1日1回投与、単一吸入器による3成分配合治療薬「テリルジー100エリプタ」、成人に対する気管支喘息治療薬として製造販売承認事項一部変更承認を取得 「テリルジー200エリプタ」は、気管支喘息の効能・効果で新たに製造販売承認を取得
グラクソ・スミスクライン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:ポール・リレット、以下GSK)およびInnoviva, Inc.(NASDAQ:INVA)は、本日、1日1回投与、単一吸入器による3成分配合治療薬「テリルジー100エリプタ14吸入用」、「テリルジー100エリプタ 30吸入用」(一般名:フルチカゾンフランカルボン酸エステル/ウメクリジニウム臭化物/ビランテロールトリフェニル酢酸塩、FF/UMEC/VI 以下テリルジー)について、成人の気管支喘息治療薬の効能・効果で、製造販売承認事項一部変更承認を取得しました。また「テリルジー200エリプタ14吸入用」、「テリルジー200エリプタ30吸入用」は、この度新たに、成人の気管支喘息の効能・効果で製造販売承認を取得いたしました。
テリルジーは、吸入ステロイド薬(ICS)であるFF、長時間作用性抗コリン薬(LAMA)であるUMEC、および長時間作用性β2刺激薬(LABA)であるVIの3成分を、GSKのドライパウダー吸入器であるエリプタを使用して1日1回吸入します。なおテリルジー100は、COPD(慢性閉塞性肺疾患)と気管支喘息の適応症で承認を取得している、国内で初めての3成分配合治療薬になります。
今回の承認は、第III相CAPTAIN試験と国内第III相臨床試験の結果に基づくものです。CAPTAIN試験は、ICSとLABAによる既存治療ではコントロール不十分な、日本人229人を含む15カ国の成人気管支喘息患者さん2,436人を対象に、1日1回投与、単一の吸入器による3成分配合治療薬テリルジー エリプタとレルベア エリプタ(FF/VI)とを比較した試験です。また国内第III相臨床試験は、テリルジー吸入による52週間の長期安全性を評価した非盲検試験です。
今回の承認を受け、GSK代表取締役社長ポール・リレットは次のように述べています。
「今回の承認により、気管支喘息の患者さんに1日1回、単一吸入器による3成分配合治療薬という新たな治療選択肢を提供することができるようになります。これは、呼吸器領域におけるリーディングカンパニーとしての使命達成に向けての一歩を踏み出す、重要なマイルストーンです。我々は、今後も適正使用を推進することで、喘息症状の管理が改善され、患者さんが毎日の生活を安心して送れるようになることに貢献できるよう努めて参ります。」
「テリルジーエリプタ」の製品概要
以下表内の下線部分が今回の変更箇所です。
製品名 |
テリルジー100エリプタ 14吸入用 |
有効成分 |
フルチカゾンフランカルボン酸エステル/ウメクリジニウム臭化物/ビランテロールトリフェニル酢酸塩 |
効能・効果 |
テリルジー100エリプタ 〇慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎・肺気腫)の諸症状の緩解(吸入ステロイド剤、長時間作用性吸入抗コリン剤及び長時間作用性吸入β2刺激剤の併用が必要な場合) テリルジー200エリプタ |
用法・用量 |
<気管支喘息> <慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎・肺気腫)の諸症状の緩解> |
喘息について
現在、全世界で約2億4,200万人が喘息に罹患していると推定されています1。日本では、全国主要9都市での調査の結果、成人(20~44歳)での有病率が10.4%2、約800万人が喘息に罹患していると推定されています3。そしてアレルギーや呼吸器専門医の治療を受けている喘息患者さんにおいて、全体の75.6%が、また喘息予防・管理ガイドライン(2015)において、ICS/LABA/LAMAの3成分併用療法が推奨されている治療ステップ3や4に該当する患者さん4においても、80~90%が症状のコントロールが不十分である5との調査結果もあります。
テリルジー エリプタ(FF/UMEC/VI)について
テリルジー エリプタは、単一の吸入器で投与する3成分配合治療薬です。吸入ステロイド薬であるフルチカゾンフランカルボン酸エステル、長時間作用性抗コリン薬であるウメクリジニウム臭化物、および長時間作用性β2刺激薬であるビランテロールトリフェニル酢酸塩が含有され、GSKのドライパウダー吸入器であるエリプタを使用して吸入します。
