A型ボツリヌス毒素製剤 「ボトックス注用50単位」、「ボトックス注用100単位」、 痙攣性発声障害の効能・効果で適応症の追加承認取得
グラクソ・スミスクライン株式会社(社長:ポール・リレット、本社:東京都港区、以下GSK)はA型ボツリヌス毒素製剤 「ボトックス注用50単位」、「ボトックス注用100単位」(以下「ボトックス」)について、本日、痙攣性発声障害の効能・効果で承認を取得したことをお知らせいたします。
本適応に関しては、医師主導治験が実施された後、2017年6月5日に承認申請し、このたび痙攣性発声障害の適応をもつ初めての治療薬として承認されました。
この度の承認についてGSK社長 ポール・リレットは次のように述べています。
「今回、『ボトックス』の痙攣性発声障害の効能・効果の承認により、今まで痙攣性発声障害に悩んでいた患者さんへ、新たな治療の選択肢をお届けできるようになったことを大変嬉しく思います。GSKは今後とも、研究開発への注力と適切な情報提供を通して、必要とされる患者さんに薬剤をお届けし、人々の健康や生活の質の向上につながる貢献に努めてまいります」
痙攣性発声障害について
痙攣性発声障害は喉頭の局所性ジストニアと考えられており1、発声時に内喉頭筋の不随意的、断続的な痙攣による発声障害をきたす疾患です2。その病態は、大脳基底核を含む運動制御システムの機能障害であるとされていますが、詳細な原因は解明されていません。痙攣性発声障害は内転型、外転型及び混合型に分類され、国内の疫学調査では、内転型が93.2%を占めています2。内転型では、発声時に声帯が内転することで発声中の呼気流が遮断され、声のつまり、途切れ、努力性発声等をきたします。一方、外転型は、発声時に声帯が外転することで声門が開大し、息漏れ声、失声を呈します。混合型では、内転型と外転型の両方の症状を併せもっていることが特徴です。痙攣性発声障害の患者さんは、仕事や日常生活において会話が円滑に行えないことから、電話に出ることができない、仕事を辞めざるを得ない、人との接触を避けるようになる、うつや引きこもりにつながる等、就業や社会生活を送る上で、大きな問題を抱えているといわれています3。
「ボトックス」の製品概要について
「ボトックス」は2018年5月現在、オーストラリアなど11ヵ国(発声障害の承認2ヵ国を含む)において本疾患の適応が承認されています。
日本における承認審査は、2014年6月~2015年11月に公益社団法人日本医師会の支援を受け、国立大学法人高知大学医学部附属病院 耳鼻咽喉科 教授 兵頭政光先生が中心となり8つの医療機関で実施された医師主導治験の結果に基づいて行われました。
生きる喜びを、もっと Do more, feel better, live longer
GSKは、より多くの人々に「生きる喜びを、もっと」を届けることを存在意義とする科学に根差したグローバルヘルスケアカンパニーです。詳細情報はhttps://jp.gsk.com/を参照ください。
1 村野恵美. 痙攣性発声障害の成因と症状. 音声言語医学. 2001;42(4):326-31.
2 兵頭政光, 弘瀬かほり, 長尾明日香ら. 痙攣性発声障害に関する全国疫学調査. 音声言語医学. 2016;57(1):1-6.
3 椎葉由佳. 患者の抱える問題. In: 小林武夫 編. 改訂新版 痙攣性発声障害 そのメカニズムと治療の現状. 東京:時空出版,2005: p.92-111.