GSK、米Affinivax社の買収を完了したことを発表

この資料は、英国GSK plcが2022年8月16日に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先されます。詳細はhttps://www.gsk.comをご参照ください。

<2022年8月16日 英国ロンドン発>

GSK、米Affinivax社の買収を完了したことを発表

GSK(本社:英国)は、バイオ医薬品開発企業Affinivax社(本社:米国マサチューセッツ州ボストンケンブリッジ)の買収を完了したことを発表しました。Affinivax社は新規ワクチン開発のパイオニアであり、最も開発が進んでいる候補品として次世代型肺炎球菌ワクチンを有しています。

先日発表したとおり、Affinivax社の買収は、スペシャリティ医薬品およびワクチンにおける強力なポートフォリオを構築するというGSKの戦略に沿ったものです。本買収には、革新性に優れた多重抗原提示システム(Multiple Antigen Presenting System、以下、MAPS™)技術基盤に基づく、現在第2相段階にある次世代型24価肺炎球菌ワクチン候補(AFX3772)が含まれています。また、30価を超える肺炎球菌ワクチン候補も前臨床開発が進行中です。

MAPS™技術は、従来の抗原結合技術よりも多くの価数に対応しており、一般的な肺炎球菌血清型に対してより広範な防御を可能とすることが期待されており、かつ、既存の肺炎球菌ワクチンよりも多くの種類の血清型に対して高い抗体応答を誘導します。

GSKチーフ・サイエンティフィック・オフィサーであるトニー・ウッド(Tony Wood)は次のように述べています。

「Affinivax社の画期的な肺炎球菌ワクチン候補、革新性を秘めたMAPS技術、そして有能な研究者が加わることにより、GSKの新規ワクチンのパイプラインはさらに強化され、ボストン地域における当社の科学的存在感はさらに高まります。」

成人を対象とした複数の第1/2相臨床試験において、AFX3772は忍容性が認められ、既存ワクチンよりも良好な免疫応答を示しました。2021年7月、50歳以上の成人に対する侵襲性肺炎球菌感染症および肺炎予防を適応症として、AFX3772は米国食品医薬品局(FDA)から画期的治療薬の指定を受けました。現在、第3相プログラムの開始に向けた準備を進めています。また、2022年6月より小児へのワクチン接種の効果を評価する第2相臨床試験を開始しました。

財務上の考慮事項
GSKは本契約に基づきAffinivax社の発行済株式を100%取得しました。今回の買収は、買収完了時に支払われた21億ドルの契約一時金と、小児を対象とした臨床試験における2つの重要な開発目標達成時に支払われるそれぞれ6億ドルのマイルストーンから構成されます。本取引は、1976年のハート・スコット・ロディノ反トラスト改善法に基づく待機期間の満了または早期終了を含む慣習的な事項が取引完了条件となっていました。GSKは、今回の取引を企業結合として会計処理します。

肺炎球菌感染症について
肺炎球菌感染症は、世界中で急性細菌性感染症の主な原因として挙げられる肺炎連鎖球菌という細菌によって引き起こされる感染症です。この感染症は、臨床スペクトルが広く、菌血症(敗血症)、肺炎、髄膜炎、その他比較的軽症である副鼻腔炎や中耳炎などがあります。現在、いくつものワクチンが利用可能であるにもかかわらず、広く認識されているアンメットメディカルニーズが依然として残っています。肺炎球菌による肺炎は、米国で毎年15万件の入院に関連していると推定されており、髄膜炎と菌血症による2019年の死亡例は、約3,250人に達しています1

多重抗原提示システム(Multiple Antigen Presentation System:MAPS™)について
MAPS™は、病原体由来の多糖類と免疫に関連するタンパク質を、ひとつのワクチンに正確かつ高親和性に結合させることができる新規かつ高効率のワクチン技術基盤です。多糖類とタンパク質の複合体で免疫することで、多糖類に対する広範なB細胞(抗体)免疫応答を、タンパク質に対する別のB細胞およびT細胞免疫応答が誘導されます。MAPS™の特徴的なプラグ・アンド・プレイの特性により、幅広い感染症へのターゲティングが可能となります。

GSKは、サイエンス、テクノロジー、人財を結集し、力を合わせて病に先手を打つことを存在意義とするバイオ医薬品のグローバルリーダーです。詳細情報はhttps://jp.gsk.comをご参照ください。

 


1 米国疾病管理予防センター 肺炎球菌感染症の概要(英語)はこちらhttps://www.cdc.gov/pneumococcal/about/facts.html