A型ボツリヌス毒素製剤「ボトックス注用50単位」、「ボトックス注用100単位」、過活動膀胱、神経因性膀胱の適応追加および上肢痙縮の用法・用量変更について承認取得

グラクソ・スミスクライン株式会社(代表取締役社長:ポール・リレット、本社:東京都港区、以下GSK)はA型ボツリヌス毒素製剤「ボトックス注用50単位」、「ボトックス注用100単位」(以下「ボトックス」)について、本日、「既存治療で効果不十分又は既存治療が適さない過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁(以下、過活動膀胱)」、「既存治療で効果不十分又は既存治療が適さない神経因性膀胱による尿失禁(以下、神経因性膀胱)」の適応追加および上肢痙縮の用法・用量変更についての承認を取得したことをお知らせいたします。

過活動膀胱および神経因性膀胱については、一般社団法人日本排尿機能学会より開発の要望書が提出された後、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」における検討の結果、医療上の必要性が高いと判断され、厚生労働省より当社に対し開発要請がなされました。
また上肢痙縮については、2010年に効能・効果として承認を取得していますが、上肢痙縮の患者さんは広範囲にわたる筋緊張を呈することが多く、投与対象となる各筋に対し十分な治療効果を得られる用量を投与するため、最大投与量の引き上げが望まれていました。

この度の承認について当社代表取締役社長のポール・リレットは次のように述べています。
「日本は高齢化社会を迎え、過活動膀胱や神経因性膀胱、上肢痙縮の症状に悩まされる患者さんも今後増えていくのではないかと考えられます。今回の承認により、これまでこれらの疾患や症状に悩んでいた患者さんに、新たな治療の選択肢をお届けできるようになったことを大変嬉しく思います。GSKは今後とも、アンメットメディカルニーズの解決に向けた開発への注力と適切な情報提供を通して、必要とされる患者さんに薬剤をお届けし、健康や生活の質の向上により一層貢献できるよう努めてまいります。」

過活動膀胱について
過活動膀胱は、尿意切迫感を必須とした症状症候群であり、通常は昼間頻尿と夜間頻尿を伴い、切迫性尿失禁は必須ではないと定義されています1,2。過活動膀胱による尿意切迫感、頻尿、切迫性尿失禁の症状は、日常生活や仕事、対人関係、身体活動や社会的活動に大きな影響を与え3,4、特に切迫性尿失禁を伴う患者さんではQOLの低下が顕著であるとされています5。また精神面への影響も大きいとされています。過活動膀胱は、2012年の人口構成に基づくと、国内で1,040万人もの患者さんがいると推定2,6されています。

神経因性膀胱について
神経因性膀胱は、神経学的疾患を原因とする下部尿路機能障害の総称です。原因となる疾患はさまざまで、脊髄損傷、多発性硬化症、脳卒中、パーキンソン病などがあります7。神経因性膀胱では、しばしば本人の意思とは関係なく勝手に膀胱が収縮し、尿失禁を来たします。尿失禁は人としての尊厳やQOLに影響を与え、また経済的な負担も伴う症状です8,9

「ボトックス」の製品概要について
「ボトックス」は現在アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、オーストラリアを含む90ヵ国以上で承認されています。なお、日本における承認状況は以下の通りです。

「ボトックス」の日本における承認状況

以下表内の下線部分が今回の変更箇所です。

「ボトックス」用法・用量変更

 

生きる喜びを、もっと Do more, feel better, live longer
GSKは、より多くの人々に「生きる喜びを、もっと」を届けることを存在意義とする科学に根差したグローバルヘルスケアカンパニーです。詳細情報はhttps://jp.gsk.com/を参照ください。

 

1 Abrams P, Cardozo L, Fall M, et al. The standardisation of terminology of lower urinary tract function: report from the Standardisation Sub-committee of the International Continence Society. Neurourol Urodyn. 2002;21:167-78.

2 日本排尿機能学会 過活動膀胱診療ガイドライン作成委員会編. 過活動膀胱診療ガイドライン(第2版). 東京:リッチヒルメディカル; 2015.

3 Abrams P, Kelleher CJ, Kerr LA, et al. Overactive bladder significantly affects quality of life. Am J Manag Care. 2000;6 (Suppl 11):S580-90.

4 後藤百万. 過活動膀胱とQOL. 排尿障害プラクティス. 2004;12:226-32.

5 Stewart WF, Van Rooyen JB, Cundiff GW, et al. Prevalence and burden of overactive bladder in the United States. World J Urol. 2003;20:327-36.

6 本間之夫, 柿崎秀宏, 後藤百万ら. 排尿に関する疫学的研究. 日排尿機能会誌. 2003;14:266-77.

7 Kaviani A, Khavari R. Disease-specific outcomes of botulinum toxin injections for neurogenic detrusor overactivity. Urol Clin North Am. 2017;44:463-74.

8 Mangera A, Chapple CR. Application of guidelines to the evaluation of the male patient with urgency and/or incontinence. Curr Opin Urol. 2014;24:547-52.

9 Tapia C, Khalaf K, Berenson K, et al. Health-related quality of life and economic impact of urinary incontinence due to detrusor overactivity associated with a neurologic condition: a systematic review. Health Qual Life Outcomes. 2013;11:13.