GSKとCureVac、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する次世代メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンの共同開発を発表
この資料は、英国グラクソ・スミスクラインplcが2021年2月3日(英国現地時間)に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先します。詳細は https://www.gsk.com/ をご参照ください。
<2021年2月3日、英国ロンドン、ドイツ テュービンゲン、米国ボストン発>
GSKとCureVac、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する次世代メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンの共同開発を発表
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両社は、パンデミックや流行性感染症における新たな変異株に対処する多価ワクチン候補の共同開発を目指す
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薬事承認を前提とする2022年のワクチン実用化を目指し、直ちに開発を開始
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GSKは2021年、CureVac社の第一世代COVID-19ワクチンCVnCoVについて最大1億回分の製造も支援
グラクソ・スミスクライン(本社:英国、以下GSK)とCureVac N.V.(本社:米国、以下CureVac社)は2月3日、これまでの提携に加えて、1つのワクチンで複数の新たな変異株に対処する多価ワクチンというアプローチにより、COVID-19に対する次世代mRNAワクチンを共同開発するため、1億5,000万ユーロの新たな提携を発表しました。
GSKは2021年、CureVac社の第一世代COVID-19ワクチン候補CVnCoVについて、最大1億回分の製造も支援します。
この新たな独占的共同開発契約により、GSKとCureVac社は、多価ワクチンおよび単価ワクチンを含む、多くの新規mRNAワクチン候補の研究、開発ならびに製造に、リソースと専門知識を提供していきます。今回の共同開発の目的は、さまざまなSARS-CoV-2(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス-2)の変異株に対するより広範な防御を提供し、将来出現する可能性のある新たな変異株に迅速に対応できるようにすることです。薬事承認を前提とする2022年のワクチン実用化を目指し、直ちに開発を始めます。
第一世代COVID-19ワクチンの有効性を低下させる可能性のある変異株が次々と出現していることから、パンデミックの一歩先を行くためには、新たな変異株に対するワクチン開発の取り組みを加速させる必要があります。次世代COVID-19ワクチンは、これまでワクチン接種を受けていない人々を守るため、もしくは1回目のワクチン接種で獲得したCOVID-19に対する免疫が時間の経過とともに低下した場合のブースターとして使用できる可能性があります。更に今回は、COVID-19をはじめとする複数の呼吸器系ウイルスの感染を予防するための新規mRNAワクチン開発に関する評価も行います。
今回の共同開発は、現在第IIb/III相臨床試験が進行中のCureVac社の第一世代COVID-19ワクチン候補CVnCoVの開発技術と、強力な免疫応答、製造のしやすさ、2~8℃という標準的な低温物流下での安定性を確保するためにmRNAを最適化するCureVac社の技術力を活用し、行われます。また、適正な免疫応答を示す低用量のmRNAを使用した多価ワクチンの設計には、CureVac社のプラットフォームが用いられます。
GSKの最高経営責任者であるエマ・ウォルムズリーは次のように述べています。
「COVID-19との継続的な闘いにおいて、次世代ワクチンは極めて重要であると考えています。今回の提携はCureVac社とのこれまでの関係に基づくものであり、mRNAとワクチン開発における科学的な専門知識を結集し、COVID-19に対する新たなワクチン候補の開発を進め、加速させていくことを意味しています。また同時に、当社は、CureVac社の第一世代ワクチンについて、2021年に1億回分の製造を支援します。」
CureVac社の最高経営責任者である、Franz-Werner Haasは次のように述べています。
「現在のワクチン候補であるCVnCoVに加え、mRNAを使用した次世代ワクチンの共同開発を行うため、これまでのGSKとの関係を基に、今回新たに提携できることを大変嬉しく思います。我々は、GSKのワクチンに関する専門知識のサポート受けながら、新しいワクチンにより将来の健康上の課題を解決する準備を進めています。」
今回の提携の一環として、GSKは、現在第IIb/III相臨床試験が進行中のCureVac社の第一世代COVID-19ワクチン候補CVnCoVの製造も支援します。GSKは、ベルギーでの製造ネットワークを活用し、2021年に最大で1億回分のワクチン製造を支援することを目指しています。
今回の新たな提携契約に基づき、スイス以外ではGSKが次世代ワクチンの製造販売承認を取得し、ドイツ、オーストリア、スイスを除くすべての国で、次世代COVID-19ワクチンの開発、製造、販売の独占的な権利を保有します。GSKは、特定のマイルストーン達成を条件に、7,500万ユーロの前払い一時金と、追加で7,500万ユーロのマイルストーン支払いを行います。
GSKについて
GSKは、より多くの人々に「生きる喜びを、もっと」を届けることを存在意義とする科学に根差したグローバルヘルスケアカンパニーです。詳細情報については https://jp.gsk.com/ をご覧ください。
CureVac社について
CureVac社は、mRNA技術の分野において世界的なバイオ医薬品企業であり、20年以上にわたり、医療用としてさまざまな用途で使用される生体分子の開発と最適化に関し、専門性を発揮しています。CureVac社は、化学的に修飾されていないmRNAをデータキャリアとして用い、多くの疾患から身を守るためのタンパク質を生成するよう、体内で指令を出せるようにする独自の技術を有しています。この技術に基づき、CureVac社は予防ワクチン、がん治療、抗体治療および希少疾患治療の分野において、豊富なパイプラインを築き上げています。CureVac社は、2020年8月にニューヨーク・ナスダックで、新規に株式公開をしています。2021年1月には、バイエル社と提携、サービス契約を締結しています。CureVac社の本社はドイツ・テュービンゲンにあり、テュービンゲン、フランクフルト、米国ボストンの拠点に500人以上の従業員がいます。詳細については、https://www.curevac.com/ をご覧ください。