グラクソ・スミスクライン 2018年度業績発表

この資料は、英国グラクソ・スミスクラインplcが2019年2月6日に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先します。詳細はhttp://www.gsk.comをご参照下さい。

<2019年2月6日英国ロンドン発>

2018年度は、売上、利益、キャッシュフロー全てが増加
一株当たり利益は73.7ペンス、AERベースで100%超増、CERベースで100%超増
調整後一株当たり利益は119.4ペンス、AERベースで7%増、CERベースで12%増

2018年度業績概要ならびに製品および戦略の進捗

  • グループ全体の売上は308億ポンド、AERベースで2%増、CERベースで5%増。
  • 医療用医薬品は173億ポンド、AERベースは変化なし、CERベースで2%増。ワクチンは59億ポンド、AERベースで14%増、CERベースで16%増。コンシューマー・ヘルスケアは77億ポンド、AERで1%減、CERベースで2%増。
  • 呼吸器領域の新製品の総売上は26億ポンド、AERベースで35%増、CERベースで38%増。
  • HIV治療薬の総売上は47億ポンド、AERベースで9%増、CERベースで11%増。ドルテグラビルをベースとしたレジメンでは、44億ポンド、AERベースで14%増、CERベースで16%増。
  • 「シングリックス」の売上は7.84億ポンド、AERベースで100%超増、CERベースで100%超増。
  • グループ全体の営業利益率は17.8%、AERベースで4.3%増、CERベースで0.5%増。
  • グループ全体の調整後営業利益率は28.4%、AERベースは変化なし、CERベースで0.5%増(医療用医薬品は33.3%、ワクチンは33.0%、コンシューマー・ヘルスケアは19.8%)。
  • 一株当たり利益合計は73.7ペンス、AERベースで100%超増、CERベースで100%超増。堅調な事業業績、事業再編コストの低下および減損の減少に加え、2017年に行われた米国の税制改革の影響が有利に働いたことが反映。
  • 調整後一株当たり利益は119.4ペンス、AERベースで7%増、CERベースで12%増。営業利益率が改善されたことと投資効率が引き続き良いことによるもの。
  • 事業からのネットキャッシュフローは84億ポンド。フリーキャッシュフローは57億ポンド。キャッシュコンバージョン、とりわけ運転資本に注力したことを反映した改善。
  • 2018年第4四半期の配当は23ペンス。2018年通年では80ペンス。
  • 2018年に発表された新たなコンシューマー・ヘルスケア合弁事業を含む4つの主な事業では、戦略およびグループ全体のポートフォリオの再構築を支援。

2019年ガイダンス

  • 先頃米国で「アドエア」のジェネリック競合品が承認されたことを反映し、調整後一株当たり利益予想はCERベースで-5%から-9%の範囲に低下。ガイドラインではさらに、Tesaro社の買収で予想される影響を反映するとともに、コンシューマー・ヘルスケアの栄養補助製品事業の売却とコンシューマー・ヘルスケア合弁事業については先頃表明した通りファイザー社との統合を想定している。
  • 2019年の年間配当は80ペンスの見込み。 

パイプラインのアップデートおよびニュースフロー

  • 医療用医薬品のパイプラインの再構築を継続し、現在、開発中である46*の新薬のうち33*件について、免疫系の調整を創薬ターゲットとしている。
  • 臨床開発段階にある免疫オンコロジーパイプラインが現時点で16*製品となり大幅に進捗している。これは社内組織の伸展、Tesaroの買収、およびMerck KGaA社(ダルムシュタット、ドイツ)*との提携を反映したもの。
  • 2019年には、以下の通りHIV、オンコロジー、炎症性疾患、および呼吸器領域で複数の新薬に関する主なデータの発表と、その他重要な進捗に関する発表がある予定。

-   上半期にドルテグラビル+ラミブジンに対するFDAの承認可否の判断がなされる予定。
-   上半期にカボテグラビル+リルピビリンの長期作用型注射剤、さらに下半期には多数の治療歴を有する患者を対象としたfostemsavirのFDA承認申請を予定。
-   多発性骨髄腫の四次治療としてのBCMA、卵巣癌の一次維持治療としてのZejula、および子宮内膜癌を適応としたPD1 dostarlimabに関するピボタルデータ発表を予定。
-   上半期に主要学術誌にBCMAに関するDREAMM-1試験から得た最新の第I相試験PFSデータを発表予定。
-   下半期に関節リウマチの治療を対象とした抗GMCSFの第III相試験を開始予定。
-   上半期に喘息を適応としたTrelegyの承認申請の裏付けとなるピボタルデータであるCAPTAIN試験の結果が得られる予定。

