私たちのパイプラインにあるワクチンと医薬品のほぼ半数は、感染症を対象としています。
私たちは、このような世界的な健康への大きな負担に対し、新たなワクチンやスペシャリティ医薬品を研究開発することで、感染症に先手を打つことを目指しています。
ワクチンと医薬品に関する専門知識を結集することで、私たちは治療と予防にフォーカスすることができます。
私たちの主要領域
呼吸器系ウイルス
呼吸器領域における50年以上のリーダーシップに基づき、RSウイルス(RSV)などの呼吸器疾患に対するソリューションのポートフォリオを開発しています。さらに、ウイルスによるCOPD増悪など、その他の呼吸器疾患に対する医薬品の開発にも取り組んでいます。
抗菌薬の研究
尿路感染症や尿路性器淋菌、赤痢菌、黄色ブドウ球菌、クロストリジオイデス・ディフィシル、クレブシエラなどの抗菌薬耐性感染症に対処するための新薬やワクチンの可能性を研究しています。私たちは、長年培ってきた細菌ワクチン(髄膜炎など)の開発ノウハウを応用し、抗菌薬耐性(AMR)の負担軽減に貢献しています。
また、IMI抗生物質アクセラレーターや米国政府のバイオメディカル・アドバンスド・リサーチ・アンド・デベロップメント・オーソリティ(BARDA)など、欧米両国の資金提供機関と官民パートナーシップを結び、抗菌薬耐性との闘いに取り組んでいます。
帯状疱疹
およそ3人に1人が一生のうちに帯状疱疹を発症します*。水痘(水痘・帯状疱疹ウイルスが原因)は、多くの場合、小児期に感染すると、体内で休眠状態となり、高齢者や免疫不全の人など、免疫反応の低下により、後年になって再活性化し、帯状疱疹を引き起こします。私たちは、アジュバントを添加した帯状疱疹ワクチンの研究と投資を継続し、世界的に広範な予防を提供できるようにしています。
* Shiraki K. et al.: Open Forum Infect Dis. 4(1), ofx007, 2017.
髄膜炎
毎年約120万人が侵襲性髄膜炎菌感染症(IMD)に罹患しており、特に乳幼児や青少年が罹患しやすいと言われています[1]。私たちは、2021年だけで1,000万人以上の患者にワクチン接種を行い、IMD予防のリーダーであり、より広範な予防を提供する可能性のある新しいワクチンの開発研究を続けています。
[1] Rouphael NG et al. Neisseria meningitidis: biology, microbiology and epidemiology. Methods Mol Biol. 2012. 799, 1-20.
B型慢性肝炎(CHB)
WHOは、2022年には2億5,400万人がB型慢性肝炎に感染しており、毎年120万人が新たに感染すると推定しています。2022年にはB型肝炎による死亡者数は推定110万人で、そのほとんどが肝硬変と肝細胞がん(原発性肝がん)でした*。私たちは、アンチセンス・オリゴヌクレオチド技術を用い、B型慢性肝炎に対する治療薬を提供することを目指しています。また、複数の技術を組み合わせたワクチン候補を研究し、ウイルスに対する免疫系の反応を強化する手助けをしています。
* WHO: Hepatitis B
https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/hepatitis-b
顧みられない熱帯病(NTDs)
私たちは、イタリアのシエナとスペインのトレス・カントスの2つの研究開発センターで、NTDsの解決策を研究しています。私たちの科学者は、侵襲性非チフス性サルモネラ、腸チフス、パラチフス、A群溶血性連鎖球菌、内臓リーシュマニア症、シャーガス病、リンパ系フィラリア症、土壌伝染性寄生虫、デング熱など、さまざまな病気を研究しています。
また、結核、マラリア、HIVの蔓延を食い止めるための解決策を模索するため、主要な研究機関やパートナーとの緊密な協力関係を築いています。