呼吸器、免疫学の医療の進展

GSKは50年以上にわたり、呼吸器疾患における複雑な健康課題に最前線で取り組み、喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの様々な患者グループにおける疾患の根本的な要因を深く理解しています。私たちの目標は、次世代の治療法の幅広いポートフォリオにより呼吸器領域における医療の未来を再定義し、できる限り多くの患者さんに貢献することです。病気を予防、治療し、進行を止めることを目的とした早期介入を目指し、患者さんの将来的な合併症を最小限に抑えるために、高い志を持って目標を追求し続けています。
また、免疫システムに対する深い理解は、私たちの免疫学パイプラインの進歩にもつながっています。炎症メカニズムに関する数十年にわたる知識を基に、間質性肺炎、肝疾患および腎疾患の治療を目指しています。
IL-5を介する疾患および2型炎症
25年以上にわたり、私たちは、呼吸器疾患に対する深い理解と免疫学の研究を融合させてきました。IL-5を介する疾患には、有効な治療法がほとんどない、あるいはまったくない疾患が数多く含まれています。私たちはメッセンジャー分子(サイトカイン)のIL-5を介する2型炎症の疾患に関して研究をリードし、重症喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)、鼻茸を伴う慢性鼻副鼻腔炎などの呼吸器疾患に対する最も効果的な治療法について、考え方を前進させ、現在もその歩みは続いています。
私たちの研究は、これらの症状の治療目標を再定義することを目的としています。日々の症状の最適な管理を超えて、病気の経過を変えることを目指しています。これにより、病気の進行を遅らせたり、予防したり、臓器への負荷を軽減したり、症状によっては、より多くの患者さんが臨床的寛解という高い治療目標を達成できるようになる可能性があります。
喘息と慢性閉塞性肺疾患(COPD)
最先端の吸入薬、生物学的製剤、ワクチンなどの製薬業界をリードするポートフォリオを有する私たちは、喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸器疾患を抱える何百万人もの人々の生活と治療結果の向上に重点的に取り組んでいます。私たちは、感染から人々を守り、病気の悪化を防ぐための取り組みを行っています。また、人々の健康と充実した生活をサポートするため、症状の緩和にも力を入れています。
私たちは、呼吸器疾患を持つ人々のより高い治療目標をサポートするために、患者さんや医療の専門家と協力し、次世代の標準治療法を開発し、呼吸器領域における医療の未来を再定義するために、数十年にわたり先駆的な取り組みを続けています。
全身性エリテマトーデス(SLE)
10年以上にわたり、私たちは慢性自己免疫疾患である全身性エリテマトーデス(SLE)と、SLEが原因で起こる腎臓の炎症であるループス腎炎の科学的理解と管理を進めてきました。私たちが蓄積してきた豊富なエビデンスにより、防げる臓器障害を予防し、病気の進行を変え、SLE患者さんの長期的な予後の改善に貢献しています。
私たちの研究は、SLEにとどまりません。全身性強皮症に伴う間質性肺疾患(SSc-ILD)やその他の結合組織疾患など、B細胞(白血球の一種)が介する免疫疾患を持つ人々の満たされていないニーズにも応えていきます。
難治性慢性咳嗽(がいそう)
約2,800万人が慢性咳嗽に苦しんでおり、世界中で約1,000万人が難治性慢性咳嗽(RCC)に苦しんでいます[1]。RCCは、8週間以上持続する咳嗽で、基礎疾患に対する治療に反応しないもの、または原因疾患が不明なものと定義されています[2]。何十年もの間、RCCに対する効果的な治療法は存在しませんでした。
現在、RCCを抱える患者さんの咳嗽頻度を減少させ、生活の質を向上させるために、体内の特定の受容体を標的とする治療法を模索しています。
[1] Song et al. The global epidemiology of chronic cough in adults: a systematic review and meta-analysis. Eur Respir J. 2015; 45: 1479-1481.
[2] Meltzer et al. Prevalence and Burden of Chronic Cough in the United States. J of Allergy Clin Immunol Pract. 2021; 9:4037-44.