グラクソ・スミスクライン 2020年第1四半期業績発表

この資料は、英国グラクソ・スミスクラインplcが2020年4月29日に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先されます。詳細は https://www.gsk.com をご参照ください。

2020年4月29日 英国ロンドン発

グラクソ・スミスクライン 2020年第1四半期業績発表
売上高は91億ポンド、AERベースで19%増、CERベースで19%増(プロフォーマCERベースは10%増*)

一株当たり利益は31.5ペンス、AERベースで87%増、CERベースで89%増
調整後一株当たり利益は37.7ペンス、AERベースで25%増、CERベースで26%増

2020年第1四半期業績および製品に関するハイライト

  • グループ全体の売上は91億ポンド、AERベースで19%増、CERベースで19%増(プロフォーマCERベースは10%増*)。医療用医薬品は44億ポンド、AERベースで6%増、CERベースで6%増。ワクチンは18億ポンド、AERベースで19%増、CERベースで19%増。コンシューマー・ヘルスケアは29億ポンド、AERベースで44%増、CERベースで46%増(プロフォーマCERベースは11%増*)。
  • 売上の伸びは、定常収益の堅調さに加え、多くの製品での在庫積増しを含む需要増加による影響を反映。
  • 呼吸器領域製品の総売上高は8億7,100万ポンド、AERベースで38%増、CERベースで38%増。テリルジーの売上高は1億9,300万ポンド、AERベースで100%超増、CERベースで100%超増。ヌーカラの売上高は2億1,000万ポンド、AERベースで38%増、CERベースで38%増。
  • HIV治療薬の総売上高は12億ポンド、AERベースで8%増、CERベースで8%増。2剤併用レジメンの売上高は1億8,600万ポンド。
  • シングリックスの売上高は6億4,700万ポンド、AERベースで81%増、CERベースで79%増。
  • グループ全体の営業利益率は22.2%。堅調な営業レバレッジを反映し、グループ全体の調整後営業利益率は29.4%(医療用医薬品は26.9%、ワクチンは47.5%、コンシューマー・ヘルスケアは26.8%)。
  • 一株当たり利益合計は31.5ペンス、AERベースで87%増、CERベースで89%増。好調な業績に加え、インドにおけるホーリックス事業の売却に関連したヒンドゥスタン・ユニリーバ社の株価上昇を反映。
  • 調整後一株当たり利益は37.7ペンス、AERベースで25%増、CERベースで26%増。業績と臨時で行った繰延税金資産の再評価による税率の引き下げを反映。
  • 第1四半期の事業からのネットキャッシュフローは9億6,500万ポンド。フリーキャッシュフローは5億3,100万ポンド。
  • 第1四半期の配当は19ペンス。

ガイダンス

  • 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する最新の評価に基づき、2020年度の調整後一株当たり利益の見通しは変更なし。今後情報が明らかになるに従い、必要に応じて更新する。

開発パイプラインに関するハイライト

  • 卵巣がんの女性に対するファーストラインの維持療法としてZejulaがFDAとEMAより承認取得。
  • DREAMM-2試験のデータに基づき、再発または難治性の多発性骨髄腫の患者を対象としてbelantamab mafodotinがFDA優先審査薬に指定。PDUFAによる承認審査期限は2020年8月。
  • HIVに対する初の長時間作用型レジメンとなるCabenuvaがカナダで承認取得。FDA Complete Response Letter(審査完了報告通知)に対する回答の提出予定は2020年半ばの見込み。
  • 成人におけるHIVの治療薬としてfostemsavirをEMAに承認申請。
  • サノフィとの提携を含め、COVID-19に対するアジュバント添加ワクチンの開発を目的とした複数の提携が進行中。
  • Vir Biotechnologyと、同社のモロクローナル抗体プラットフォーム技術の利用を含め、コロナウイルスに対するソリューションの研究開発において提携。

 

2020年第1四半期業績結果

  Q1 2020 成長率
  £m £% CER%
売上 9,090 19 19
営業利益合計 2,014 41 42
一株当たり利益合計 31.5p 87 89
調整後営業利益 2,675 24 24
調整後一株当たり利益 37.7p 25 26
営業活動によるネットキャッシュ 965 46  
フリーキャッシュフロー 531 >100  