日本国内において、「テリルジー100エリプタ14吸入用」および「テリルジー100エリプタ30吸入用」は、2019年3月26日、慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎・肺気腫)の諸症状の緩解(吸入ステロイド剤、長時間作用性吸入抗コリン剤及び長時間作用性吸入β2刺激剤の併用が必要な場合)の効能・効果で製造販売承認を取得しています。
CAPTAIN試験について
CAPTAIN試験(Clinical study of Asthma Patients receiving Triple therapy through A single INhaler:成人気管支喘息患者を対象とした、1日1回、単一の吸入器による3成分配合治療薬の臨床試験)は、無作為化、二重盲検、実薬対照、6群並行群間、国際多施設共同試験であり、現在の標準療法であるICS/LABA(フルチカゾンプロピオン酸エステル250µg/日超、または相当量のICSおよびLABA)による維持療法にも関わらずコントロール不十分な成人気管支喘息患者を対象に、テリルジー(100/31.25/25µg、100/62.5/25µg、200/31.25/25µg、および200/62.5/25µg)もしくはレルベア(100/25µgおよび200/25µg)を投与し、比較評価しました。この試験には、日本人229人を含む15カ国の成人気管支喘息患者さん2,436人が参加し、6つの治療群それぞれに約400人の患者が無作為に割り付けられました。
本試験の主要評価項目である呼吸機能(投与24週時におけるFEV1トラフ値のベースラインからの変化量)においてテリルジー100(100/62.5/25µg)群では、レルベア(100/25µg)群に対して110mL(p<0.001、反復測定混合モデル、95% CI:66~153mL)の改善が、またテリルジー200(200/62.5/25µg)群では、レルベア(200/25µg)群に対して92mL(p<0.001、反復測定混合モデル、95% CI:49~135mL)の改善が認められ、いずれも統計学的に有意な改善でした6。
GSKの呼吸器領域への注力と貢献
GSKは約50年にわたり、気管支喘息とCOPDの領域において、治療薬の研究開発をリードしてきました。1969年の世界初となる短時間作用型β2刺激薬をはじめ、最近5年間で7つもの薬剤を発売し、今日の呼吸器領域における先進的な製品群につなげてきました。私たちはこれからも適切な患者さんに適切な治療を届けられるよう、多くの医療関係者とともに、世界に誇る科学を駆使し、明日の治療を変える薬剤の研究開発に注力してまいります。すべての患者さんが、呼吸を妨げられずに生活できる日が来るまで、私たちは歩みを止めることはありません。
GSKは、より多くの人々に「生きる喜びを、もっと」を届けることを存在意義とする科学に根差したグローバルヘルスケアカンパニーです。詳細情報は https://jp.gsk.com/ をご参照ください。
1 Global Burden of Disease Study 2013 Collaborators. Global, regional, and national incidence, prevalence, and years lived with disability for 301 acute and chronic diseases and injuries in 188 countries, 1990–2013: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2013. Lancet. 2015; 386:743–800
2 厚生労働科学研究費『アレルギー疾患対策に必要とされる疫学調査と疫学データベース作成に関する研究(代表 赤澤晃)2016年度報告書』
3 厚生科学審議会 疾病対策部会 リウマチ・アレルギー対策委員会 報告書,2011
4 一般社団法人日本アレルギー学会 喘息予防・管理ガイドライン2015 内「喘息治療ステップ」
5 Asthma control and quality of life in a real-life setting: a cross-sectional study of adult asthma patients in Japan (ACQUIRE-2)
6 Lancet Respir Med. 2020 Sep 9:S2213-2600(20)30389-1. doi: 10.1016/S2213-2600(20)30389-1