GSK、60歳以上の成人を対象とした呼吸器合胞体ウイルスワクチン(RSVワクチン)の第III相臨床試験の良好な結果を発表
この資料は、英国GSK plcが2022年6月10日に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先します。詳細はhttps://www.gsk.com/をご参照ください。
<2022年6月10日 英国ロンドン発>
GSK、60歳以上の成人を対象とした呼吸器合胞体ウイルスワクチン(RSVワクチン)の第III相臨床試験の良好な結果を発表
- RSVワクチン候補として初めて、60歳以上の成人における統計学的に有意、かつ臨床的に意義のある有効性が示された
- RSV A型とB型、主要な副次的評価項目、70歳以上の高年齢成人においても一貫した効果が確認された
- 迅速に規制当局と連携し、2022年下期に規制当局へ承認申請を予定
GSK(本社:英国)は、AReSVi 006第III相臨床試験において、事前に設定された有効性中間解析から良好な結果が得られたことを発表しました。独立データモニタリング委員会によって審査された中間解析で、主要評価項目を達成し、安全性においても予期せぬ懸念事項は認められませんでした。AReSVi 006試験は、60歳以上の成人を対象としたGSKの呼吸器合胞体ウイルス(Respiratory Syncytial Virus、以下RSV)ワクチンの第III相臨床試験です。
GSKのチーフ・サイエンティフィック・オフィサーで、研究開発部門のプレジデントであるハル・バロン(Dr. Hal Barron)は次のように述べています。
「今回のデータから、GSKのRSVワクチン候補は、高年齢成人をRSV感染による深刻な病態から守る、予防効果を有することが示唆されました。RSVは、依然としてワクチンが存在しない数少ない主要な感染性疾患のひとつであり、世界で毎年36万例の入院と24,000例以上の死亡原因となる疾患です。これらのデータからGSKのRSVワクチン候補が、RSVの診療に有意義な影響を与え、成人の入院数や死亡数の低減に寄与する可能性を示しました。私たちは、今回のデータの重要性を考慮し、迅速に規制当局と連携しながら、2022年下期に規制当局へ承認申請を予定しています。」
この第III相臨床試験の結果は、査読付きのジャーナルおよび今後開催される学術集会で発表される予定です。AReSVi 006試験では、高年齢成人を対象としたRSVワクチン候補について、年1回の接種時と1回接種後の複数シーズンにわたる長期的な予防効果の両方を引き続き評価します。
GSKの高年齢成人を対象としたRSVワクチン候補は、膜融合前型の遺伝子組換えRSV F糖タンパク質(RSVPreF3)抗原とGSK独自のAS01アジュバントを組み合わせています。AS01アジュバントは、GSKの確立された複数のアジュバント添加ワクチンに用いられています。抗原とアジュバントの組み合わせは、加齢に伴う免疫低下の克服に役立つ可能性があり、RSV感染症から高年齢成人を守ることにつながります。
AReSVi 006試験について
AReSVi 006第III相臨床試験は、60歳以上の成人を対象としたアジュバント添加RSVPreF3候補ワクチンを単回投与したときの有効性を検討する、無作為化プラセボ対照観察者盲検国際共同試験です。17ヵ国から約25,000例が登録されました。
AReSVi 006試験は、GSKが実施する包括的なRSVエビデンス創出プログラムの一部です。AReSVi 004試験(高年齢成人を対象とし、このワクチン候補の免疫原性、安全性、副反応および免疫応答の持続性を検討する、並行して行われている第III相試験)の社内解析結果から、60歳以上の被験者において、高年齢成人を対象としたRSVワクチン候補を1回接種することで液性免疫および細胞性免疫が誘導されることが示されました。また、この免疫応答は、ワクチン接種前の値を上回る状態で、少なくともワクチン接種後6ヵ月の測定時点まで持続することが確認されています。
AReSVi 006試験は、GSK社内および外部の独立データモニタリング委員会によって安全性データが継続的にレビューされ、厳重に管理されています。
呼吸器合胞体ウイルス(RSV:Respiratory Syncytial Virus)について
RSVは、肺および呼吸器に影響を及ぼす一般的な感染性ウイルスです。現在でも、RSVはワクチンや特定の治療法のない主要な感染性疾患のひとつです。高年齢成人は、加齢に伴う免疫低下や基礎疾患のため重度の疾患となるリスクが高くなります。RSVにより、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、慢性心不全などの症状が悪化し、肺炎、入院、死亡などの重篤な転帰につながる可能性があります。RSVは、全世界で毎年36万例以上の成人の入院と24,000例の死亡原因となっています。基礎疾患のある成人では、基礎疾患のない成人と比較し、受診する可能性が高く、入院率が高くなります。
GSKは、科学に根差したグローバルヘルスケアカンパニーです。詳細情報はhttps://jp.gsk.com/をご参照ください。