GSKのRSウイルスワクチン「アレックスビー」、罹患リスクの高い50~59歳の成人への接種対象者拡大の承認申請について欧州医薬品庁が受理

この資料は、英国GSK plcが2024年1月29日に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先されます。
詳細はhttps://www.gsk.comをご参照ください。

<2024年1月29日 英国ロンドン発>

GSKのRSウイルスワクチン「アレックスビー」、罹患リスクの高い50~59歳の成人への接種対象者拡大の承認申請について欧州医薬品庁が受理

  • RSウイルスによる感染症に罹患するリスクが高い50~59歳を対象とする第III相臨床試験の良好な結果に基づき申請

  • 基礎疾患を有する50歳以上の成人ではRSウイルスによる感染症の罹患リスクが高まる1,2,3

  • GSKはこの年齢層でのRSウイルスワクチンの接種対象者拡大の承認申請を行う最初の企業

GSK(本社:英国)は、RSウイルスワクチン「アレックスビー(アジュバント添加RSウイルスワクチン)」について、RSウイルスによる感染症に罹患するリスクが高いと考えられる50~59歳の成人への接種対象者拡大の承認申請が欧州医薬品庁(EMA)に受理されたことをお知らせします。承認されれば、アレックスビーが、この年齢集団をRSウイルス感染症から守る最初のワクチンとなる可能性があります。アレックスビーは欧州において、60歳以上を対象にRSウイルスによる下気道疾患の予防を目的として既に承認されています。

本申請は、基礎疾患によりRSウイルスによる下気道疾患のリスクが高まる成人を含む50~59歳を対象とするアレックスビーの免疫応答と安全性を評価する第III相臨床試験[NCT055904034良好な結果に基づいています。

成人のRSウイルスの疾病負担は、疾患認知度の低さや標準的な検査がないこと、サーベイランス研究での検出不足により過小評価される可能性がありますが5、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、慢性心不全6、糖尿病7などの基礎疾患を有する患者さんは、RSウイルスの感染症に対するリスクが高くなります。また、RSウイルスによってこれらの疾患が悪化し、肺炎、入院または死亡8につながる可能性があります。RSウイルスによる疾患のリスクが高い50~59歳では、60歳以上と同様の負担が生じると考えられています9

GSKは、基礎疾患のためにRSウイルスによる感染症に罹患するリスクが高いと考えられる50歳~59歳においてRSウイルスワクチンの接種対象者拡大の承認申請を行う最初の企業です。欧州の規制当局による決定は2024年下半期に予定されています。

GSKのRSウイルスワクチンについて
アジュバント添加RSウイルスワクチンで、膜融合前型で安定化した遺伝子組換えRSウイルスF糖タンパク質(RSVPreF3)抗原を含有しています。この抗原には、GSK独自のAS01Eアジュバントを組み合わせています。

GSKのRSウイルスワクチンは、60歳以上のRSウイルスによる下気道疾患の予防を目的として欧州医薬品庁より既に承認を受けています。欧州では、公式の推奨事項に従って使用される必要があります。他のワクチンのように、ワクチン接種者は全員防御免疫応答が誘導されるわけではありません。

アレックスビー(Arexvy)は、日本(RSウイルスによる感染症の予防)、米国、欧州、英国、カナダなどにおいて、60歳以上を対象にRSウイルスによる下気道疾患の予防を効能または効果として承認されています。その他の国々でも規制当局による審査が進行中です。承認地域以外の商標名は各国の規制当局の承認に基づき決定されます。

GSKが所有するAS01アジュバントシステムには、Agenus社の完全子会社であるAntigenics社よりライセンス供与されたQS-21 STIMULONアジュバントが含まれています。STIMULONは、Agenus社の子会社であるSaponiQx Inc.の商標です。

NCT05590403試験について
RSウイルスによる下気道疾患のリスクが高い50~59歳を対象にGSKのRSウイルスワクチンを単回投与したときの免疫応答の非劣性を60歳以上と比較して評価し、また安全性についても比較検討する第III相、プラセボ対照、観察者盲検、ランダム化、国際共同、免疫原性試験です。

