GSK、高年齢成人を対象とした呼吸器合胞体ウイルス(RSウイルス)ワクチン候補を日本で承認申請

  • 60歳以上の成人のRSウイルス下気道疾患に対するワクチンの有効性と安全性を評価した主要な第III相試験における結果に基づき申請

グラクソ・スミスクライン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:ポール・リレット、以下 GSK)は、60歳以上の成人を対象とした呼吸器合胞体ウイルス(RSウイルス)による下気道疾患の予防を目的としたRSウイルスワクチン候補について、厚生労働省に製造販売承認申請したことをお知らせします。

本申請は、60歳以上の成人のRSウイルス下気道疾患(RSV-LRTD)に対するワクチンの有効性と安全性を評価した主要な第III相試験であるAReSVi-006(Adult Respiratory Syncytial Virus)試験の事前に設定された中間解析での結果に基づいています。重症のLRTD、70~79歳の成人でのLRTD、基礎疾患を有する成人でのLRTD、およびRSウイルスA型とB型に起因するLRTDに対し、一貫したワクチン有効性が認められました。

また、RSウイルスワクチン候補に関する米国およびEUの規制当局との進捗については、2022年末までに発表を予定しています。GSKの高年齢成人を対象とするRSウイルスワクチン候補は、膜融合前型の遺伝子組換えRSウイルス F糖タンパク質(RSVPreF3)抗原と、GSK独自のAS01Eアジュバントを組み合わせています。現在、世界で承認されているRSウイルスワクチンはありません。

GSK代表取締役社長のポール・リレットは次のように述べています。
「日本では65歳以上の高齢化率は2025年に3割を超え、2050年には4割にまで達することが推計されています1。高齢化がますます進展する日本において、現在でもワクチンや特定の治療法のない主要な感染性疾患のひとつである成人のRSウイルスに関して、このたびのRSウイルスワクチン候補の製造販売承認申請を行うことができ嬉しく思います。」

AReSVi-006試験について
AReSVi-006(Adult Respiratory Syncytial Virus)第III相試験は、60歳以上の成人を対象としたアジュバント添加RSVPreF3候補ワクチンを単回投与したときの有効性を検討する、無作為化プラセボ対照観察者盲検国際共同試験です。17カ国から約25,000例が登録されました。

成人における呼吸器合胞体ウイルス(RSV:Respiratory Syncytial Virus)について
RSウイルスは、肺および呼吸器に影響を及ぼす一般的な感染性ウイルスです。現在でも、成人に対するRSウイルスはワクチンや特定の治療法のない主要な感染性疾患のひとつです。高年齢成人は、加齢に伴う免疫低下や基礎疾患のため重度の疾患となるリスクが高くなります。RSウイルスにより、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、慢性心不全などの症状が悪化し、肺炎、入院、死亡などの重篤な転帰につながる可能性があります。RSウイルスは、先進国で毎年42万例以上の成人の入院と29,000例の死亡原因となっており、日本では約57,000例の入院と4,000例の死亡原因となっています。基礎疾患のある成人では、基礎疾患のない成人と比較し、受診する可能性が高く、入院率も高くなります。

GSKは、サイエンス、テクノロジー、人財を結集し、力を合わせて病に先手を打つことを存在意義とするバイオ医薬品のグローバルリーダーです。詳細情報はhttps://jp.gsk.comをご参照ください。

 


1 令和4年度版高齢社会白書 https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2022/gaiyou/pdf/1s1s.pdf (2022年10月20日アクセス時)