COPD(慢性閉塞性肺疾患)増悪予防のための ePRO(患者アウトカム報告)プラットフォームに関する臨床研究開始のお知らせ
グラクソ・スミスクライン株式会社(社長:ポール・リレット、本社:東京都港区、以下GSK)は、この度、COPD増悪予防のためのePRO(患者アウトカム報告/Patient Reported Outcome)プラットフォームに関する臨床研究を開始したことをお知らせします。ePROプラットフォームとは、患者さんが自宅で症状を記録し、その記録を電子データとして医師に報告することができるプラットフォームです。
COPDは、症状の増悪や合併症のリスクを低減するための薬物治療に加え、医師と患者さんのコミュニケーションを基盤とした疾患マネジメントも推奨されています1。しかしながら、症状が増悪したCOPD患者さんのうち約8割は、自身の症状について医師に報告していないことも明らかになっており2、医師が患者さんの症状の増悪に気が付かず、適切なタイミングで治療介入がされていない可能性があることも推察されます。
そこで、GSKは、医師が患者さんの症状とその経時的な変化を正確に把握し、増悪予防のための適切な治療を提供できるよう、COPDの症状把握を目的としたチェックシート”COPD Assessment Test (CAT)”をインテグリティ・ヘルスケア社の提供するオンライン診療システム”YaDoc”に搭載し、ePRO機能としての活用用途を拡大しました。
患者さんは自身の症状を定期的にアプリに入力し、医師がその内容をモニタリングします。そして症状悪化の兆候が認められた際には、医師が来院を促し、増悪予防のための治療等を提供します。
通常の診療に加え、アプリによる症状のモニタリングを行うことで、よりきめ細やかで適切な症状のコントロールが期待されます。
GSKは、このePROプラットフォームのさらなる活用促進を目指し、この度、以下を確認するための臨床研究を開始しました。
- 高齢の患者さんであっても、データを適切かつ継続的に入力することができるか。
- 医師と患者さんが本プラットフォームを、臨床現場におけるコミュニケーションツールとして効果的であると判断したか。
さらに、症状のモニタリングが増悪の予見と薬剤変更などの適切な治療介入に結び付いたかも探索します。
GSK代表取締役社長のポール・リレットは以下のように述べています。
「オンライン診療を取り巻く医療環境は、近年大きく変化しています。私たちは、この変化を日本の医療の発展における重要な機会と捉え、適切な患者さんが、適切なタイミングで、適切な医療にアクセスできるよう、医薬品の研究開発にとどまらないアプローチによる新たな価値の創造と提供に注力してまいります。」
GSKの呼吸器領域への注力と貢献
GSKは約50年にわたり、気管支喘息とCOPDの領域において、治療薬の研究開発をリードしてきました。1969年の世界初となる短時間作用型β2刺激薬をはじめ、その後5年間で6つもの薬剤を発売し、今日の呼吸器領域における先進的な製品群につなげてきました。私たちはこれからも適切な患者さんに適切な治療を届けられるよう、多くの医療関係者とともに、世界に誇る科学を駆使し、明日の治療を変える薬剤の研究開発に注力してまいります。すべての患者さんが、呼吸を妨げられずに生活できる日が来るまで、私たちは歩みを止めることはありません。
GSKは、より多くの人々に「生きる喜びを、もっと」を届けることを存在意義とする科学に根差したグローバルヘルスケアカンパニーです。詳細情報はhttps://jp.gsk.com/を参照ください。
1.Vogelmeier CF, Criner GJ, Martínez FJ, et al. Global strategy for the diagnosis, management, and prevention of chronic obstructive lung disease 2017 report: GOLD executive summary. Eur Respir J 2017; 49: 1700214.
2.International Journal of Chronic Obstructive Pulmonary Disease downloaded from https://www.dovepress.com/ by 118.159.235.253 on 23-Jul-2019