GSKとマイクロソフトがネパールのCentre for Health and Disease Studiesと協力し、感染症監視プロジェクトを発足
この資料は、英国GSK plcが2022年9月21日に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先します。詳細はhttps://www.gsk.comをご参照ください。
<2022年9月21日 英国ロンドン発>
GSKとマイクロソフトがネパールのCentre for Health and Disease Studiesと協力し、感染症監視プロジェクトを発足
- 気候変動は、蚊媒介感染症など既知および新規の病原体の拡散に影響を及ぼす
- 新たなパートナーシップで、バイオ医薬品とITセクターの専門知識を結集し、ネパールにおける医療を支援し、蚊媒介感染症の撲滅を推進
- GSKは医療と疾病の専門知識を提供し、マイクロソフトは最新のAIとロボティクスを用いた病原体の早期検出と管理のためのPremonitionシステム「バイオロジカル・ウェザーステーション」を設置
GSK plc(LSE/NYSE: GSK)とMicrosoft(Nasdaq: MSFT)は9月21日、ネパールのCentre for Health and Disease Studies(CHDS)との先駆的な協働として、ネパールで感染症監視プロジェクトを開始したことを発表しました。パイロットプロジェクトでは、マイクロソフトのPremonitionシステムとGSKの医療と疾患に関する専門知識を活用し、地域社会における媒介性感染症や気候変動への対応を、AIとロボティクスがどのように支援できるかを探索します。
気候変動がもたらす地球と人々の健康への脅威は拡大しつつあります。脅威の1つに、マラリアやリンパ系フィラリア症をはじめとする、蚊などの生物が媒介する病原体が引き起こす感染症の伝播および拡大があります。媒介性感染症は、特に気候の影響で拡大しやすく、公共サービスが不十分な多くの地域では健康障害の重大な原因となっており、医療体制に多大な負担をかけ、不平等のまん延を引き起こしています。そのため、感染症発生地域のマッピングおよび監視手順の改善が急務となっています。
地域の意思決定機関に情報を提供し、より強固な医療体制を構築するため、Microsoft Premonitionシステムは9月にネパールに出荷され、昆虫類の3つの生息地を拠点とする「バイオロジカル・ウェザーステーション」のネットワークを構築しました。これらのシステムには先進的な光センシング技術と高度なロボティクスを駆使して昆虫類を監視し、気候の変化が感染症の伝播にどのような影響を及ぼすかについて生物学的サンプルを収集します。GSKはこのプロジェクトに疾病予防、資金調達、グローバルおよび現地の医療パートナーシップに関する専門知識を提供し、Premonitionシステムの設置と運用に貢献します。
本プロジェクトは、特に感染症拡大の発見が遅れがちな公共サービスが不十分な地域で、感染症の脅威を早期に発見し、管理するための新たな監視戦略の開発に役立つと見込まれています。また本プロジェクトは、遠隔環境における危険種の自動監視およびロボットによるサンプル収集が実証できると期待されています。成功すれば、新たなパートナーとの契約や、他国への拡大を目指していきます。
GSKのチーフ・グローバルヘルス・オフィサーであるトーマス・ブリューワーは次のように述べています。
「気候変動による健康への影響は、現在公共サービスが行き届いていない地域社会で最も大きく、気候変動が進行するにつれて、その影響は世界にも波及する可能性があります。力を合わせて病に先手を打つために、私たちは気候変動による健康への影響にさらされる人たちが、これに対応できるよう支援する、サイエンスに基づく解決策の特定に尽力しています。本プロジェクトは、異なる業種の先駆的な企業が地域社会と協力して、気候がもたらす差し迫った医療課題への解決策を策定し、優れた成果をもたらす貴重な事例となるでしょう。」
マイクロソフトコーポレーションのプレジデント兼副会長であるブラッド・スミスは次のように述べています。
「気候変動がもたらす課題への社会の対応・適応能力を構築する上で、新しいテクノロジーは重要な役割を果たします。Microsoft Premonition技術およびGSKの健康と疾病に関する深い専門知識、ならびにネパールの公衆衛生機関のリーダーシップを組み合わせることで、今後の課題の予防・計画・準備に役立つデータに基づく新しい洞察を地域の意思決定機関に提供できます。」
ネパールのCentre for Health and Disease Studiesの会長であるディーナ・シュレスタは次のように述べています。
「このプロジェクトは、私たちの現地における知識とリソースを活用し、多様な環境を持つこの国でMicrosoft Premonitionシステムを先駆けて導入できる素晴らしい機会です。監視能力の拡大により、気候が生物の挙動や感染症伝播に与える影響について理解を深められることを期待しています。生物医学や公衆衛生の研究を行うNGOとして、ネパールの保健・人口省、GSK、マイクロソフト、およびこの分野のその他の専門家と協力できることは光栄であり、この研究の成果を楽しみにしています。」
媒介性感染症について
媒介性感染症とは、感染した蚊などの節足動物種に咬まれることで伝播する感染症です。天候や気候などの要因は媒介生物の生存や拡散に影響を及ぼし、ひいては病原体活性に影響を及ぼす可能性があります1。媒介性感染症の2つの例として、リンパ系フィラリア症とマラリアがあります。
Climate Week NYCについて
Climate Week NYCとは、気候に関する活動を発表し、さらなる取り組みについて話し合う世界的なイベントです。Climate Week NYCは、国際非営利団体であるClimate Groupが国連やニューヨーク市と協力して毎年開催しており、気候に関する活動について、世界中の声を集めて様々な観点から議論して実施します。公式なイベントプログラムの一環として500を超えるイベントが開催され、企業や政府の最も重要なリーダーを招く中で、Climate Week NYCは毎年最大規模の気候サミットとして、世界から認識され、参加を集めています。
GSKについて
GSKは、サイエンス、テクノロジー、人財を結集し、力を合わせて病に先手を打つことを存在意義とするバイオ医薬品のグローバルリーダーです。詳細情報はhttps://jp.gsk.comをご参照ください。
マイクロソフトについて
マイクロソフト(Nasdaq:「MSFT」 @microsoft)は、インテリジェントクラウド、インテリジェントエッジ時代のデジタルトランスフォーメーションを可能にします。「Empower every person and every organization on the planet to achieve more.(地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする)」を企業ミッションとしています。
1 ECDC. (2022). Vector-borne diseases. Available at: https://www.ecdc.europa.eu/en/climate-change/climate-change-europe/vector-borne-diseases. Accessed September 2022.