の成人でRSウイルス下気道疾患に対するワクチンの有効性と安全性を評価した主要な第III相試験における結果に基づき申請
  • 日本での承認申請受理に続く、2つ目の重要な薬事上のマイルストーン

GSK(本社:英国)は、高年齢成人を対象とした呼吸器合胞体ウイルス(RSウイルス)ワクチン候補について、迅速審査品目とする販売承認申請(Marketing Authorisation Application以下、MAA)が、欧州医薬品庁(European Medicines Agency、以下EMA)に受理されたことをお知らせします。

MAAでは、EMAの医薬品委員会(Committee for Medicinal Products for Human Use)により公衆衛生および治療上の革新性の観点から多大な貢献が期待される薬剤と判断された場合、迅速審査の対象となることがあります。欧州の規制当局による本審査結果は2023年第3四半期に予定されています。承認されれば、本RSウイルスワクチン候補が、高年齢成人のRSウイルス下気道疾患(RSV-LRTD)の予防を目的とした最初のワクチンとなる可能性があります。

本申請は、60歳以上の成人のRSウイルス下気道疾患に対するワクチンの有効性と安全性を評価した主要な第III相試験であるAReSVi-006(Adult Respiratory Syncytial Virus)試験の事前に設定された中間解析での結果に基づいています。最も多く認められた特定有害事象は、注射部位疼痛、疲労、筋肉痛、頭痛でした。重度のLRTD、70~79歳の成人でのLRTD、基礎疾患を有する成人でのLRTD、およびRSウイルスA型とB型に起因するLRTDに対し、一貫したワクチンの有効性が認められました。

このたびのEMAの申請受理は、2022年10月の日本の厚生労働省の承認申請受理に続く、高年齢成人を対象としたRSウイルスワクチン候補におけるGSKで2つ目となる重要な薬事上のマイルストーンとなります。GSKの高年齢成人を対象としたRSウイルスワクチン候補は、膜融合前型の遺伝子組換えRSウイルスF糖タンパク質(RSVPreF3)抗原と、GSK独自のAS01Eアジュバントを組み合わせています。現在、世界で承認されている高年齢成人を対象としたRSウイルスワクチンはありません。

AReSVi-006試験について
AReSVi-006(Adult Respiratory Syncytial Virus)第III相試験は、60歳以上の成人を対象としたアジュバント添加RSVPreF3候補ワクチンを単回投与したときの有効性を検討する、無作為化プラセボ対照観察者盲検国際共同試験です。17カ国から約25,000例が登録されました。GSKが所有するAS01アジュバントシステムには、Agenus社の完全子会社であるAntigenics社よりライセンスを得たQS-21 Stimulonアジュバントが含まれています。

成人における呼吸器合胞体ウイルス(RSウイルス、Respiratory Syncytial Virus)について
RSウイルスは、肺および呼吸器に影響を及ぼす一般的な感染性ウイルスです。現在でも、成人に対するRSウイルスはワクチンや特定の治療法のない主要な感染性疾患のひとつです。成人ではRSウイルスへの感染は通常軽度ですが、重篤な転帰につながることがあり、高年齢成人では、加齢に伴う免疫低下や基礎疾患のため重度の疾患となるリスクが高くなります。RSウイルスにより、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、慢性心不全などの症状が悪化し、肺炎、入院、死亡などの重篤な転帰につながる可能性があります。RSウイルスは、先進国で毎年42万例以上の60歳以上の成人の入院と29,000例の死亡原因となっており、日本では約57,000例の入院と4,000例の死亡原因となっています。基礎疾患のある成人では、基礎疾患のない成人と比較し、受診する可能性が高く、入院率も高くなります。

GSKは、サイエンス、テクノロジー、人財を結集し、力を合わせて病に先手を打つことを存在意義とするバイオ医薬品のグローバルリーダーです。詳細情報はhttps://jp.gsk.comをご参照ください。