GSK、RTS,S/AS01e(RTS,S)マラリアワクチンの広範な使用に関するWHOの推奨を歓迎
この資料は、英国グラクソ・スミスクラインplcが2021年10月6日に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先されます。詳細はhttps://www.gsk.com/をご参照ください。
<2021年10月6日 英国ロンドン発>
GSK、RTS,S/AS01e(RTS,S)マラリアワクチンの広範な使用に関するWHOの推奨を歓迎
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WHOは、予防接種とマラリアに関する国際諮問委員会の推奨に基づき、サハラ以南のアフリカおよび中等度から高度の感染地域の子どもたちを対象に、GSKのRTS,Sマラリアワクチンのより広範な使用を推奨
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ガーナ、ケニア、マラウイにおけるマラリアワクチンのパイロットプログラムでは、小児を対象とした実臨床使用下での効果、地域社会からの強い要望、そしてRTS,Sが小児定期予防接種プログラムを通じて効果的に提供可能であることを確認
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RTS,Sと季節性マラリア薬との併用により、マラリアの発症、重症化による入院、および死亡を約70%減少させることを示す新規データに基づき、RTS,Sは推奨を取得
グラクソ・スミスクライン(本社:英国、以下GSK)は、サハラ以南のアフリカや世界保健機関(WHO)が定義する中等症から重症のマラリア感染がみられる地域の子どものマラリアによる疾患および死亡を減少させるため、GSKのRTS,Sマラリアワクチンの広範な使用に関するWHOの推奨を歓迎し、高く評価しています。RTS,Sは、主要な長期臨床試験で子どものマラリアを有意に減少させることが初めて示された唯一のマラリアワクチンです。このワクチンは、GSKがPATHおよびその他のパートナーと共同で30年以上にわたり研究した成果です。
GSKのチーフ・グローバルヘルス・オフィサーであるトーマス・ブリューワーは、次のように述べています。
「GSKは、数十年にわたり我々のチームとパートナーが開発した画期的なマラリアワクチンであるRTS,Sが、サハラ以南のアフリカや、中等度から高度のマラリア感染がみられる地域の子どもに使用できるようになり、大変誇らしく思います。マラリア対策が進展していないこれらの地域において、このたびの画期的な決定は長らく切望されていたものであり、マラリアとの闘いを再び活性化できると考えます。実臨床のエビデンスと臨床試験データはいずれも、RTS,Sが他のマラリア予防対策とともに、何十万人もの命を救える可能性を示しています。」
GSKは、マラウイ、ケニア、およびガーナでのパイロットプログラムを超える規模の広範な接種が行われることを見込み、すでにパートナーと協力して、RTS,Sワクチンを必要とする人々へ公平かつ長期的に供給可能にするソリューション開発に取り組んでいます。GSKは、パイロット試験に使用するRTS,Sを最大1,000万本寄付するとともにこのたびの推奨および広範な使用に向けた資金提供を受け、年間最大1,500万本を提供することを決定しています。また、抗原の長期的な製造にあたり、インドのBharat Biotech社への技術移転を含む製品移転も進行中です。GSKは今後、ワクチンの追加供給をサポートするため、パートナー、資金提供者および政府と緊密に連携し、利益が製造コストの5%を超えない範囲で、年間1,500万回接種分のワクチンの提供に注力します。
パイロットプログラムから得られたデータに基づく、WHOのこのたびの推奨は、RTS,Sマラリアワクチンに関する、ここ数週間のうちの2つ目の重要なマイルストーンとなります。今年8月、New England Journal of Medicine誌に掲載されたLondon School Hygiene and Tropical Medicinesの6,000人の子どもを対象とした研究データでは、3年間にわたり抗マラリア薬(季節性マラリア予防/SMC)とRTS,Sワクチンの併用を行った結果、マラリアの発症、WHOが定義する重症マラリアによる入院、死亡がSMC単独と比較して約70%減少したことが示されています1。これらのデータは、RTS,Sワクチン接種により、特に季節性マラリアに対して推奨されている他の対処法と併用した場合、死亡率を低下させる可能性があることを示しています。
2019年にマラリアワクチンのパイロット試験が開始されて以来、ガーナ、ケニア、マラウイの3カ国では、中等度から高度のマラリア感染がみられる特定の地域でマラリアワクチンを導入し、80万人を超える子どもに少なくとも1回分以上のワクチンを届け、合計230万回を超えるワクチン接種が行われました。ワクチンに対する地域社会からの要望は強く、また、小児定期予防接種プログラムを通じて効果的にワクチンを提供できることが確認されました。
GSKは、マラリア撲滅は社会全体の責務であり、これには、実施可能な検査や治療、ワクチンなどの予防手段、蚊帳、地域の予防や治療を支援するための研修を受けた医療従事者など、幅広い取り組みが必要と考えています。
GSKは、広範なグローバルヘルス研究開発プログラムの一環として積極的なマラリア研究を継続しているほか、コミックリリーフやAMREF Health Africaなどのパートナーと協力して公衆衛生に対する意識向上を図り、医療サービスが十分に提供されていない地域の医療従事者に対しマラリアの診断と治療の向上を図るための研修を実施するとともに、検査や投薬の利用機会を広げています。
GSKは、科学に根差したグローバルヘルスケアカンパニーです。詳細情報はhttps://jp.gsk.com/を参照ください。
1 Daniel Chandramohan et al. Seasonal Malaria Vaccination with or without Seasonal Malaria Chemoprevention. New England Journal of Medicine, August 2021.