GSK、慢性腎臓病に伴う貧血患者を対象としたダプロデュスタットの第III相試験から得られた結果を発表 2019年に予定する国内承認申請の裏付けとする主要3試験のうち2つ目の試験
グラクソ・スミスクライン(本社:英国、以下GSK)は、本日、低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素の経口阻害薬であるダプロデュスタットに関し、慢性腎臓病(CKD)に伴う貧血の治療薬の候補として日本人患者を対象に評価した、無作為化、二重盲検、実薬対照、第III相試験から得られた結果を発表しました。
271例の血液透析患者を対象とした52週間の試験の結果、ダプロデュスタット経口薬は、投与40~52週において測定した平均ヘモグロビン濃度について、静注用のダルベポエチン アルファ(遺伝子組換え)製剤に対する非劣性を示し、主要評価項目を達成しました。
Dr. Hal Barron(Chief Scientific Officer and President, R&D, GSK)は次のように述べています。
「貧血は慢性腎臓病の患者さんでよく見られるものであり、脱力や疲労などの症状を引き起こします。本試験から得られた有望なデータは、これらの患者さんにとって治療選択肢となる可能性を有する経口薬として、ダプロデュスタットの開発を進める上で重要な一歩となります。」
安全性プロファイルは、ダプロデュスタットに関する過去の臨床試験 , および治療群全体で認められたものと一致していました。治験薬の投与中に1件以上の有害事象がみられた患者さんの割合は、ダプロデュスタット群で93%、対照群で97%でした。治療群全体で最もよくみられた有害事象は、上咽頭炎(ダプロデュスタット群で42%、対照群で54%)、胃腸系事象(ダプロデュスタット群で46%、対照群で46%)およびシャント狭窄(ダプロデュスタット群で14%、対照群で15%)でした。
本試験の結果は、2019年に予定されている厚生労働省への承認申請の裏付けとするために国内で実施されている進行中の第III相プログラムの一部です。1つ目の第III相試験については、2018年10月の米国腎臓学会腎臓週間において、良好な結果を発表しました。また、保存期患者を対象とした最後の国内試験の結果は2019年の上半期を予定しています。
グローバル開発プログラム
日本国内のプログラムに加え、GSKでは国際共同第III相プログラムが下記の通り進行中です。
- ASCEND-D(Anaemia Studies in CKD: Erythropoiesis via a Novel PHI Daprodustat-Dialysis)では、赤血球造血刺激因子製剤(ESA)から切り替えた、CKDに伴う貧血を有する約3,000例の透析患者を登録する予定です。患者募集は既に終了し、結果は2020年を予定しています。
- ASCEND-ND(Anaemia Studies in CKD: Erythropoiesis via a Novel PHI Daprodustat-Non-Dialysis)では、ESAから切り替えた、または、ESA未治療のCKDに伴う貧血を有する約4,500例の保存期患者を登録する予定です。患者募集は引き続き行われており、結果は2020年を予定しています。
いずれの試験においても、複合主要評価項目は、主要心血管イベント(MACE)が最初に発現するまでの期間とヘモグロビンのベースラインから有効性評価期間(28〜52週の平均値)における平均変化量です。両試験では、これらの評価項目について、遺伝子組換えヒトエリスロポエチンとそのアナログ製剤に対するダプロデュスタットの非劣性を主要解析として評価します。主要解析で非劣性が示された場合は、MACE評価項目について優越性を評価する予定です。
ダプロデュスタットについて
ダプロデュスタットは、低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素の経口の阻害薬です。酸素を検知するプロリン水酸化酵素を阻害することで低酸素誘導因子を安定化し、高地で身体に生じる生理学的作用と同様に、赤血球産生や鉄代謝に関与するエリスロポエチンおよびその他の遺伝子の転写をもたらします。ダプロデュスタットは、貧血の治療薬として、あるいは、その他の適応症についても承認されている国はまだありません。
GSKは、より多くの人々に「生きる喜びを、もっと」を届けることを存在意義とする科学に根差したグローバルヘルスケアカンパニーです。詳細情報はhttps://jp.gsk.com/を参照ください。