全体の業績結果は英語プレスリリース11ページの「Financial performance」に、調整後業績結果の修正は21、22ページに記載されています。調整後の業績結果はIFRSに基づかない指標であり、IFRSに基づき提示されている情報に加えて検討する性質のものであり、それに代わるまたはそれより優れているものではありません。調整後業績結果は9ページに記載されており、£%、AER%成長率、CER%成長率、フリーキャッシュフローおよびその他のIFRSに基づかない指標の定義は40ページに記載されています。GSKは、10ページに記載された理由のみに基づいて、調整後結果ベースにガイダンスを提示しています。将来の業績や配当金の支払いに関する全ての見込み、ガイダンスや目標は、41、42ページにある「Outlook, assumptions and cautionary statements」と併せて読む必要があります。

* 報告AER、CER成長率には、ファイザーの前のコンシューマー・ヘルスケア事業の3カ月間の業績結果が含まれています。プロフォーマCER成長率は、ファイザーが報告している通りの同社のコンシューマー・ヘルスケア事業の3カ月間の業績結果と同等の結果が、2019年第1四半期の比較期間に含まれているという前提に基づいて計算されています。英語プレスリリース10ページの「プロフォーマ成長」を参照。

最高経営責任者のエマ・ウォルムズリーは次のように述べています。

「COVID-19によるパンデミックへの対応は企業としての存在意義の核をなすものであり、GSKのポートフォリオは極めて重要であると同時に必要とされています。GSKでは全社的に持てる力を結集してきました。GSKの医薬品、ワクチン、ヘルスケア製品が、それらを必要とする人達に引き続き確実に届くよう取り組んでいる、チームの皆さんの並々ならぬ尽力に感謝したいと思います。加えて私たちは、GSKの持つサイエンスとテクノロジーの活用にも取り組んでいます。第一の目標は、アジュバント添加COVID-19ワクチンを複数開発することにあり、その達成に向けて世界中の企業や機関との連携を進めています。

第1四半期は、定常収益が好調であったことと、多くの製品で在庫積増しを含む需要の増加を反映して、売上、利益ともに伸び、堅調な結果となりました。今後に目を向けると、少なからぬ不確実性を伴う時期に対峙していかなければならないことは明らかです。しかしながら私たちには、GSKの事業が持つ回復力と持続可能性に加え、これからも“イノベーション、パフォーマンス、トラスト”という長期的優先事項を達成していく力があるという自負があります。」

COVID-19に対するGSKの対応

GSKの事業とポートフォリオはCOVID-19ウイルスに立ち向かう上で極めて重要であり、当社としても社員の安全と事業継続性に注力するとともに、世界各国の対応を支援するためのソリューションを提供し、このパンデミックに対処するため全社的に持てる力を結集してきました。

当社では社員の安全を守りその支援を確実に行えるよう懸命に取り組んでおり、社員のエンゲージメントの機会を増やすための投資に加え、技術やリソースの提供、および方針の調整等を行っています。

GSKの事業は好調であり、重大な必要性に直面しながらも回復力を示してきました。当社では、基幹事業全てにわたり事業継続計画を実施してきました。GSKの流動性状態は引き続き安定しており、現在の運用上の必要性に対応するのに十分なキャッシュと、必要に応じて利用できる相当額のまだ引き出されていない専用の追加資金源があります。当社のサプライチェーンでは、その製造ネットワークの全工程を慎重にモニタリングし、需要の変動に迅速に対応してきました。臨床試験においても、治験参加者、治験実施医療機関の職員、さらには当社の社員を守るために予防的対策を実施する一方、規制遵守と試験の科学的公正性の確保を保つよう努めてきました。

パンデミックによる混乱や他の臨床的優先事項にリソースを転換していることから、臨床試験の参加者募集は遅れが出ています。GSKでは、治験責任医師が必要とされるプロトコルどおりに実施できると判断していることを条件として、進行中の臨床試験への新規患者の登録を引き続き支持しています。必要に応じて、また評価に基づき、募集を一時的に中止した臨床試験もあります。当社には規制当局による審査中の製品が数多くありますが、現時点では規制当局による承認にパンデミックを理由とした大幅な遅れは見込まれていません。

