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GSK、臨床のバイオ医薬品開発企業の米Affinivax社を買収

この資料は、英国GSK plcが2022年5月31日に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先します。詳細はhttps://www.gsk.com/をご参照ください。

<2022年5月31日 英国ロンドン発>

GSK、臨床のバイオ医薬品開発企業の米Affinivax社を買収

  • GSKはAffinivax社に契約一時金21億ドル、進捗に応じたマイルストーンを最大12億ドル支払う予定
  • GSKは第2相段階にある次世代型24価肺炎球菌候補ワクチンに加えて、多重抗原提示システム(MAPS™)技術を取得
  • GSKのワクチンおよびスペシャリティ医薬品における強力なポートフォリオがより一層拡充される

GSK(本社:英国)は、バイオ医薬品開発企業のAffinivax社(本社:米国マサチューセッツ州ボストンケンブリッジ)と、契約一時金21億ドルおよび開発の進捗に応じたマイルストーン最大12億ドルを対価として買収に関する契約を締結したことを発表しました。Affinivax社は新規ワクチン開発のパイオニアであり、最も開発が進んでいる候補品として次世代型肺炎球菌ワクチンを有しています。

肺炎球菌感染症には、肺炎、髄膜炎、菌血症、そして、比較的軽症である副鼻腔炎や中耳炎などがあり、既存の肺炎球菌ワクチンがあるにもかかわらず、依然として大きなアンメットメディカルニーズが残っています。既存のワクチンの抗原結合技術を用いた場合、強い免疫干渉が起こるため、肺炎球菌には多くの異なる血清型が存在しているものの、既存のワクチンが対象とする血清型の数は限られています。

Affinivax社が開発した多重抗原提示システム(Multiple Antigen Presentation System、以下、MAPS™)は、従来の抗原結合技術よりも多くの価数に対応することを可能とする新規技術です。この技術は、一般的な肺炎球菌血清型に対してより広範な防御を可能とし、かつ、既存のワクチンよりも高い免疫原性(感染防御効果)を誘導することが期待されています。Affinivax社が有する最も開発が進んでいるワクチン候補(AFX3772)には、24種の多糖類(肺炎球菌莢膜ポリサッカライド)に加えて、2種類の肺炎球菌タンパク質が含まれています。さらに、30価を超える肺炎球菌ワクチン候補も前臨床開発が進行中です。

GSKチーフ・サイエンティフィック・オフィサーで、研究開発部門のプレジデントのハル・バロン(Dr. Hal Barron)は次のように述べています。
「今回のAffinivax社の買収によって、GSKのワクチン研究開発パイプラインはさらに強化されます。そして、この画期的なMAPSという新技術の活用が可能となり、さらにはボストン地域におけるGSKの科学的存在感はさらに高まるでしょう。私たちは、Affinivax社の多くの有能な人材と協力しながら、業界最先端の開発力、製造および商業化の能力を結集し、この素晴らしい新技術を必要とする人々に提供したいと考えています。」

成人を対象とした複数の第1/2相臨床試験において、AFX3772は忍容性が認められ、既存のワクチンよりも良好な免疫応答を示しました。2021年7月、50歳以上の成人に対する侵襲性肺炎球菌感染症および肺炎予防を適応症として、AFX3772は米国食品医薬品局(FDA)から画期的治療薬の指定を受けました。第3相臨床試験もまもなく開始される予定です。また、小児へのワクチン接種の効果を評価する第1/2相臨床試験は今年の後半に開始予定です。

Affinivax社のCEOのSteven Bruggerは次のように述べています。
「Affinivax社は、先進国および開発途上国の両方でワクチンのイノベーションを推進し、人々の生活に有意義な影響をもたらしたいという創業者たちの科学的かつ個人的な基本理念に基づき発展してきました。この8年間、私たちは、この基本理念をボストン小児病院におけるワクチン用MAPS技術基盤の開発のみならず、後期臨床試験段階にある私たちの主力のワクチン候補を含む、新規ワクチンの開発パイプラインにも応用してきました。GSKが、私たちチームの成果を認めてくれたことを誇りに思うとともに、MAPS技術基盤とその成功を支えてきたチームスタッフにとって、GSKは理想的な新天地であると確信しています。GSKの優れた能力によって、MAPS技術を活用した私たちの肺炎球菌ワクチン開発プログラムのようにMAPS技術が継続的に進展し、既存ワクチンが改良されること、そして、現在有効な免疫戦略がない新規感染症や薬剤耐性感染症に対抗できるワクチンが開発されることを期待しています。」

財務上の考慮事項

GSKは本契約に基づきAffinivax社の発行済株式を100%取得します。株式取得の対価は、買収完了時に支払われる21億ドルの契約一時金と、小児を対象とした臨床試験における2つの重要な開発目標達成時に支払われるそれぞれ6億ドルのマイルストーンから構成されます。本取引は、1976年のハート・スコット・ロディノ反トラスト改善法に基づく待機期間の満了または早期終了を含む慣習的な事項が取引完了条件となっています。買収手続きは、2022年の第3四半期に完了する予定です。

GSKは、今回の取引を企業結合として会計処理します。

GSKは、これまでに示している2022年の通期業績予想と2021年から2026年までの中期見通しとして恒常為替レート(CER:Constant Exchange Rate)ベースにおける年間平均成長率(CAGR: Compound Annual Growth Rate)が売上高で5%以上、調整後営業利益が10%以上に変更がないことを確認しました。

肺炎球菌について
細菌である肺炎連鎖球菌は、肺炎球菌による感染症を引き起こします。この感染症には、菌血症(敗血症)、肺炎、髄膜炎、そして比較的軽症である副鼻腔炎や中耳炎など複数の種類があります。これらの感染症に対しては、現在、いくつものワクチンが利用可能であるにもかかわらず、なお重大なアンメットメディカルニーズが残っています。肺炎球菌による肺炎は、米国で毎年15万件の入院に関連していると推定されており、髄膜炎と菌血症による2019年の死亡例は、約3,250人に達しています1

多重抗原提示システム(Multiple Antigen Presentation System:MAPS™)について
MAPS™は、疾患に関連する多糖類と疾患に関連するタンパク質抗原を、ひとつのワクチンに正確かつ高親和性に結合させることができる新規かつ高効率のワクチン技術基盤です。多糖類とタンパク質の複合体で免疫することで、多糖類に対する広範なB細胞(抗体)免疫応答を、タンパク質に対する別のB細胞およびT細胞免疫応答が誘導されます。MAPSの特徴的なプラグ・アンド・プレイの特性により、幅広い感染症へのターゲティングが可能となります。

当初、MAPSの用途は主として肺炎球菌感染症の予防に向けられていました。その後、院内感染菌を含むその他の感染症病原体に対しても適用可能であることが実証されています。

GSKは、科学に根差したグローバルヘルスケアカンパニーです。詳細情報はhttps://jp.gsk.com/をご参照ください。

 


1 米国疾病管理予防センター