GSK、医療従事者向けにオンライン診療をテーマにしたセミナーを実施

~喘息・COPD患者さんにより良い治療環境をお届けするために~

  • 患者さんの受診動向の変化やオンライン診療に関する規制緩和を受け、オンライン診療や遠隔モニタリングの活用による治療の質向上に期待が高まる

グラクソ・スミスクライン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:ポール・リレット、以下GSK)は2022年9月22日、医療従事者向けセミナー「喘息・COPD患者さんにオンライン診療を活用するには」を実施しました。喘息・COPDは適切な治療の継続と長期的な疾患管理が重要な慢性呼吸器疾患であることから、当セミナーでは喘息・COPDの患者さんを日常的に診療するプライマリケア医を中心とした医療従事者向けに、オンライン診療に関する最近の話題や、日常診療における活用事例、導入によるメリットについてご紹介しました。

昨今の新型コロナウイルス感染症の流行により、患者さんの受診抑制が顕著となっていることが課題となっています1。政府は2020年4月に初診からのオンライン診療を認めるなどの特例措置を設け、さらに2022年4月の診療報酬改定では対面診療と近い評価がなされるなど、医療機関がオンライン診療を導入しやすい環境が整備されてきています。そのような中、現在も新型コロナウイルス感染症の流行に関する懸念は続いており、日常生活におけるデジタルを活用した疾患管理やオンライン診療がますます重要なテーマとなっています。

セミナーでは、株式会社インテグリティ・ヘルスケア 代表取締役会長 武藤真祐先生が、オンライン診療を取り巻く制度の変遷を紹介し、特に2022年の診療報酬改定により、オンライン診療に取り組みやすい環境となってきていることを説明しました。COPD患者さんを対象とした臨床研究2で、遠隔モニタリングに対する受容満足度について患者さんの5割超、医療従事者の約6割から大変満足あるいは満足したとの肯定的な回答があったと紹介しました。また喘息・COPD患者さんを対象にした調査では、オンライン診療や遠隔モニタリングにより患者さん・医療従事者間のコミュニケーションが増大し、症状変化を把握しやすくなったと評価する結果となったことを紹介しました。武藤先生は「点と点になりがちな診療が、デジタルの活用により線としてつながることで、今までになかった診療スタイルが生まれつつある。オンライン診療や遠隔モニタリングの活用に様々な将来の可能性が示されている」と述べました。

続いて、社会医療法人春回会 井上病院病院長 吉嶺裕之先生が、日常診療におけるオンライン診療や遠隔モニタリングの活用事例として、喘息やCOPD患者さんの症状変化や服薬状況の把握がしやすくなったことを挙げ、より良い疾患管理や患者さんとのコミュニケーション向上につながったと紹介しました。人口動態の変化やパンデミックへの対応といった環境変化の中で、今後はデジタルの活用や医療機関の連携による生産性や効率性の高い医療が求められていると説明しました。吉嶺先生は、オンライン診療への期待として、「対面診療の補完、医療アクセス向上、患者の不安感の緩和へ貢献でき、呼吸器疾患における日常診療の質の向上につながる。オンライン診療は、入院、外来、在宅に続く第4の診療概念になり得る」と述べました。

当日は2,500名超の医療従事者の方々の参加があり、セミナー後の参加者へのアンケートでは75%が「今回のセミナー内容が喘息・COPD患者さんに対してオンライン診療を活用するきっかけになると思う」(とてもそう思う、ややそう思う)と回答し、オンライン診療活用への高い関心がうかがえる結果となりました。

GSK代表取締役社長のポール・リレットは次のように述べています。
「ご参加いただいた医療従事者の皆様には心よりお礼申し上げますとともに、今回のセミナーが喘息・COPD患者さんにとって、最適な治療継続のための環境作りの一助にとなることを期待しています。GSKでは治療薬の研究開発に加えて、急速に進展するデジタル技術を活用した医療環境への変革にも積極的に貢献していきます。」

GSKの呼吸器領域の取り組みについて
GSKは約50年にわたり、気管支喘息とCOPDの領域において、治療薬の研究開発をリードしてきました。実臨床で機能する「Treatable traits(最適な治療を提供するために配慮すべき患者の形質・特徴)」の特定や診療の質向上に貢献し、患者さんがより早期に最適な治療を受けられることを目指しています。GSKでは、喘息・COPDの早期診断、最適治療と治療継続、増悪予防の改善に向けて、遠隔医療ツールの活用や産官学の連携をしながら、喘息・COPDの日本人患者さんの特性を評価する総合的な臨床研究を多数実施しています。TRAIT研究、AERIS-J研究、Telemedicine研究、OCEAN研究、Cognitive研究などが進行・完了しています。

また、GSKは2021年2月に長崎地域医療連携ネットワークシステム協議会「あじさいネット」およびインテグリティ・ヘルスケアとICT(情報通信技術)基盤の利活用による地域医療連携の強化と地域医療の質向上を目的とした包括連携協定を締結しています。

GSKは、サイエンス、テクノロジー、人財を結集し、力を合わせて病に先手を打つことを存在意義とするバイオ医薬品のグローバルリーダーです。詳細情報はhttps://jp.gsk.com/をご参照ください。

 


1 厚生労働省HP https://kakarikata.mhlw.go.jp/corona/index.html
2 Telemedicine研究。詳細情報は2022年4月25日発表のプレスリリースhttps://jp.gsk.com/ja-jp/news/press-releases/20220425_copd-telemedicine-study/をご参照ください。