しかしながら、状況は明らかに絶えず大きく変化し続けており、先行きも不透明です。また現段階では、パンデミックの最終的な深刻度、その期間、および影響も依然として不明です。GSKでも策を講じてはいますが、本年度の残りの期間、特に今後数カ月にわたる業績については重大なリスクがあります。政府による封じ込め措置が実施され、パンデミックを受けて取られたその他の行政措置や制限が及ぼす影響もある中、こういったリスクには、製造活動や第三者機関を含むサプライチェーンに対する混乱、GSKの臨床試験の実施への制限、特にシングリックスなどのワクチン等、特定の選択的または任意の治療へのアクセスなどが挙げられます。GSKではこのようなリスクを引き続き慎重にモニタリングしていきます。

GSKは、当社が保有するサイエンス、テクノロジー、ポートフォリオ、およびリソースを活用したソリューションを提供し、このパンデミックに対する世界各国の対応を支援していきます。当社の第一の目標は、アジュバント技術を用いた、アジュバント添加COVID-19ワクチンを複数開発することにあり、現在、北米や中国を含め、全世界で7つの企業や機関と協力しています。アジュバントの活用は、1回の接種におけるワクチンタンパクの量が抑えられるためワクチンの生産数量を増やすことができ、ひいてはより早い時期により多くの人々にワクチンを接種することができるため、パンデミックの状況下においては特に重要とされます。

ワクチンと並行して、私たちは治療選択肢の探索も続けています。4月以降、GSKはVir Biotechnologyと提携し、COVID-19や今後発生する可能性のあるコロナウイルスの大流行に対処できるよう、治療薬またはワクチンとして選択肢となりうる新規抗ウイルス抗体を同定しその開発を加速していこうとしています。さらに、GSKの市販および開発中の医薬品の中に、抗ウイルス活性を有する可能性があるものや、COVID-19に関連した症状の予防や治療で使える可能性のあるものがないか、スクリーニングを行っています。

またワクチンや医薬品の枠を超え、例えば全国的な検査センターの支援を行うなど、GSKの能力や専門知識を活用し他の形でも貢献しています。加えて、国連およびWHOの COVID-19対応連帯基金を含む世界各国や自国の基金を支援し、医療従事者に対する必要物資や個人用防護具(PPE)の配布を援助しています。

2020年ガイダンス

2020年2月5日の2019年度業績発表時には、2020年の通年予想に関して、調整後一株当たり利益はCERベースで-1%~-4%の範囲で低下する見込みであるというガイダンスを示しました。このガイダンスには、主要な新製品の成長への期待に加え、GSKの2社への分社化に向けた新たなプログラムの実施と併せて、新製品や研究開発パイプラインに対する継続的投資増加を伴う2年計画が開始したことへの期待が反映されています。このガイダンスでは、以前に発表した内容を超える投下資本引き揚げやCOVID-19が事業に与える影響は除外しています。

現段階では、COVID-19によるパンデミックが2020年のGSK通年業績に最終的に与える影響を予想することはできませんが、第1四半期の業績は堅調でした。しかしながら、「COVID-19に対するGSKの対応」に記載した通り、本年度の残りの期間、特に今後数カ月にわたる業績については社内外を問わず重大なリスクがあります。COVID-19が与える影響に対する最新の評価に基づき、現段階においては本年度の調整後一株当たり利益の見通しはそのまま変更しませんが、今後情報が明らかになるに従い、必要に応じて、2020年の通年財務業績予想に関するガイダンスを更新します。

将来の業績や配当金の支払いに関する全ての見込み、ガイダンスや目標は、英語プレスリリース41、42ページにある「Outlook, assumptions and cautionary statements」と併せて読む必要があります。

2020年3月31日の終値(1.24ドル/1ポンド、1.13ユーロ/1ポンド、134円/1ポンド)の為替レートが2020年末まで続くと仮定した場合、2020年のスターリングでの売上高成長に対する影響はほぼ横ばいと推定され、為替差損益が2019年と同じ水準とみなされた場合、2020年のスターリング調整後一株当たり利益成長に対する影響もほぼ横ばいと推定されます。

 

プレスリリースの原文は https://www.gsk.com/media/5956/q1-2020-results-announcement.pdf をご参照ください。