本試験では、RSウイルス感染症のリスク増加の原因となるものとしてあらかじめ定義した慢性疾患を有し、病状が安定している50~59歳(570例)で免疫応答を評価しました。あらかじめ定義した上記の慢性疾患を有さない50~59歳(570例)における免疫応答についても、60歳以上と比較して評価しました。本試験の主要評価項目として、ワクチン接種後1カ月の時点におけるRSV-A型およびRSV-B型に対する中和抗体価を50~59歳を含む両群と60歳以上の成人とを比較しました。主要評価項目は、50~59歳で60歳以上と比較して非劣性の免疫応答が認められた場合に達成したものとしました。また、安全性および免疫原性に関する副次的評価項目および三次評価項目も設定しました。

本試験の結果は、今後開催される医学学会で発表され、査読付きの学術誌に提出する予定です。データは、添付文書の接種対象者拡大の可能性を裏付けるものとして、その他の規制当局にも提出されます。

成人におけるRSウイルス(呼吸器合胞体ウイルス、Respiratory Syncytial Virus)について
RSウイルスは、肺などの呼吸器に影響を及ぼす一般的な感染性ウイルスです。基礎疾患、免疫低下状態、または加齢によって成人のRSウイルスによる疾患のリスクが高くなるといわれています6。RSウイルスにより、COPD、喘息、慢性心不全などの病態が悪化し、肺炎、入院、死亡などの重篤な転帰につながる可能性があります6。欧州では毎年、RSウイルスによる60歳以上の入院が約270,000人、院内死亡が20,000人と推定されています4

GSK(グラクソ・スミスクライン)について
GSKは、サイエンス、テクノロジー、人財を結集し、力を合わせて病に先手を打つことを存在意義とするバイオ医薬品のグローバルリーダーです。詳細情報はhttps://jp.gsk.comをご参照ください。

 


1 Malosh RE et al. Respiratory syncytial virus hospitalization in middle-aged and older adults. J Clin Virol. 2017; Nov:96:37-43. doi: 10.1016/j.jcv.2017.09.001
2 Prasad N et al. Respiratory Syncytial Virus-Associated Hospitalizations Among Adults With Chronic Medical Conditions. Clin Infect Dis. 2021 Jul 1;73(1):e158-e163. doi: 10.1093/cid/ciaa730.
3 Begley KM et al. Prevalence and Clinical Outcomes of Respiratory Syncytial Virus vs Influenza in Adults Hospitalized With Acute Respiratory Illness From a Prospective Multicenter Study. Clin Infect Dis. 2023 Jun 8;76(11):1980-1988. doi: 10.1093/cid/ciad031.
4 ClinicalTrials.gov, A Study on the Immune Response and Safety of a Vaccine Against Respiratory Syncytial Virus Given to Adults 50-59 Years of Age, Including Adults at Increased Risk of Respiratory Syncytial Virus Lower Respiratory Tract Disease, Compared to Older Adults 60 Years of Age and Above 2023. NCT05590403. https://www.clinicaltrials.gov/study/NCT05590403
5 Savic M, Penders Y, Shi T, Branche A, Pirçon J-Y. Respiratory syncytial virus disease burden in adults aged 60 years and older in high-income countries: a systematic literature review and meta-analysis, Influenza Other Respir Viruses 2022 2023; 17:e13031
6 Falsey, AR et al. Respiratory syncytial virus infection in elderly and high-risk adults, in New Engl J Med 2005; 352:1749-59
7 Osei-Yeboah R et al., Respiratory syncytial virus-associated hospitalisation in adults with comorbidities in two European countries, PROMISE investigators, preprint, August 2023
8 Centers for Disease Control and Prevention (CDC), RSV in Older Adults and Adults with Chronic Medical Conditions, 2023
9 McClure DL et al. Seasonal incidence of medically attended respiratory syncytial virus infection in a community cohort of adults >50 years old. PLoS One 2014; 9(7): e102586.