GSK、帯状疱疹に関する新たな大規模観察研究を実施 COVID-19が50歳以上の成人での帯状疱疹の発症リスクを高める可能性を示唆

この資料は、英国グラクソ・スミスクラインplcの米国オフィスが2022年4月6日に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先します。詳細はhttps://us.gsk.com/をご参照ください。

<2022年4月6日 米国フィラデルフィア発>

GSK、帯状疱疹に関する新たな大規模観察研究を実施
COVID-19が50歳以上の成人での帯状疱疹の発症リスクを高める可能性を示唆

  • 米国人約2百万人から収集したデータ(レトロスペクティブ・コホート研究:2020年3月~2021年2月)解析の結果、COVID-19と診断された患者さんは、診断後6ヵ月以内に帯状疱疹を発症するリスクが高い可能性があることが示唆された
  • 入院が必要なCOVID-19の重症患者さんでは、帯状疱疹の発症リスクがさらに高い可能性があることが示唆された

GSKが実施した新たな大規模研究の結果、米国の50歳以上でCOVID-19と診断された人は、COVID-19と診断されなかった人と比較して、痛みを伴う皮膚の病気である「帯状疱疹(たいじょうほうしん)」の発症リスクが高い可能性があることが示唆されました。この結果は、米国感染症学会のOpen Forum Infectious Diseasesで発表されました。

主な結果は以下のとおりです。

  • 本レトロスペクティブ・コホート研究では、COVID-19に罹患した50歳以上の成人は、COVID-19と診断されなかった対照群と比較して、帯状疱疹の発症リスクが15%高かった
  • 帯状疱疹の発症リスクが高い状態は、COVID-19の診断から最長6ヵ月間続いた
  • COVID-19で入院した患者では、帯状疱疹の発症リスクが21%高かった

本研究では、米国における2つの大規模データベースの医療費請求データに基づき、さまざまな既知の帯状疱疹リスク因子を用いて、50歳以上のCOVID-19の罹患者および非罹患者を比較しました。帯状疱疹またはCOVID-19のいずれかのワクチン接種者はコホートから除外しました。

GSKの米国メディカルアフェアーズのバイスプレジデント兼ワクチン領域責任者である
Temi Folaranmi(MD)は次のように述べています。

「今回の研究結果は、加齢に伴う免疫力の低下により帯状疱疹の発症リスクがすでに高い高齢者において、COVID-19罹患と帯状疱疹発症リスクの増加を関連付ける初めての疫学的エビデンスです。医療従事者が、帯状疱疹を発症するというこの潜在的なリスク増加を認識し、COVID-19の罹患後に、帯状疱疹を発症した患者さんを早期に診断し治療できるようにすることが重要です。また、これらの結果は、COVID-19や帯状疱疹のようなワクチンで予防可能な疾患リスクを有する高齢者の健康を守るために、ワクチン接種などの予防対策が重要であることを示しています。」

帯状疱疹は、水ぼうそうの原因となる水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)が体の中で再活性化することで発症する皮膚の病気です。50歳以上の成人のほぼ全員は、帯状疱疹の原因となるウイルスがすでに体内に潜んでいる可能性があります。加齢に伴う自然な免疫力低下によって、VZVが再活性化し帯状疱疹を発症します。免疫システムが抑制されている、または損なわれている人は、帯状疱疹の発症リスクが高くなります。

本研究の著者は、これまで発表された症例報告と同様、COVID-19が免疫細胞を破壊することでVZVが再活性化し、帯状疱疹を発症することを示唆していますが、この仮説を検証するにはさらなる研究が必要です。

帯状疱疹に罹患すると通常、顔面、胸部、腹部または顔面の左右どちらかに生じる痛みやかゆみを伴う発疹が現れます。帯状疱疹を発症したほとんどの人は急性の痛みを経験しますが、それらは灼熱感、または刺すような痛みを伴い、数週間にわたって日常生活に著しい支障をきたすことがあります。帯状疱疹の治療と予防の詳細については、米国疾病対策予防センター(CDC)の帯状疱疹に関する情報をご覧ください。

研究手法
データは”Truven MarketScan Commercial Claims and Encounters,Medicare Supplemental”および”Optum Clinformatics Data Mart”のデータベースから入手しました。これらのデータベースには、医療費請求、処方薬、外来における臨床検査結果データが含まれています。

初めてCOVID-19と診断された患者さんを、年齢、性別、帯状疱疹のリスク因子および医療費に基づき、対照群と比較しました。基準を満たした個人集団の中から、COVID-19罹患群の各患者さんをCOVID-19非罹患群の4例の患者さんと無作為に比較しました。

本研究の対象は、過去にCOVID-19または帯状疱疹のワクチン接種を受けたことがない患者さんです。ワクチン接種の状況は、全米医薬品コード(NDC)および診療報酬支払コード(Current Procedural Terminology codes)に基づくものです。

本研究の限界として、請求データに基づくレトロスペクティブ研究に固有のものが挙げられます。本研究では潜在的交絡因子をコントロールしていますが、交絡因子が残存している可能性があります。例えば、本研究では帯状疱疹およびCOVID-19のワクチン接種者を除外しましたが、一部のワクチン接種がデータベースに記録されていない可能性があります。また、本研究対象の2つのデータベースには、メディケイドやメディケア(メディケア・アドバンテージ以外)の加入者情報は含まれていないため、結果の一般化に影響を及ぼす可能性があります。

GSKは、科学に根差したグローバルヘルスケアカンパニーです。詳細情報はhttps://jp.gsk.com/をご参照ください。