2018年業績結果

  2018
成長率 Q4 成長率
  £m £% CER%  £m  £% CER%
売上 30,821 2 5 8,197 7 5
営業利益合計 5,483 34 43 1,554 >100 >100
一株当たり利益合計 73.7p

>100

>100

24.7p >100 >100
調整後営業利益 8,745

2

6

2,196 8 4
調整後一株当たり利益 119.4p

7

12

31.2p 14 10
営業活動によるネットキャッシュ 8,421

22

  4,119 44  
フリーキャッシュフロー 5,692

63

  3,317 83  


全体の業績結果は6および22ページの「財務実績」に、調整後業績結果の修正は14、15、30、および31ページに記載されています。調整後の業績結果はIFRS基準ではない指標であり、IFRS基準で提示されている情報に加えて検討する性質のものであり、それに代わるまたはそれより優れているものではありません。調整後業績結果については4ページに、£% またはAER%成長率、CER%成長率、フリーキャッシュフローおよびその他のIFRS基準とは異なる指標については44ページに定義されています。GSKでは、5ページに定めた理由から調整後業績結果ベースでのみガイダンスを提供しています。将来の業績や配当に関する予想、ガイダンス、および目標については全て、45ページにある「将来予測、前提条件、および注意事項」と併せて読む必要があります。

*M7874を含む。Merck KGaA社(ダルムシュタット、ドイツ)との提携の件は2019年第1四半期に完了する予定。

最高経営責任者のエマ・ウォルムズリーは次のように述べています。

グループ全体としての売上の伸び、特に「シングリックス」を中心とする新薬の上市後の販売実績が堅調であったこと、継続的なコスト管理、さらにはキャッシュフロー創出力の強化などにより、2018年のGSKの業績を向上させることができました。

免疫学領域、遺伝学領域、および新たな技術に焦点を当てたR&Dの新たな戦略の立ち上げと、戦略を支援する一連の事業およびグループ全体のポートフォリオの再構築とが相まって、GSKグループにとっては戦略的にも重要な年となりました。

医療用医薬品のパイプラインを再構築するという優先課題に対する取り組みは、とりわけオンコロジー領域において、順調に進んでいます。7月以降、臨床開発中のオンコロジーの製品数が16となり、2倍に増加しました。これは社内プログラムの推進、先頃完了したTesaro社の買収、2019年第1四半期に完了となる予定のMerck KGaA社との新たな提携を含む、的を絞った事業開発によるものです。2019年には、新たに3つの抗癌剤に関するピボタルデータが得られることになっています。これら全てに今後2年間のうちに上市できる可能性があります。

さらに、GSKのコンシューマー・ヘルスケアの栄養補助製品事業のユニリーバ社への売却処理の完了に加え、世界トップレベルの新たなコンシューマー・ヘルスケア企業を立ち上げ、株主の皆様に実質的価値を提供するという意味でもまたとない機会となる、ファイザー社との新たな合弁会社の設立にも力を注いでいます。

最後に、顧客、サプライヤー、さらには従業員の皆さんに対し2018年のご支援と多大な努力に感謝申し上げるとともに、GSKにとって重大な実践の年となる2019年に全員で一致団結していくことを楽しみにしています。

2019年ガイダンス

2019年には、調整後一株当たり利益予想はCERベースで-5%から-9%の範囲に低下すると見込んでいます。このガイダンスでは、先頃米国で「アドエア」の代用可能なジェネリック競合品が承認されたことに加えTesaro社の買収で予想される影響を反映するとともに、2019年末までに完了するコンシューマー・ヘルスケアの栄養補助製品事業の売却案と、2019年下半期に完了する予定のファイザー社とのコンシューマー・  ヘルスケア合弁会社案を想定しています。

2019年の配当は一株当たり80ペンスという現行レベルを維持する見込みです。

将来の業績や配当に関する予想、ガイダンス、および目標については全て、45ページにある「将来予測、前提条件、および注意事項」と併せて読む必要があります。

2019年末まで為替レートが2019年1月31日の最終為替レート(1.31ドル/1ポンド、1.14ユーロ/1ポンド、143円/1ポンド)のままであるとすれば、ポンドに換算した2019年の売上成長率に与えるプラスの影響は1%未満と予想されています。もし為替差損益が2018年と同レベルであるとみなした場合は、ポンドに換算した2019年調整後一株当たり利益成長率に与えるプラスの影響は約1%となります。 

<参考>
CERベースおよびAERベース:
グループの業績は、CERベース(恒常為替レート:業績をポンド換算する為替レートが前年同期と同じと仮定した場合の伸び率を表わす)で表示されます。£%または AER%は、実際の為替レートでの伸び率を表します。

2018年度業績プレスリリース
https://www.gsk.com/media/5287/fy-2018-results-announcement.pdf