グラクソ・スミスクライン 2020年第2四半期業績発表

この資料は、英国グラクソ・スミスクラインplcが2020年7月29日に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先されます。詳細は https://www.gsk.com をご参照ください。

2020年7月29日 英国ロンドン発

グラクソ・スミスクライン 2020年第2四半期業績発表
売上高は76億ポンド、AERベースで2%減、CERベースで3%減(プロフォーマCERベースは10%減*)

一株当たり利益は45.5ペンス、AERベースで100%超増、CERベースで100%超増
調整後一株当たり利益は19.2ペンス、AERベースで37%減、CERベースで38%減

2020年第2四半期業績および製品に関するハイライト

  • グループ全体の売上高は76億ポンド、AERベースで2%減、CERベースで3%減(プロフォーマCER*ベースは10%減、売却済みおよび売却検討中のブランドを除くと8%減)。医療用医薬品は41億ポンド、AERベースで5%減、CERベースで5%減。ワクチンは11億ポンド、AERベースで29%減、CERベースで29%減。コンシューマー・ヘルスケアは24億ポンド、AERベースで25%増、CERベースで25%増(プロフォーマCERベースは6%減)
  • 上半期のグループ全体の売上高は167億ポンド、AERベースで8%増、CERベースで8%増(プロフォーマCER*ベースは横ばい、売却済みおよび売却検討中のブランドを除くと1%増)
  • 第2四半期売上の減少は、予測されていた通りCOVID-19の影響を特にワクチンにおいて受けたことに加え、医療用医薬品およびコンシューマー・ヘルスケアにおける第1四半期からの在庫調整による影響を反映
  • 呼吸器領域製品の総売上高は8億8,300万ポンド、AERベースで17%増、CERベースで16%増。テリルジーの売上高は1億9,400万ポンド、AERベースで62%増、CERベースで58%増。ヌーカラの売上高は2億4,100万ポンド、AERベースで24%増、CERベースで21%増
  • HIV治療薬の総売上高は12億ポンド、AERベースで2%減、CERベースで3%減。2剤併用レジメンの売上高は1億8,100万ポンド、AERベースで100%超増、CERベースで100%超増(ドウベイトの売上高は6,800万ポンド、AERベースで100%超増、CERベースで100%超増。ジャルカの売上高は1億1,300万ポンド、AERベースで35%増、CERベースで33%増。)
  • シングリックスの売上高は3億2,300万ポンド、AERベースで16%減、CERベースで19%減
  • グループ全体の営業利益率は37.4%。グループ全体の調整後営業利益率は22.9%で、これは売上の減少と研究開発への投資の増加を反映
  • 一株当たり利益は45.5ペンス、AERベースで100%超増、CERベースで100%超増。ホーリックス事業およびその他のコンシューマー・ヘルスケアブランドの売却益を反映
  • 調整後一株当たり利益は19.2ペンス、AERベースで37%減、CERベースで38%減。売上の減少と2019年のコンシューマー・ヘルスケア合弁会社の設立と税率の上昇による非支配持分の上昇を反映
  • 第2四半期の事業からのネットキャッシュフローは2億7,600万ポンド。フリーキャッシュフローは1億9,500万ポンド
  • 第2四半期の配当は19ペンス

ガイダンス

  • 2020年度の調整後一株当たり利益の見通しは変更なし。特にワクチン接種率の回復のタイミング次第で影響を受ける可能性あり

開発パイプラインに関するハイライト

  • バイオ医薬品パイプラインの継続的強化。パイプラインには現在35の医薬品および15のワクチンがあり、うち75%以上が免疫領域にフォーカス
  • 第2四半期には3つの承認を取得:卵巣がん治療薬Zejula、HIV治療薬Rukobiaおよび日本における腎性貧血治療薬ダーブロック。オンコロジーおよび呼吸器領域においてさらなる承認が見込まれる
  • HIV
    • Cabenuvaが米国でHIV治療薬として再申請。規制当局による承認可否の決定は2021年第1四半期の見込み
    • 曝露前予防投与において、長時間作用型のカボテグラビルがツルバダ対して優位性を示すデータが国際エイズ学会で発表された
    • Rukobiaが、治療選択肢がほとんどない成人患者におけるファースト・イン・クラスの治療薬としてFDAより承認取得
  • オンコロジー
    • Zejulaがバイオマーカーの発現状況に関わらず全ての患者の卵巣がんに対するファーストラインの維持療法としてFDAより承認取得
    • 多発性骨髄腫に対するbelantamab mafodotinについて、欧州医薬品庁(EMA)ヒト用医薬品委員会(CHMP)より肯定的見解が示されたほか、FDA諮問委員会ではリスク・ベネフィットプロファイルに対する投票で肯定的結果(12-0)が示され、8月に承認が見込まれる
  • 呼吸器
    • ヌーカラの好酸球増加症候群(HES)に対してFDAは優先審査を適用。2021年上半期に承認が見込まれる
  • ワクチン
    • 妊産婦および高齢の成人に対するRSウイルスワクチンの第Ⅱ相臨床試験で良好なデータが得られ、近く学会で発表される予定。また2020年下半期には成人の妊産婦における第Ⅲ相臨床試験が開始される予定
    • mRNAテクノロジーに関するキュアバック社との戦略的提携を発表

COVID-19に対するGSKの対応

  • COVID-19に対するアジュバント添加ワクチンの開発を目的とした複数の提携が進行中。Clover Biopharmaceuticals社およびメディカゴ社との協業において、第Ⅰ相臨床試験を開始。
  • 2021年までに10億回分のワクチンアジュバントを生産する意向を発表。英国政府と、現在サノフィ社とGSKが共同で開発中のワクチンを6,000万回分供給することで合意。米国およびEUとの協議も進行中
  • Vir Biotechnology社との協業において、COVID-19に罹患した高リスクの外来患者を対象とした同社の抗体治療薬の第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験が第3四半期に開始する見込み。COVID-19治療薬としてのOtilimabの前期第Ⅱ相プルーフ・オブ・コンセプト試験を開始。

 

2020年第2四半期業績結果
  Q2 2020 成長率 H1 2020 成長率
  £m £% CER% £m £% CER%
売上 7,624 (2) (3) 16,714 8 8
営業利益合計 2,850 92 90 4,864 67 66
一株当たり利益合計 45.5p >100 >100 77.0p >100 >100
調整後営業利益 1,749 (19) (21) 4,424 2 2
調整後一株当たり利益 19.2p (37) (39) 56.9p (6) (6)
営業活動によるネットキャッシュ 2,760 99   3,725 82  
フリーキャッシュフロー 1,949 >100   2,480 >100  

全体の業績結果は英語プレスリリース12,28ページの「Financial performance」に、調整後業績結果の修正は24、25、38、39ページに記載されています。調整後の業績結果はIFRSに基づかない指標であり、IFRSに基づき提示されている情報に加えて検討する性質のものであり、それに代わるまたはそれより優れているものではありません。調整後業績結果は10ページに記載されており、£%、AER%成長率、CER%成長率、フリーキャッシュフローおよびその他のIFRSに基づかない指標の定義は67ページに記載されています。GSKは、11ページに記載された理由のみに基づいて、調整後結果ベースにガイダンスを提示しています。将来の業績や配当金の支払いに関する全ての見込み、ガイダンスや目標は、68、69ページにある「Outlook, assumptions and cautionary statements」と併せて読む必要があります。

* 報告AER、CER成長率には、ファイザーの前のコンシューマー・ヘルスケア事業の3カ月間の業績結果が含まれています。プロフォーマCER成長率は、ファイザーが報告している通りの同社のコンシューマー・ヘルスケア事業の3カ月間の業績結果と同等の結果が、2019年第2四半期および2019年上半期の比較期間に含まれているという前提に基づいて計算されています。英語プレスリリース11ページの「プロフォーマ成長」を参照。

最高経営責任者のエマ・ウォルムズリーは次のように述べています。

「GSKの事業基盤は依然として強固であり、戦略的な優先課題について良好な推進力を維持しています。この第2四半期、スペシャリティケア領域のパイプラインにあるHIVやオンコロジーの薬剤について有望なデータを発表し、規制当局から肯定的な審査結果を得られました。またコンシューマー・ヘルスケア事業の分社化に向けた準備として、事業統合およびFuture Readyプログラムをさらに進展させました。

COVID-19の予防および治療には複数の選択肢が必要であると考えており、ウイルスと闘うためのアジュバント添加ワクチン候補および治療薬を開発するため、世界中の企業や機関との連携を進めています。同時に、最近ではキュアバック社との新たな提携を通じて、次世代ワクチンや抗体技術に対する戦略的な投資を行っています。

予想された通り、第2四半期の業績は、ロックダウン(都市封鎖)対策により医療従事者への訪問が限定的であったことから、ワクチン事業を中心にCOVID-19の影響を受けています。総じて、当社の主要製品に対する需要基盤は良好であり、COVID-19対策の影響が緩和されれば、今後の業績に反映されるものと確信しています。」

2020年ガイダンス

2020年2月5日の2019年度業績発表時には、2020年の通年予想に関して、調整後一株当たり利益はCERベースで-1%~-4%の範囲で低下する見込みであるというガイダンスを示しました。このガイダンスには、主要な新製品の成長への期待に加え、GSKの2社への分社化に向けた新たなプログラムの実施と併せて、新製品や研究開発パイプラインに対する継続的投資増加を伴う2年計画が開始したことへの期待が反映されています。このガイダンスでは、以前に発表した内容を超える投下資本引き揚げやCOVID-19が事業に与える影響は除外しています。

2020年上半期のグループ業績はCOVID-19パンデミックによる影響を受けました。予想された通り、第2四半期の業績は、COVID-19対策により医療従事者への訪問が限定的であったことから、ワクチン事業を中心に影響を受けています。

2020年の調整後一株当たり利益のガイダンスを維持していますが、通年業績に対しては顕著なリスクが残っています。特に米国でのワクチン接種率の回復時期に左右される見込みで、第3四半期には回復するものと予想しています。この回復が遅れた場合には、2020年業績に重大な影響が予想されます。例えば3ヶ月遅延した場合、調整後一株当たり利益への影響は最大5ポイントとなります。

将来の業績や配当金の支払いに関する全ての見込み、ガイダンスや目標は、英語プレスリリース68、69ページにある「Outlook, assumptions and cautionary statements」と併せて読む必要があります。2020年6月30日の終値(1.23ドル/1ポンド、1.10ユーロ/1ポンド、132円/1ポンド)の為替レートが2020年末まで続くと仮定した場合、2020年のスターリングでの売上高成長に対する影響はほぼ横ばいと推定され、為替差損益が2019年と同じ水準とみなされた場合、2020年のスターリング調整後一株当たり利益成長に対する影響もほぼ横ばいと推定されます。

プレスリリースの原文は https://www.gsk.com/media/6064/q2-2020-results-announcement.pdf をご参照ください。